J.S.Bach: Mass in B min BWV 232@Bruggen/18th Century O. |
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J.S.バッハ:ミサ曲ロ短調 BWV.232
ジェニファー・スミス(ソプラノ)
マイケル・チャンス(カウンターテノール)
ニコ・ファン・デル・メール(テノール)
ハリー・ファン・デル・カンプ(バス)
オランダ室内合唱団
18世紀オーケストラ
フランス・ブリュッヘン(指揮)
ロ短調ミサ曲は学生時代にはアーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのLP盤を愛聴していて、LPレコードを全部廃棄したときに同一音源のCDを買ったはずだがどこかへ行ってしまい今だ発見できていない。誰かにあげてしまったのかも知れない。
フランス・ブリュッヘンは、かつてはバロックのリコーダーやフラウト・トラベルソの一級の奏者であり、私が学生時代~就職したての頃はレオンハルトやビルスマー、ムジカ・アンティクア・ケルン等との共演が多く、上野の文化会館小ホールなどへ足繁く聴きに出掛けたものだ。テレマンやコレルリ、バッハなどを精力的に取り上げていて、テレフンケン(TELDEC)レーベルなどからも優秀な録音を沢山リリースしていたのだ。
それがいつの間にかソリストをやめ、18世紀オーケストラを自ら組織して指揮者へと転向してしまった。転向後の黎明期に録られたうちの一つがこのロ短調ミサである。
荘厳ではあるが切々とした奏で方はやはりブリュッヘン一流の解釈だ。18世紀O.の透徹された直線的な響きも素晴らしく、寸分の隙も見せない密度の高いミサだ。小澤SKOなど事大がかった演奏/解釈が多い中、これは実に生真面目、悪く言えば平坦な解釈だが、少し前の言い方をするならばちょっと急ぎ気味の「オリジナル主義」的な解釈の延長線上にあるものといえる。引き気味の合唱と程よく抑制されたソリストの歌唱も秀逸だ。全体的にテンポ感が良くサラサラと流れる格調の高い演奏。これは良い。たいへん満足した。
(録音評)
DECCA Audiorレーベル、4800098、通常CD、1989年3月、デジタル録音。オリジナル音源はPHILIPSレーベルだったはずだが、これは何故かDECCAレーベルで復刻した。音質は滑らかで僅かな艶が乗る聴きやすいもの。超ワイドレンジではないが過不足のない伸びとふくよかな低域特性はこの時代の典型的な録音パターンだ。フィリップスというよりテレフンケンやアルヒーフのLPレコードを彷彿とさせる懐かしい感触でもある。
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