Brahms, Schumann: P-Quintet@Andsnes, Artemis Quartet |
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・シューマン:ピアノ五重奏曲変ホ長調 Op.44
・ブラームス:ピアノ五重奏曲ヘ短調 Op.34
レイフ・オヴェ・アンスネス(ピアノ)
アルテミス四重奏団
ナタリア・プリシェペンコ(ヴァイオリン)
ハイメ・ミュラー(ヴァイオリン)
フォルカー・ヤコブセン(ヴィオラ)
エッカルト・ルンゲ(チェロ)
シューマンのこの作品は明るく華やいだ曲想をもった名曲だ。アンスネスは優しく軽いタッチでアシストし、アルテミスQは時に優雅に、時に勇壮に、時に静かにと変幻自在の絡みを見せる。全体としては華やいだ雰囲気ではあるけれど温度感はそれほど高くない。
ブラームスのこの陰鬱な作品は、その旋律が半音階、増四度の繰り返しからか不安と不均衡な感情を滲ませる、まさにブラームスらしい名曲。ここでもアンスネスは過度に深刻ぶらずに軽く優しく弦を支えている。一方の弦は深く刻まれた苦悩の襞をつまびらかにするように丁寧に旋律をトレースして行く。寒色系の物憂げな解釈であり、激烈にどん底を抉るような演奏ではないのが救い。つまりドロドロのブラームスではない。
アンスネスといえばEMIの誇るヴィルトゥオーゾなのだがこの録音に限って言えば精密でしなやか、かつ静謐な黒子に徹していると言えよう。大物コンチェルトやソロでの表現力の幅とはまた違った添い遂げ方であってこれはこれでアンスネスの芸風の深さを示しているのであった。
(録音評)
Virgin Classicsレーベル、3951432、通常CD。2006年12月ベルリンのテルデック・スタジオの録音。コピーライトはEMIと共同となっている。音質傾向から判断するに恐らく録音担当はEMIクラシックスだろう。
いかにもスタジオらしい静寂な背景に5人が静かに円陣を組んでひたむきに譜面に向かっている姿が見えるような臨場感が凄い。右手奥にアンスネスのピアノ、左端から時計回りにVn、VC、Vaが座る。多少オフ気味な狙い方で、中規模な音場空間が緻密に構築されそして音像はリアルに定位する。eAR1001が最も描写を得意とする種類の録音だ。
色彩感が極度に押さえられた地味系の音色で、弦もピアノもつや消し系、端々の暴れもなく均整の取れた録音だが、よく聴くと上下のレンジは十分に伸びており、Vcの低音弦がCbの様に深々と響く。
非常にハイレベルな録音であり、室内楽バージョンの新たな撃沈系の登場と言えるかもしれない。
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なんだかよく分からない音が入っていたりして
そこがまた面白いのかもしれませんが。
実演とはまた違った楽しみが出来ますね。
今日もスマイル
そうですね。生演奏とCDとでは楽しみ方は違いますね。CDの制作者によっては生演奏・生ステージの再現に尽力している人もいるでしょうが、なかなかそう言うものには出会えませんね。マルチマイク録りのCDの場合は所詮はミキシング、デジタルディレイによる騙し絵ですからね・・。気持ちよく騙されようと思いますww