J.S.Bach: 6 Cello Suites BWV1007-1012@今井信子 |
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(国内盤はこちら↓)
今井信子 / J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲
無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007
無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV1008
無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009
無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調 BWV1010
無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV1011
無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調 BWV1012
今井信子(ヴィオラ)
何故「我らが・・」なのかだが、今井信子は下の娘が通う学校(中高一貫のミッション系女子校)の大先輩に当たる人物だからだ(大学は桐朋)。来日公演の折りには可能な限りスケジュールを合わせて母校を訪問し、生徒たちにポピュラーな曲を演奏して聴かせるという。是非父兄も呼んで欲しいものだが・・。
さて、この著名なチェロ組曲については多くは語らないが、この曲たちを見いだした元祖・カザルスは言うに及ばす、ロストロポーヴィッチ、ミシャ・マイスキーなど名だたるチェリストが名演を残している。
原曲よりもオクターブ高いVaで弾くと朗々と明るく華やいだ曲想となる。また、Vcによる渋く重厚なスケールとは異なり、軽やかでポップな味わいが出るのは操弓動作がより容易で短いと言うことに起因しているのかも知れない。
どの曲も「平常心」というか、コントロールの効いた中庸なテンポで淡々と演奏され、華美な演出は一切ない。強いアゴーギクによる時間軸の揺れはほぼ皆無、意表を付くようなデュナーミクも使われていない。
譜面全体の1/4は占めるであろうダブルストップ、いわゆる重音奏法が殊更に巧く、刺激的な擦弦や各弦の発音遅延なども認められない。単弦から重音、2重音から3重音、またその逆も非常にスムーズでシームレスな流れで弾かれる。
おしなべて高評価なのは頷けるが、思っていたよりも感情移入の少ない、それでいて瞑想的で渋い素晴らしい演奏である。ライナーの中扉には「このアルバムは旦那に捧げる」と書いてあるのが心憎い。
(録音評)
PHILISPレーベルの輸入盤(Duo Series)、4756219、2枚組の通常CD、1997年6月、1999年1月デジタル録音とあるから約10年前の録音ということになる。現代における超高解像度録音とは異なるが、今井が弾くガダニーニの美点を丸ごと収めた堂々たる録音だ。
楽器はオンマイクで捉えられ、比較的大きめの音像を結ぶ。残響が異様に豊かで、最初はデジタル・リバーブかと思ったが、どうやら天然アンビエントのようだ。音色は全体的に暖色系で感触は比較的滑らかな方だ。ジャケットには「Digital Classics」の金文字が入っており、PHILIPSの伝統的高音質盤であることを物語っている。
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