2006年 06月 26日
Bruckner: Sym#8@アルブレヒト、読響 |
土曜日はブルックナー8(ノヴァーク版)@池袋芸劇@読売日響@アルブレヒトを聴いた。我らがアルブレヒト皇帝は実に久しぶりという気がする。皇帝閣下の振るプル8一本立てとは実に潔い?チョイスだが、このクソ暑い時期に暑苦しいこの超大曲とはね(^_^)(^_^)。さすがに休憩なしの80分間はこたえるな~。
Monthly Orchestra(プログラム兼読響の月刊会報)の解説を交えながらちょっと書いてみる。
一楽章
アレグロ・モデラート ハ短調2/2拍子 弦楽器のトレモロに乗って第一主題が登場する、ブルックナー特有の「原始霧」と呼ばれる始まり。「ブルックナー・リズム」による長調の第二主題。そして「死の予告」と「諦め」の意味を持つというコーダ
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うーん、冒頭のトレモロが合っていない。このオケは例によって寝起きが悪いのだがそれにしてもダルなスタートだな~。しかもそれに重なって来るブラスセクションの出だしの頭がずれていて苛つく。アルブレヒトのタクトより1/3拍位遅れ気味でどうも乗り切れていないな。でもまぁコーダは例によってバシっと合った。
二楽章
スケルツォ アレグロ・モデラート ハ短調 4/3拍子~トリオ 変イ長調2/4拍子 ブルックナー自身が「ドイツの野人」と読んだ男性的で力強いテーマが特徴
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一息入れたアルブレヒトはちょっと遅めに振り始めた。だいぶん揃ってきたが今ひとつ。スケルツォの締めあたりからは三拍子が軽やかに回り始め、トリオに入ると拍取りが正確に決まるようになった。ここでようやく復調か。
三楽章
アダージョ 変二長調4/4拍子 ブルックナーの音楽の中でも「もっとも崇高で美しい」と表される音楽
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珍しいユーフォニアム4本による美しいユニゾン、ようやく目覚めた弦が上手く噛み合ってアルブレヒトの抑揚がちゃんと伝わるように歌い始めた。これはいい! 三楽章が終わって欲しくなかった。
四楽章
フィナーレ ハ短調 2/2拍子 「皇帝陛下とツァールの会見」を描いたという第一主題が中心。また「死の行進」と名付けられた第三主題も重要。宗教的な陶酔を感じさせる全曲のフィナーレ。
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実に重く求道的な演奏だ。もの凄い集中力で、チグハグだった1~2楽章が嘘のよう。簡潔な解釈だが加速度を伴って突入したコーダはなかなか荘厳だ。
数年前、スクロヴァ爺さんが振ったときと比べると鮮やかな色彩感が希薄だったが、これはアルブレヒトらしいモデレートな解釈だった。例によって一楽章は眠たい出来だった。頭が揃っていないので「原始霧」とは言えず、まぁピチャピチャ小雨状態だよな~、あれじゃあ・・・。反面3~4楽章の集中力とエネルギーの持続した爆発はもの凄く、ほぼ満席のあの芸劇全体がサチってビリ付いてしまうほどの音圧レベルだった。ユーフォニアムに加え逆配列のトランペットも、ど真ん中に陣取ったトロンボーンも鋭いビームを飛ばしまくっていたし、それに潰されじと弦が頑張るものだからステージ上の演奏者の形相も身振りも凄かった。まさにもんどり打つとはこのことだろう。
全体としてみれば穏やかなアルブレヒトの解釈に対し、多少荒っぽい快活な読響との対比ということで、まずまず両者の特徴が現れていたブル8であった。
Monthly Orchestra(プログラム兼読響の月刊会報)の解説を交えながらちょっと書いてみる。
一楽章
アレグロ・モデラート ハ短調2/2拍子 弦楽器のトレモロに乗って第一主題が登場する、ブルックナー特有の「原始霧」と呼ばれる始まり。「ブルックナー・リズム」による長調の第二主題。そして「死の予告」と「諦め」の意味を持つというコーダ
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うーん、冒頭のトレモロが合っていない。このオケは例によって寝起きが悪いのだがそれにしてもダルなスタートだな~。しかもそれに重なって来るブラスセクションの出だしの頭がずれていて苛つく。アルブレヒトのタクトより1/3拍位遅れ気味でどうも乗り切れていないな。でもまぁコーダは例によってバシっと合った。
二楽章
スケルツォ アレグロ・モデラート ハ短調 4/3拍子~トリオ 変イ長調2/4拍子 ブルックナー自身が「ドイツの野人」と読んだ男性的で力強いテーマが特徴
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一息入れたアルブレヒトはちょっと遅めに振り始めた。だいぶん揃ってきたが今ひとつ。スケルツォの締めあたりからは三拍子が軽やかに回り始め、トリオに入ると拍取りが正確に決まるようになった。ここでようやく復調か。
三楽章
アダージョ 変二長調4/4拍子 ブルックナーの音楽の中でも「もっとも崇高で美しい」と表される音楽
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珍しいユーフォニアム4本による美しいユニゾン、ようやく目覚めた弦が上手く噛み合ってアルブレヒトの抑揚がちゃんと伝わるように歌い始めた。これはいい! 三楽章が終わって欲しくなかった。
四楽章
フィナーレ ハ短調 2/2拍子 「皇帝陛下とツァールの会見」を描いたという第一主題が中心。また「死の行進」と名付けられた第三主題も重要。宗教的な陶酔を感じさせる全曲のフィナーレ。
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実に重く求道的な演奏だ。もの凄い集中力で、チグハグだった1~2楽章が嘘のよう。簡潔な解釈だが加速度を伴って突入したコーダはなかなか荘厳だ。
数年前、スクロヴァ爺さんが振ったときと比べると鮮やかな色彩感が希薄だったが、これはアルブレヒトらしいモデレートな解釈だった。例によって一楽章は眠たい出来だった。頭が揃っていないので「原始霧」とは言えず、まぁピチャピチャ小雨状態だよな~、あれじゃあ・・・。反面3~4楽章の集中力とエネルギーの持続した爆発はもの凄く、ほぼ満席のあの芸劇全体がサチってビリ付いてしまうほどの音圧レベルだった。ユーフォニアムに加え逆配列のトランペットも、ど真ん中に陣取ったトロンボーンも鋭いビームを飛ばしまくっていたし、それに潰されじと弦が頑張るものだからステージ上の演奏者の形相も身振りも凄かった。まさにもんどり打つとはこのことだろう。
全体としてみれば穏やかなアルブレヒトの解釈に対し、多少荒っぽい快活な読響との対比ということで、まずまず両者の特徴が現れていたブル8であった。
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by primex64
| 2006-06-26 09:54
| Concert/Recital
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