2007年 12月 24日
Prokofiev: Sonata#3/Romeo&Juliet@Lise de la Salle |
天才少女リーズ・ドゥ・ラ・サールの最新録音で、お気に入りのnaiveの新譜から。今年の来日公演(東京代々木のHAKUJUホール)でのプログラムと同一内容ということだ。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2602725
(yuという名前でこちらに要約レビューを付けています)
CD1
モーツァルト:
・ロンド イ短調 K.511
・ピアノ・ソナタ第9番 ニ長調 K.311
・『ああ、お母さん聞いてください』による12の変奏曲(キラキラ星変奏曲)
CD2
プロコフィエフ:
・トッカータ op.11
・ピアノ・ソナタ第3番イ短調 op.28
・組曲『ロメオとジュリエット』からの10の小品(抜粋)
少女ジュリエット
メヌエット
仮面舞踏会
モンタギュー家とキャピュレット家
マキューシュオ
別れの前のロミオとジュリエット
リーズ・ドゥ・ラ・サール(ピアノ)
素晴らしいのひとこと! ここまで技巧&情感をバランスさせたモーツァルトは聴いたことがない。ダルになることの多い巨匠たちの演奏には喝!!だ。
圧巻はプロコで、これは本当に凄い。特にロミオとジュリエットのモンターギュ家とキャプレット家だが、とても少女年齢の解釈とは思えない。世には天才が出現する可能性があるということをしかと知らしめてくれる録音だと思う。音楽は実に深い・・。何が凄いかは一言では言い表せないが、激しく交錯する連続デュナーミク、小刻みで巧妙なアチェレランドとリタルダンドの出し入れ、そういった時間的揺らぎが随所に入っているにも拘わらずテンポ・ルバートの嫌らしさが微塵もないという、つまり過度な感傷を一切表出していないのだ。
少年期に練習材料として先生から渡されたキラキラ星変奏曲だが、現在改めて聴くと様々な運指要素が含まれたバランスの良い練習曲だと思う。それにも増してリーズの超絶的な運指と精密なタッチには恐れ入る。
二枚目はCDとDVDの貼り合わせ盤になっていて、DVD側にはリーズの練習風景、Pコンの録音風景、コンサートのゲネプロなど貴重映像が見られる。年齢には関係しない激しく逞しいプロフェッショナルなのであって、そこいらのお嬢様ピアニストとは訳が違うということが分かる映像だ。
(解説によるとPAL方式での記録であるため再生不可とあったが大丈夫。リビジョンコードはゼロだった)
(録音評)
näive classic V5080、通常CDだ。収録はナイーブにしては珍しくオンマイク気味、といっても僅かに近いと言うだけ。ピアノは恐らくベヒシュタインで、CDのセッション録音に使われること自体が稀だ。
マイクが僅かに近い分、アクション部のノイズを盛大にリアルに拾っているし、リーズの上部雑音(フィンガー・ノイズ)もそれなりに入っている。音質、音色共にナイーブらしい美しく均整の取れたものであり、臨場感の豊かさにおいてはオーディオ的に見ても完璧である。
1日1回、ポチっとクリック ! お願いします。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2602725
(yuという名前でこちらに要約レビューを付けています)
CD1
モーツァルト:
・ロンド イ短調 K.511
・ピアノ・ソナタ第9番 ニ長調 K.311
・『ああ、お母さん聞いてください』による12の変奏曲(キラキラ星変奏曲)
CD2
プロコフィエフ:
・トッカータ op.11
・ピアノ・ソナタ第3番イ短調 op.28
・組曲『ロメオとジュリエット』からの10の小品(抜粋)
少女ジュリエット
メヌエット
仮面舞踏会
モンタギュー家とキャピュレット家
マキューシュオ
別れの前のロミオとジュリエット
リーズ・ドゥ・ラ・サール(ピアノ)
素晴らしいのひとこと! ここまで技巧&情感をバランスさせたモーツァルトは聴いたことがない。ダルになることの多い巨匠たちの演奏には喝!!だ。
圧巻はプロコで、これは本当に凄い。特にロミオとジュリエットのモンターギュ家とキャプレット家だが、とても少女年齢の解釈とは思えない。世には天才が出現する可能性があるということをしかと知らしめてくれる録音だと思う。音楽は実に深い・・。何が凄いかは一言では言い表せないが、激しく交錯する連続デュナーミク、小刻みで巧妙なアチェレランドとリタルダンドの出し入れ、そういった時間的揺らぎが随所に入っているにも拘わらずテンポ・ルバートの嫌らしさが微塵もないという、つまり過度な感傷を一切表出していないのだ。
少年期に練習材料として先生から渡されたキラキラ星変奏曲だが、現在改めて聴くと様々な運指要素が含まれたバランスの良い練習曲だと思う。それにも増してリーズの超絶的な運指と精密なタッチには恐れ入る。
二枚目はCDとDVDの貼り合わせ盤になっていて、DVD側にはリーズの練習風景、Pコンの録音風景、コンサートのゲネプロなど貴重映像が見られる。年齢には関係しない激しく逞しいプロフェッショナルなのであって、そこいらのお嬢様ピアニストとは訳が違うということが分かる映像だ。
(解説によるとPAL方式での記録であるため再生不可とあったが大丈夫。リビジョンコードはゼロだった)
(録音評)
näive classic V5080、通常CDだ。収録はナイーブにしては珍しくオンマイク気味、といっても僅かに近いと言うだけ。ピアノは恐らくベヒシュタインで、CDのセッション録音に使われること自体が稀だ。
マイクが僅かに近い分、アクション部のノイズを盛大にリアルに拾っているし、リーズの上部雑音(フィンガー・ノイズ)もそれなりに入っている。音質、音色共にナイーブらしい美しく均整の取れたものであり、臨場感の豊かさにおいてはオーディオ的に見ても完璧である。
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by primex64
| 2007-12-24 16:17
| Solo - Pf
|
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Comments(4)
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by
koyama
at 2008-03-22 20:59
x
koyamaです。DP-85のオフ会記事も拝見しました。
微妙なモノですね、拙宅では屈託なく音楽が鳴っております。
確かにThielの7.2だとシビアになるのでしょうか。
で、マスター様のお薦めになるこのCD、某中古店に新品よりチョイ
安く出てたので、ゲットw
音質も素晴らしいですが、Mozartは素晴らしいですね。
別に音楽に、特にクラに詳しいわけでもないのに音楽の香りが
高いとはこういうことかなぁ・・・・・と思ってしまいました。
これからもいろいろと勉強させていただきます。
有難うございました。
微妙なモノですね、拙宅では屈託なく音楽が鳴っております。
確かにThielの7.2だとシビアになるのでしょうか。
で、マスター様のお薦めになるこのCD、某中古店に新品よりチョイ
安く出てたので、ゲットw
音質も素晴らしいですが、Mozartは素晴らしいですね。
別に音楽に、特にクラに詳しいわけでもないのに音楽の香りが
高いとはこういうことかなぁ・・・・・と思ってしまいました。
これからもいろいろと勉強させていただきます。
有難うございました。
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primex64 at 2008-03-22 22:17
koyamaさん、いらっしゃい!
このCDは素晴らしいですね。特にモーツァルトの表現力に関してはただただ脱帽です。DVDをご覧になれば分かると思いますが、リーズはまだまだ幼い年頃の若年女性で、どこからこれだけの技巧、パワーと瞑想的な想念が出てくるのか不思議でなりません。
あー、CS7.2というか、高音質CDには微細な音が入っているのでスピーカーの学習(エージング)がかなり微妙で難しいですね。特定帯域でのピストンモーションが崩れると途端に空間情報が壊れます。
以上、ホール音響の再現に関しては、という条件付きのお話しでした。それらに拘らなければ、また自身が気に入る音色であるならば特段に云々するべきお話ではないです。お気にされないで下さいませ(^_^;)
このCDは素晴らしいですね。特にモーツァルトの表現力に関してはただただ脱帽です。DVDをご覧になれば分かると思いますが、リーズはまだまだ幼い年頃の若年女性で、どこからこれだけの技巧、パワーと瞑想的な想念が出てくるのか不思議でなりません。
あー、CS7.2というか、高音質CDには微細な音が入っているのでスピーカーの学習(エージング)がかなり微妙で難しいですね。特定帯域でのピストンモーションが崩れると途端に空間情報が壊れます。
以上、ホール音響の再現に関しては、という条件付きのお話しでした。それらに拘らなければ、また自身が気に入る音色であるならば特段に云々するべきお話ではないです。お気にされないで下さいませ(^_^;)
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primex64 at 2010-02-03 22:27
shironeko さん
ようこそ、いらっしゃいませ。 はい! ドゥ・ラ・サールの演奏を最初に聴いた時は衝撃が走りました。彼女は外見はPMFに訓練生として参加するほどのユース(つまり若年音楽家)なんですが、実はプロ楽壇でのキャリアは長くて、中堅くらいのポジショニングなので後進にポジティブな影響を与えて行くくらいの働きはすると思いますし、また彼女を招聘することに決めたPMF事務局の慧眼と英断も素晴らしいと思いますよww
ようこそ、いらっしゃいませ。 はい! ドゥ・ラ・サールの演奏を最初に聴いた時は衝撃が走りました。彼女は外見はPMFに訓練生として参加するほどのユース(つまり若年音楽家)なんですが、実はプロ楽壇でのキャリアは長くて、中堅くらいのポジショニングなので後進にポジティブな影響を与えて行くくらいの働きはすると思いますし、また彼女を招聘することに決めたPMF事務局の慧眼と英断も素晴らしいと思いますよww