土曜のランチの様子から。
まずは生ビール
九つ井に来るのは長女の誕生会をした昨秋以来で久し振りだった。この土曜は天候が荒れ、首都圏にも雪が降るかもしれないと言われるほど寒い一日だった。

寒くても恒例により生ビールなのだ。この日の突き出しは大根の皮を千切りにして桜漬などと和えたおひたし。鄙びた香りとしゃきっとした食感が秀逸。


肴三品
蕎麦前には
煮物炊き合わせ、そして
蕎麦コロッケ、
鮪の大葉はさみ揚げを頼んだ。






このところ定番化しつつある炊き合わせだが、今回の具材は生湯葉、生麩、鞘えんどう、椎茸、芝海老、鶏もも肉だった。本枯節と鶏出汁のマリアージュが好適で、穏やかで優しい味わいだ。鶏ももがとても柔らかく甘味が感じられ非常に美味しい。この炊き合わせは頼むたびに出汁の味付けも具材も趣もまるっきり変わり、同じものを一度たりとも食べたことはない。

蕎麦コロッケは外皮がカリっと硬めだが、衣は小麦粉の代わりに蕎麦粉、そしてパン粉で形成しているようだ。餡は普通は蕎麦がきだが、打った蕎麦の微塵切りが入っており風味が蕎麦そのもの。はさみ揚げは初めて頼んだが、この風味が笑うくらい明晰な鮪で、そして大葉の仄かな香気、薄い揚げ油に非常に合う。これはもうビールが止まらず、日本酒が欲しくなった。
天ざるそば かき揚げ
こちらは家内のオーダーで、これもまた定番化しつつある逸品。以下の一枚目の写真は全景。



詳細は以下の前々回訪店時の記録を参照のこと:
鶏せいろ
こちらは私のオーダー。本当は鴨せいろにしようと思っていたが、炊き合わせの柏肉が非常に美味だったことから急遽こちらに宗旨替え。結果論的だが大正解だった。








鶏は初めて頼んだと思う。鴨とは違い癖というか特有の風味はない。しかし上質な鶏が持つ軽量なフレーバー、脂がとても心地良くて、これはこれで非常に美味。この鶏ももは適度な弾力はあるもののとても柔らかくて軽く噛むとほろりと切れる。しかしその時に肉汁が口の中いっぱいに迸り、本枯節の上品な旨味と交錯して得も言われぬ滋味となる。これは癖になりそうだ。
お店データ

九つ井(ここのついど)横浜店
横浜市西区北幸2-6-26 H1横浜ビルB1F
電話:045-313-9110
営業:平日:11:30~22:00(20:30LO):臨時対応
土祝:11:30~22:00(20:30LO):臨時対応
定休:日曜
最寄:各社線 横浜6~8分
今日の一曲

ハルモニア・ムンディで、イザベル・ファウストが弾くドヴォルザークVnコン。少年期のドヴォルザークは音楽作品的にはワーグナーに心酔していたようだが、楽壇デビューした後、1878年に邂逅が実現したブラームスから影響を強く受けた。そうした中で書かれたこのVnコンは、老獪かつ壮大なVcコンとは違ったある種の仄暗さと厳しさがある作品。その点においてはブラームスの作風と瓜二つで、旋律進行のさせ方まで似ている気がする。
(MusicArena 2010/1/16)
今週の珈琲
今週はたまに月末セールで購入しているガテマラ・サンドライ。

正式には、ガテマラ産のブルボン・サンドライと呼称する。現在でも品種改良されずに栽培されている原種の一つであるブルボン種100%の豆。手摘みで収穫された後、3~40日間も天日干しされ出荷される。苦味は割と強めで仄かで柔和な酸味とがバランスする。風味には僅かなチョコレート臭が含まれる。酸味とフレーバーを引き出すにはミディアムロースト、可能ならハイロースト未満に留めるべきだろう。