2008年 09月 16日
Mozart: Complete Piano Works Vol.8@Siegbert Rampe |
MD+Gレーベルの新譜から、ランペという人が弾くモーツァルト・チクルスの第8集。1~7集は買っていないが、K.331が入っていたので摘み食いした。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2732861
モーツァルト:鍵盤作品全集 Vol.8
主題 ハ長調 KV Anh.38(KV383c)、6つのドイツ舞曲 KV509
グルックの歌劇「メッカの巡礼」のアリエッタ「愚かな民の思うには」による10の変奏曲 ト長調 KV455
コントルダンス「雷雨」 KV534a
(以上、フォルテピアノ:B.&Th.ウォルフ1992年製作/ヨハン・シャンツ1795年頃製作のモデルによる)
メヌエット ヘ長調 KV4(ナンネルルの音楽帳より)
クラヴィア小品 ヘ長調 KV15m、同 ハ長調 KV15n
メヌエット ヘ長調 KV5(ナンネルルの音楽帳より)、12のメヌエット KV176
クラヴィア小品 ヘ長調 KV15a、同 ハ長調 KV15b、同 ト長調 KV15c、同 ニ長調 KV15d
(以上、クラヴィコード:A.ウィンクラー2003年に製作/.D.シードマイヤー1796年製作のモデルによる)
クラヴィア小品 ヘ長調 KV15v
同 変ホ長調 KV32/14(「ガリマティアス・ムジクム」より)
ソナタ イ長調 KV331(300i) 「トルコ行進曲付き」
(以上、チェンバロ:バーカッド・シューディ1771年製作のオリジナル)
ジークベルト・ランペ(フォルテピアノ、クラヴィコード、チェンバロ)
このランペという人は変態だ。フォルテピアノの名手、アンドレアス・シュタイアーもモーツァルトなどの曲をインプロビゼーションによって崩して演奏することが知られているが、このランペという人の解釈は更に凄い。
史実では生前のモーツァルトは自身の作品を即興演奏して聴衆に聴かせ楽しませていたと伝えられているので、原曲を崩すと言うことはあながち間違ったアプローチと言い切れないのかも知れない。
K.331はモーツァルトの鍵盤作品中でも傑作中の傑作とされる曲で、ソナタという範疇には収まりきらない独創的な構築美を持った3楽章形式の曲だ。そして、終楽章は単独曲としても余りに有名なトルコマーチとなる。
第一楽章が始まると、所々ヨタヨタとしたルバートが挿入されている。この程度のお遊びなら許容範囲だ、と苦笑し、少々の違和感に堪えながら聴き進む。そして、終楽章に入るやいなや、違和感は突如破裂するのである。これは・・?? もはや原型を留めないほどに崩されたトルコマーチには整然とした均衡を見せる和声は存在せず、耳を疑ってしまうほど奇異なトルコマーチとなっているのだ。グルグル、ヨタヨタとのたうち回る巡回旋律や増4度を行く主旋律、不規則なルバートを伴う対旋律と、自由即興と悪趣味のギリギリの狭間を彷徨っていくのである。
しかし、このチェンバロで弾かれるK.331の音色は現代ピアノで弾かれるそれに比して優雅であり、どことなく往時のサロン演奏を彷彿とさせる独特の響きがある。これはこれでなかなかの試みだと思う。原曲の様式美を厳格に再現するという点においては規範を大きく逸脱した演奏ではあるが、往時に流行したかも知れない諧謔の世界を遠く想像するには面白い演奏である。
恐いもの見たさを体験しても良しとするK.331ファンにはお勧め(?)の一枚。
(録音評)
MD+Gレーベル、MDG34113082、通常CD。録音は、2006年6月 ネーフェルス(スイス)、グラールス州立美術館フロイラー・パラスト、2007年3月 アリゾナ州立大学音楽学校カッツィン・コンサート・ホールとある。
途中、クラヴィコードで弾かれたトラックの音量は著しく低く、相当大きな音量にしないと聞こえない。なぜならこの楽器は非常に小型の玩具ピアノほどしかない寸法だから。
冒頭の数曲は雅なフォルテピアノで弾かれ、こちらは残響が長めで美しいサウンドステージを見せる。K.331の大型チェンバロは堂々としていて美しくレンジも広大な優秀録音である。MD+Gならではのナチュラルで明晰な録音である。
1日1回、ポチっとクリック ! お願いします。


http://www.hmv.co.jp/product/detail/2732861
モーツァルト:鍵盤作品全集 Vol.8
主題 ハ長調 KV Anh.38(KV383c)、6つのドイツ舞曲 KV509
グルックの歌劇「メッカの巡礼」のアリエッタ「愚かな民の思うには」による10の変奏曲 ト長調 KV455
コントルダンス「雷雨」 KV534a
(以上、フォルテピアノ:B.&Th.ウォルフ1992年製作/ヨハン・シャンツ1795年頃製作のモデルによる)
メヌエット ヘ長調 KV4(ナンネルルの音楽帳より)
クラヴィア小品 ヘ長調 KV15m、同 ハ長調 KV15n
メヌエット ヘ長調 KV5(ナンネルルの音楽帳より)、12のメヌエット KV176
クラヴィア小品 ヘ長調 KV15a、同 ハ長調 KV15b、同 ト長調 KV15c、同 ニ長調 KV15d
(以上、クラヴィコード:A.ウィンクラー2003年に製作/.D.シードマイヤー1796年製作のモデルによる)
クラヴィア小品 ヘ長調 KV15v
同 変ホ長調 KV32/14(「ガリマティアス・ムジクム」より)
ソナタ イ長調 KV331(300i) 「トルコ行進曲付き」
(以上、チェンバロ:バーカッド・シューディ1771年製作のオリジナル)
ジークベルト・ランペ(フォルテピアノ、クラヴィコード、チェンバロ)
このランペという人は変態だ。フォルテピアノの名手、アンドレアス・シュタイアーもモーツァルトなどの曲をインプロビゼーションによって崩して演奏することが知られているが、このランペという人の解釈は更に凄い。
史実では生前のモーツァルトは自身の作品を即興演奏して聴衆に聴かせ楽しませていたと伝えられているので、原曲を崩すと言うことはあながち間違ったアプローチと言い切れないのかも知れない。
K.331はモーツァルトの鍵盤作品中でも傑作中の傑作とされる曲で、ソナタという範疇には収まりきらない独創的な構築美を持った3楽章形式の曲だ。そして、終楽章は単独曲としても余りに有名なトルコマーチとなる。
第一楽章が始まると、所々ヨタヨタとしたルバートが挿入されている。この程度のお遊びなら許容範囲だ、と苦笑し、少々の違和感に堪えながら聴き進む。そして、終楽章に入るやいなや、違和感は突如破裂するのである。これは・・?? もはや原型を留めないほどに崩されたトルコマーチには整然とした均衡を見せる和声は存在せず、耳を疑ってしまうほど奇異なトルコマーチとなっているのだ。グルグル、ヨタヨタとのたうち回る巡回旋律や増4度を行く主旋律、不規則なルバートを伴う対旋律と、自由即興と悪趣味のギリギリの狭間を彷徨っていくのである。
しかし、このチェンバロで弾かれるK.331の音色は現代ピアノで弾かれるそれに比して優雅であり、どことなく往時のサロン演奏を彷彿とさせる独特の響きがある。これはこれでなかなかの試みだと思う。原曲の様式美を厳格に再現するという点においては規範を大きく逸脱した演奏ではあるが、往時に流行したかも知れない諧謔の世界を遠く想像するには面白い演奏である。
恐いもの見たさを体験しても良しとするK.331ファンにはお勧め(?)の一枚。
(録音評)
MD+Gレーベル、MDG34113082、通常CD。録音は、2006年6月 ネーフェルス(スイス)、グラールス州立美術館フロイラー・パラスト、2007年3月 アリゾナ州立大学音楽学校カッツィン・コンサート・ホールとある。
途中、クラヴィコードで弾かれたトラックの音量は著しく低く、相当大きな音量にしないと聞こえない。なぜならこの楽器は非常に小型の玩具ピアノほどしかない寸法だから。
冒頭の数曲は雅なフォルテピアノで弾かれ、こちらは残響が長めで美しいサウンドステージを見せる。K.331の大型チェンバロは堂々としていて美しくレンジも広大な優秀録音である。MD+Gならではのナチュラルで明晰な録音である。
1日1回、ポチっとクリック ! お願いします。
by primex64
| 2008-09-16 10:34
| Solo - Pf
|
Trackback
|
Comments(0)




