2008年 04月 21日
Chopin: Piano Works@Ingrid Fliter |
EMIの輸入新譜からイングリット・フリッターのピアノ作品集。大手レーベルからの有力新人のショパン・コンピレーションCDの典型だ。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2674312
Piano Sonata No.3 in B minor Op.58
Mazurka in A minor, Op.59 no.1
Mazurka in A flat Op.59 no.2
Mazurka in F sharp minor Op 59 no.3
Barcarolle Op. 60
Impromptu in C sharp minor
Grande valse brillante in E Flat Op.18
Waltz in D flat Op.64 No.1 'Minute'
Waltz in C sharp minor Op.64 No.2
Waltz in A flat Major, Op. 64 No.3
Ballade No.4 in F minor, Op.52
Ingrid Fliter(P)
フリッターという女流は2000年度のショパン・コンクールで二位に入ったアルゼンチンの人で、このとき優勝を勝ち得たのはぶっちぎりでユンディ・リーだった。フリッターについては余り記憶にはなかった。その後、アルゲリッチから勧められて拠点を欧州に移して活動を本格化させているようだ。
割と大規模なピアノソナタに期待したのだが何ともダルな、良い言い方をすれば静寂で思慮深い解釈だ。演奏時間も長めになっている。マズルカはショパンが数多く作曲した3拍子の舞曲をルーツとした曲なのだが、これも独特のアゴーギクで3拍子を2拍子っぽく弾く技法が使われておらず漫然とした3拍子なのだ。どうも足を引きずるようなマズルカは間延びした感じ。
バルカローレ(舟歌)も独特な憂愁とメロディックな流れるような旋律は現れず、やはり思慮深いといえばその通りか。ポリーニなどに見られるようにさらりと、それでいてたゆたうような時間軸の揺らぎは含まれない。即興曲はまぁ、こんなものか・・。と、ここまではちょっと落胆気味である。やはり演奏時間はポリーニより30秒ほど長い。
華麗なる円舞曲になると少々華やいだ雰囲気でそれらしく演奏している様でまま悪くはないがやはり少々ダルな印象は拭えず、その後暫く聴いた。
ワルツOp.64-1が始まって一気に目が覚めてしまった。まるで別人だ。ジョルジュ・サンドが自分の飼い犬がしっぽを追いかけてグルグル回る光景をピアノで表現しろ! とショパンに命令して作らせたとされるこの作品、欧文副題=minuteというだけあって一分強で弾き終えてしまう速度はまま短い方だ。しかしなかなかに巧い運指だし熱くて撥ねるような曲風は素晴らしいエモーションだ。技巧的にはスタニスラフ・ブーニンのワルツを想起させられる。
Op.64-2も憂いに満ちた舞曲風の良い味が出ているし、連続する8連符がトレモロのように弾け散るようだ。中間部の柔らかな旋律を歌うような伸びやかさでしっとり、しかし機敏に弾いている様はさっきのマズルカとは大違いだ。
Op.64-3の出来映えも引き続き良い。スキップするような2拍子っぽいアクセントが3拍子の中に連続して出現するところも「普通」のショパンのワルツやマズルカ的に弾き切っていて、前半の曲想とは大違いだ。
なぜワルツだけ傑出して巧いのかは謎だが・・。
(録音評)
EMIレーベル、5148992、通常CD。音質はEMIの典型で良質なもの。低音弦の響きが美しく、歪感の少ない綺麗な録音だ。音像は少し大きめだがワルツ集になると一気に絞られて小さな像を結び、かつ音場も少し奥まってくる。無駄な上部雑音が殆ど入っておらず落ち着いた雰囲気の録音だ。
1日1回、ポチっとクリック ! お願いします。


http://www.hmv.co.jp/product/detail/2674312
Piano Sonata No.3 in B minor Op.58
Mazurka in A minor, Op.59 no.1
Mazurka in A flat Op.59 no.2
Mazurka in F sharp minor Op 59 no.3
Barcarolle Op. 60
Impromptu in C sharp minor
Grande valse brillante in E Flat Op.18
Waltz in D flat Op.64 No.1 'Minute'
Waltz in C sharp minor Op.64 No.2
Waltz in A flat Major, Op. 64 No.3
Ballade No.4 in F minor, Op.52
Ingrid Fliter(P)
フリッターという女流は2000年度のショパン・コンクールで二位に入ったアルゼンチンの人で、このとき優勝を勝ち得たのはぶっちぎりでユンディ・リーだった。フリッターについては余り記憶にはなかった。その後、アルゲリッチから勧められて拠点を欧州に移して活動を本格化させているようだ。
割と大規模なピアノソナタに期待したのだが何ともダルな、良い言い方をすれば静寂で思慮深い解釈だ。演奏時間も長めになっている。マズルカはショパンが数多く作曲した3拍子の舞曲をルーツとした曲なのだが、これも独特のアゴーギクで3拍子を2拍子っぽく弾く技法が使われておらず漫然とした3拍子なのだ。どうも足を引きずるようなマズルカは間延びした感じ。
バルカローレ(舟歌)も独特な憂愁とメロディックな流れるような旋律は現れず、やはり思慮深いといえばその通りか。ポリーニなどに見られるようにさらりと、それでいてたゆたうような時間軸の揺らぎは含まれない。即興曲はまぁ、こんなものか・・。と、ここまではちょっと落胆気味である。やはり演奏時間はポリーニより30秒ほど長い。
華麗なる円舞曲になると少々華やいだ雰囲気でそれらしく演奏している様でまま悪くはないがやはり少々ダルな印象は拭えず、その後暫く聴いた。
ワルツOp.64-1が始まって一気に目が覚めてしまった。まるで別人だ。ジョルジュ・サンドが自分の飼い犬がしっぽを追いかけてグルグル回る光景をピアノで表現しろ! とショパンに命令して作らせたとされるこの作品、欧文副題=minuteというだけあって一分強で弾き終えてしまう速度はまま短い方だ。しかしなかなかに巧い運指だし熱くて撥ねるような曲風は素晴らしいエモーションだ。技巧的にはスタニスラフ・ブーニンのワルツを想起させられる。
Op.64-2も憂いに満ちた舞曲風の良い味が出ているし、連続する8連符がトレモロのように弾け散るようだ。中間部の柔らかな旋律を歌うような伸びやかさでしっとり、しかし機敏に弾いている様はさっきのマズルカとは大違いだ。
Op.64-3の出来映えも引き続き良い。スキップするような2拍子っぽいアクセントが3拍子の中に連続して出現するところも「普通」のショパンのワルツやマズルカ的に弾き切っていて、前半の曲想とは大違いだ。
なぜワルツだけ傑出して巧いのかは謎だが・・。
(録音評)
EMIレーベル、5148992、通常CD。音質はEMIの典型で良質なもの。低音弦の響きが美しく、歪感の少ない綺麗な録音だ。音像は少し大きめだがワルツ集になると一気に絞られて小さな像を結び、かつ音場も少し奥まってくる。無駄な上部雑音が殆ど入っておらず落ち着いた雰囲気の録音だ。
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by primex64
| 2008-04-21 11:21
| Solo - Pf
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