2008年 08月 11日
Beethoven: Sym#5, #6@Bertrand de Billy/RSO Wien |
OEHMSの新譜から、ド・ビリー/RSOウィーンのベートーヴェン・チクルス、5番と6番。ド・ビリーRSOウィーンはラヴェル/ガーシュインのアルバム、先日のトリスタンとイゾルデ名場面集で好印象だった。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2744005
ベートーヴェン:
・交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』
・交響曲第6番へ長調 Op.68『田園』
ウィーン放送交響楽団/ベルトラン・ド・ビリー(指揮)
なぜにベートーヴェンなのかが聴いてみても今ひとつよく分からなかった。が、フランス生まれのロマン派以降専門という印象のデ・ビリーがその固定観念を払拭したいがためか、はたまたベートーヴェンなんて今頃誰がどこのオケとやったってそう大差が付きそうもないプログラムに敢えて風穴を開けようと言う試みか・・・。
シュアでハイスピード、ソリッドで無駄のないベートーヴェンである。とかく沈痛で事大がかる5番運命1楽章であるが、この有名な第一主題はそこそこの重量感を保ちつつも淡々と進む。2楽章では過度な遊びを加えることなくマルカート基調でたおやかな旋律を穏やかに紡ぐ、3楽章からフィナーレにおいても同様の冷涼感漂う正確で真摯なリードが目立つ。
6番田園だが、一転して肩肘の力を抜いた軽いテンポ・ルバートで始まり、やはり熱気の削がれたシュアなトレースを見せる。ヴァンスカのような浮き浮きと凄く楽しい田園かというとそうとも言い切れないが、幸せ感は腹八分目といったところか。
両者を通じての特徴だが、主旋律だけではなく対旋律にもフォーカスを当てた解釈であり、主旋律は割とレガート重視、対旋律はきめ細かなマルカート重視というリードのようで、これが微細なディテール表現および高速疾駆感を下支えしている要因と言える。ティンパニもどちらかというと明瞭な打ち出しのマルカート基調で歯切れがよい。どちらも新鮮であって曇りのない好演奏だ。中庸で清潔なベートーヴェン、ベタベタしない解釈が好きな向きには推薦できる盤だ。
(録音評)
OEHMS Classicsレーベル、OC630、SACDハイブリッド。録音は2007年8月(第5番)、2008年2月(第6番)、場所はウィーンのORFオーストリア放送ラディオクルトゥアハウスとある。録音プロデューサー: Erich Hofmann、録音エンジニア: Anton Reininger。
この盤はハイサンプリング・ハイビットのPCM録音で、それをマスタリングしてハイブリッド製品としたもの。ディテールの解像度は未だかつて経験したことのない細密さを示すが、DSD録音にありがちなフンワリ感が一切感じられない隈取り鮮やかな、まさに新時代のPCM録音だ。これはなかなかに濃密で素晴らしい録音である。
この盤は掛け始めの最初の頃はディテールが判然とせず、凡庸な録音にしか感じられないのだが、数回掛けているうちに一気に靄が晴れて驚くべきディテールが再現され始める。楽器の実在感や音場空間の拡がり、深さとも申し分のない録音であって、昨今注目のゲル@LSOライブに匹敵する、いや勝るとも劣らない臨場感と出来映えだ。CDレイヤーの音質も素晴らしいが、記録レベルは相対的に高めでトゥッティの所々でソフトクリップして詰まった感じになってしまう。聴くならば断然SACDレイヤーだ。これは世界最高峰、盤石の音質である。
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http://www.hmv.co.jp/product/detail/2744005
ベートーヴェン:
・交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』
・交響曲第6番へ長調 Op.68『田園』
ウィーン放送交響楽団/ベルトラン・ド・ビリー(指揮)
なぜにベートーヴェンなのかが聴いてみても今ひとつよく分からなかった。が、フランス生まれのロマン派以降専門という印象のデ・ビリーがその固定観念を払拭したいがためか、はたまたベートーヴェンなんて今頃誰がどこのオケとやったってそう大差が付きそうもないプログラムに敢えて風穴を開けようと言う試みか・・・。
シュアでハイスピード、ソリッドで無駄のないベートーヴェンである。とかく沈痛で事大がかる5番運命1楽章であるが、この有名な第一主題はそこそこの重量感を保ちつつも淡々と進む。2楽章では過度な遊びを加えることなくマルカート基調でたおやかな旋律を穏やかに紡ぐ、3楽章からフィナーレにおいても同様の冷涼感漂う正確で真摯なリードが目立つ。
6番田園だが、一転して肩肘の力を抜いた軽いテンポ・ルバートで始まり、やはり熱気の削がれたシュアなトレースを見せる。ヴァンスカのような浮き浮きと凄く楽しい田園かというとそうとも言い切れないが、幸せ感は腹八分目といったところか。
両者を通じての特徴だが、主旋律だけではなく対旋律にもフォーカスを当てた解釈であり、主旋律は割とレガート重視、対旋律はきめ細かなマルカート重視というリードのようで、これが微細なディテール表現および高速疾駆感を下支えしている要因と言える。ティンパニもどちらかというと明瞭な打ち出しのマルカート基調で歯切れがよい。どちらも新鮮であって曇りのない好演奏だ。中庸で清潔なベートーヴェン、ベタベタしない解釈が好きな向きには推薦できる盤だ。
(録音評)
OEHMS Classicsレーベル、OC630、SACDハイブリッド。録音は2007年8月(第5番)、2008年2月(第6番)、場所はウィーンのORFオーストリア放送ラディオクルトゥアハウスとある。録音プロデューサー: Erich Hofmann、録音エンジニア: Anton Reininger。
この盤はハイサンプリング・ハイビットのPCM録音で、それをマスタリングしてハイブリッド製品としたもの。ディテールの解像度は未だかつて経験したことのない細密さを示すが、DSD録音にありがちなフンワリ感が一切感じられない隈取り鮮やかな、まさに新時代のPCM録音だ。これはなかなかに濃密で素晴らしい録音である。
この盤は掛け始めの最初の頃はディテールが判然とせず、凡庸な録音にしか感じられないのだが、数回掛けているうちに一気に靄が晴れて驚くべきディテールが再現され始める。楽器の実在感や音場空間の拡がり、深さとも申し分のない録音であって、昨今注目のゲル@LSOライブに匹敵する、いや勝るとも劣らない臨場感と出来映えだ。CDレイヤーの音質も素晴らしいが、記録レベルは相対的に高めでトゥッティの所々でソフトクリップして詰まった感じになってしまう。聴くならば断然SACDレイヤーだ。これは世界最高峰、盤石の音質である。
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by primex64
| 2008-08-11 09:50
| Symphony
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