更新が遅れている。これは日曜のランチの様子から。
まずはビール
この日はカリー味の限定をやるというので気合を入れて行ってきた。


10月も天気が良くなく晴れた日は非常に少なかった。この日も曇天で気温は20℃弱くらいとちょっと涼しかった。そんな天候の中を一枚羽織って反町に向かった。やはり今回の限定商品は大人気で、シャッター前には割と長い行列が。しかし限定数量15ならば、たとえ列の前の全員が頼んでもなんとか行けそうだった。なお、店側制作の限定商品のPOPは以下の通り。

和のスープカリー麺
暫し待ってサーブされたのがこれ。


材料や調理法などは上述のPOPを参照されたい。よって食材等の説明は割愛しインプレションのみ書く。結論から言うとこれは今までに見たことも味わったこともない孤高のラーメンだ。カレーは日本人が好きな食べ物で国民食と言えるほどまで改良、順応化が進み、今やカレー味の食品は枚挙にいとまがない。しかし、これはカレーならぬカリーなのだ。なぜか・・。

日本のホーム・カレーの原点は元は英国から来たものとされており、それはクミンを抑えてコリアンダー主体にし、黄色を演出するべくターメリックを多め、そしてインドを意識したのか否かは定かでないがフェネグリークを多めに配合したものと理解している。フェネグリークの効果については随分前だが
実証実験をしているので参照されたい。

英国でカレー文化を確立したのはC&B=Crosse & Blackwell=クロス・アンド・ブラックウェル社の純カレー粉とされ、それが日本のS&B=エスビー食品の赤缶へと繋がったとされる。更にその後スパイスの他に肉や野菜エキス、小麦粉、脂分、塩分など調味料も全て含む固形の
カレールーが開発されてからカレーは日本国内で市民権を得て絶大な支持を得るのだ。

日本の家庭や町角でカレーが普及した後、饂飩や蕎麦、大衆食堂やラーメン業界にもそれが波及し、カレー味の商品は拡がりを見せる。例えば巣鴨の古奈屋などはカレー味の饂飩だけでのし上がった店だしラーメン屋でもカレー味のスープを売りにしているところはある。それらの店の殆どはS&B赤缶や業務用のハウス・ジャワカレーのルーなどをベースとしている。

つまり、こういったカレー味の商品を出す店はほぼ100%がジャパニーズ・ホームカレーを踏襲している。昔懐かしくどこか郷愁をそそる安心できるカレー味、それが今までの立ち位置であり基本。それを崩すことはほぼ考えられないくらい安定と信頼の味、風味と言えよう。普通のラーメンだってカレー粉を入れれば相応のカレー味スープとなって無難な仕上がりとなる。

前置きが長くなったが、この麺スープはそういったジャパニーズ・ホームカレー味ではない。ルーやカレー粉は一切使用せず店主が選び抜いた素のスパイスのみでスープを作っている。しかも前例がないと思われるアゴ出汁、横浜醤油をベースとした和風出汁なのである。不思議なことだが、滋味は日本料理、風味は北インドなのだ。それがまた高度に調和して絶妙。

和風なのに北インド、北インドだけれど日本料理の風情、というのがこの商品の孤高かつ前衛的な特徴。カレー粉文化によらず北インドのスパイス、即ちコリアンダー、クミン、グリーン・カルダモン、ターメリックといったものを主成分としているのでカレーではなく紛れもないカリーなのである。良い働きをしていたのはカスリメティ=フェネグリークの生の葉。

フェネグリークの実を乾燥させた粉末をスープに入れ込めば、たぶんジャワカレーやバーモントカレー、もっと特徴的に言うならばオリエンタル・メタルカレーの味になってしまうのだが、店主は流石の嗅覚・味覚の持ち主で、
そこはかとなく香るように葉っぱでアレンジした模様。これがあることで純粋の北インドは不得手という人にも郷愁そそる風味が届けられる。
カリースープに追い飯
もちろん、このために券売機でライスの券を事前に購入してあった。



こんなのを食べていると脳みそがとろけてしまう。とろけると当然に駄目になってしまうのだが、もうそれで良いのだ。今回もダメ人間になってしまった。加えて、家内も人間が本当にダメになったと愚痴っていた。駄目人間、万歳だ!
お店データ

自家製麺 SHIN(新)
横浜市神奈川区反町1-3-8電話:045-548-3973
営業:11:30~15:00(夜営業は当面休止)
定休:火曜(祝日でも休業)
最寄:東急東横線 反町4分
※感染症対策の消毒は万全
カウンター席には仕切りあり
今日の一曲

ゲルギエフLSOのマーラー=千人の交響曲。この録音は精緻に作り込まれたセッション盤ではなく、客を入れた後戻りできないコンサートを録ったもの。コンサート会場となったセント・ポール大聖堂は少し歪な格好をし、天井が高く極めてエアボリュームの大きな空間であり、そして楽曲はフルオケ+コーラス隊×3セット+ソリストという超巨大編成である。これらの影響からかゲルは他の多くの演奏に比べて穏やかなテンポ取りをしている
(MusicArena 2009/4/20)
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