一週間遅れで先週日曜のランチの様子から。
まずはビール
ここは六角橋の中心街から程近いところに夏にオープンしたというカレー専門店。
近所にお住いのネイリストさんがレポートされていたので気にはなっていたのだが、長期の出張が入ってしまい、なかなか初訪が果たせなかった。そして出張も一段落し、日曜に六角橋商店街へ買い物がてらカレーをいただいてきた。
新装なった店舗の全面ガラス戸の外観からはカレー屋という雰囲気は感じられず、カフェか、あるいは夜だと洗練されたショットバーか、という風情だ。元々この場所には私たちのお気に入りのイタリアン、
アンディー・カフェが営業していた。残念なことに暫く行っていない間に閉店していたようだ。

木枠のガラス引き戸を開けて店内に入ると右手に券売機があり事前に食券を購入するシステム。ビールのボタンがあったので迷わず押す。そしてそれぞれ好みの食券を購入。先客は2組4名いたが、我々の着席とほぼ同時に食べ終わって退去。直後に二人組が入店、もう暫くしたら女性が一人で来店し、事前注文していたらしいテイクアウト品を受け取って行った。
焼きチーズカレー
こちらは家内のオーダー。このところ焼きカレーに嵌っているらしい。


ガラス教室に行っているときのランチや、また女子会で飲みに行った後の〆にも焼きカレーを頼んでいると言っていただけあって、ここでも迷うことなく一択でこれをオーダーした。ココット風の土鍋にご飯を盛り、ここにベースはノーマルのビーフカレーと思われるルーをどろりと注ぎ、そこに溶けるチーズを満載してオーブンで加熱したカレー。

熱いので要注意と声掛けされカウンター越しにサーブ。立ち上る湯気と芳醇なチーズの香り、そしてどこか懐かしいカレーの匂いが食欲をそそる。それもそのはず、店主は鎌倉のキャラウェイで勤務経験がある由。二女が生まれた頃、小町通りの脇にあるキャラウェイによく通っていて、ルーは余り辛くないのでまだ幼い長女が美味しそうに食べていたのを懐かしく想起した。
ザ・スパイシー ビーフカレー
こちらは私のオーダー。




レトロな表面処理を施したアルマイト製の皿にご飯が盛られ、丹念に磨かれたグレイビーボートにルーが注がれてサーブされた。早速ルーをご飯の端にかけていただく。懐かしいカレーの風味だ。これはスパイシーでワイルドなインド系ではなく、そしてリッチな欧風のカレーでもない。言うなればジャパニーズの
こくまろ系であり、まんまキャラウェイのあれだ。

ご飯の上に散らされたフライドオニオンが良い働きをしており、ルーの素性の良さと優しさが更に倍加される。ここで店主から解説があり、卓上に備え付けのスパイスで味変ができるとのこと。HOT SHOTと書かれた背の高いポットは辛味を足すためのカイエンペッパー、SPICE SHOTとある方はスパイスミックスだそうだ。後者は確かに複雑なミクスチャとなっているようだ。

ベーシックなルーはそのままでも穏和に整っている。牛肉の旨味が溶出し、玉葱を中心とした野菜の甘味も重畳されて十二分に美味しいのであるが、やはり刺激も風味も欲するのでこれらを振りかけてみると大人のカレーに激変する。このスパイスミックスはクミン、コリアンダー、カルダモン、フェンネル、そしてキャラウェイ・シードあたりが入っているのでは思われた。

写真は撮り漏らしたが、机上には大型のステンレス製ポットがあり、その中にはなんと福神漬けが。これを少量掴んでご飯にオン、そしてカレールーととともに頂いてみると昭和期に隆盛を極めたカレーライス、いやライスカレーの風味が脳裏に蘇るのであった。食べ終えた食器をカウンタに戻すとご褒美にラッシーが貰えるという特典が。じんわり甘く深いラッシーだった。
因みに、退店時にアンディー・カフェの行方を聞いてみたがご存知ない由。また、それを尋ねて来る客はかなり多いということであった。
お店データ

カレー専門店 カリーポット
横浜市神奈川区六角橋1-19-1松本ビル
電話:080-7846-0388
営業:11:00~14:00、18:00~21:00
定休:月曜(祝日の場合、火曜)
最寄:東横線 白楽4分
今日の一曲

ミシャ・マイスキーの演奏でロシアの短い歌曲を集めた小品集。マイスキーは現代におけるチェロの巨匠という無二の位置付けであり、長大で大作の録音が多いけれど、こういった味わいのある曲集でも繊細な妙味を聴かせる。白眉はアルバム・タイトルになっているラフマニノフのヴォカリーズだろう。彼が駆るモンタニアーナはまさに肉声と言って良い、ふくよかで優しい周波数帯域。とても耳ざわりの良い曲集だ。
(MusicArena 2007/5/14)
今週の珈琲
力強い味と繊細な風味、爽やかな酸味がバランスした銘品だ。
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