Brahms: String Quintet#1,#2@Vienna String Sextet |
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ブラームス:
弦楽五重奏曲 第1番 作品88
弦楽五重奏曲 第2番 作品111
弦楽六重奏のための「夕べの調べ」作品42-1(合唱曲より編曲:ルドルフ・レーオポルト)
弦楽六重奏のための「夜警」作品104-1(合唱曲より編曲:ルドルフ・レーオポルト)
ウィーン弦楽六重奏団
この素晴らしい作品にして素晴らしい演奏だ。完璧主義者であったブラームスが満を持して編み出した珠玉の五重奏曲は二つ、メロディー・メーカーたる面目躍如と言ったところだ。ブラームスはモーツァルトの五重奏曲の優秀さを常に認めていて、どうもそのコンプレックスからか晩年まで五重奏曲を書いていなかった。いや、書いてはいたらしいがVn2、Va1,Vc2の構成に拘泥して様々な試みを続けてきたらしい。やはりVcが2挺だと厚ぼったくなるという壁は打ち破れずVaを2挺としたモーツァルトのスタイルに帰着して生まれたのがこの2曲だったそうだ。
ウィーン弦楽六重奏団は2004年に発展的解散をしており、いまや正式には彼らの演奏を聴くことは出来ない。かつては精力的に活動する模様がNHK-FMやBSハイビジョンでも多く流れたが、姿を消して暫く経った今頃になってこのCDに出会うとは思わなかった。
一番は言うに及ばず、二番の一楽章アレグロ・ノン・トロッポはなんと艶やかで光り輝くことか。ブラームスはクララ・シューマンに贈ったこの曲の深層に何を込めたかったのかは窺い知ることはできないのだが、実に伸び伸びと真っ直ぐに喜びを表現しているし、このアンサンブルの真骨頂と言える技巧と感情の重ね合わせの妙が本当にマッチしていると思う。この二曲の演奏としてはBPO八重奏団(EMI盤)に並ぶ、いや、溌剌さではそれを凌ぐ決定版と言ってよいかもしれない。
(録音評)
Pan Classicsレーベル、PC10127、通常CD。録音年月日は2000年1月と少々古い。音質はまずまずといったところ。反響の多い背景らしく少々暖色系の空間、そして明るい楽器の音色が特徴。割とオンマイク気味で録られていて楽器は前方へ定位する。その分、克明な弦と弓のタッチが楽しめるが、ちょっと煩いというきらいは否めない。
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