2007年 11月 06日
Rachmaninov: Elegie@Maisky, Tiempo |
今日は久しぶりにDGの国内新譜から。輸入盤のリリースは相当遅れるとの話だったので高価だがやむなく日本盤を買った。マイスキーは現在来日公演中らしいのだが、それに引っ掛けた記念セールだそうで、なかなか凝った商売だ。
(国内盤は↓クリック)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2652789
ラフマニノフ:
・エレジー(悲歌)変ホ短調 op.3-1(『幻想的小品集』から)
・メロディ ホ短調 op.3-3(『幻想的小品集』から)
・夕暮れ op.21-3(『12の歌』から)
・前奏曲 op.23-10(『10の前奏曲』から)
・あなたは皆に愛される op.14-6(『12の歌』から)
・何という苦しさ(春の悲しみ) op.21-12(『12の歌』から)
・チェロ・ソナタ ト短調 op.19
・オリエンタル・ダンス op.2-2(『2つの小品』から)
・夜の静けさに op.4-3(『6つの歌』から)
・夜は悲しい op.26-12(『15の歌』から)
ミッシャ・マイスキー(チェロ)
セルジオ・ダニエル・ティエンポ(ピアノ)
ジャケットのアルバム・タイトルはElegieだが、国内盤向けの黄色い襷にはメロディーとある。これは、どこかのVn奏者のアルバム名を想起させられ、日本ではこの方がアイキャッチ効果が高いのか・・。
アルバム名になっている曲を含む幻想的小品集は、ラフマニノフがモスクワ音楽院を卒業した翌年の1892年に作曲された最初のピアノ曲集で、そのなかの第二曲・前奏曲嬰ハ短調によりその名が一躍知られるようになった。
エレジーは、陰鬱な左手の分散和音に、右手によって細波のような哀愁に満ちた主旋律が被さるのが原曲。ここではマイスキーが噎び泣くような主旋律を蕩々と弾き込んでいてなかなかに引き込まれる。途中の展開部ではティエンポが低音パートで主旋律を引き取って繋ぎ、そして最初の形態へと戻っていく。
メロディはエレジーとは逆の左手主旋律の曲だが、ここでもマイスキーが太く朗々とした主旋律を弾き、高音部の右手伴奏をティエンポが担当。主調はホ長調だが展開部ではイ長調に変調される。ティエンポのタッチは正確かつ繊細、うねるようだが自然なデュナーミクも巧妙だ。なかなかに優れたピアニストで、プレトニョフの魔術的なタッチを思い出してしまった。
このアルバムの中核はチェロソナタだが、結構激しい演奏で、時に荒っぽく破綻を来しながら咳き込むように進行する。ルガーノに於けるライブ収録なので二人とも乗りに乗った演奏なのかもしれないが、解釈的にはちょっと疑問。ラフマニノフは如何なる時にも猛々しくあってはならないと思うのだが。なお、このソナタだけがどういう訳かEMIの版権であってDGオリジナルではない。中核の曲が他社のものとはこれ如何に? アルゲリッチのルガーノ音楽祭はEMIの独占版権であることに起因しているのかもしれない。
(録音評)
DGの国内盤通常CD、UCCG-1374、録音は2005年6月、2006年6月ルガーノ(ライヴ)とある。ソナタはライブということでアコースティック的には少々ノイズっぽい。ほかは静謐な録音であり、まずまずの出来だろう。しかし、マイスキーのチェロがビシッと定位するかといえばそうでもなくて割と離散的・発散的な捉え方だ。一方、ティエンポのピアノはコンパクトに巧くまとめられている。
1日1回、ポチっとクリック ! お願いします。
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ラフマニノフ:
・エレジー(悲歌)変ホ短調 op.3-1(『幻想的小品集』から)
・メロディ ホ短調 op.3-3(『幻想的小品集』から)
・夕暮れ op.21-3(『12の歌』から)
・前奏曲 op.23-10(『10の前奏曲』から)
・あなたは皆に愛される op.14-6(『12の歌』から)
・何という苦しさ(春の悲しみ) op.21-12(『12の歌』から)
・チェロ・ソナタ ト短調 op.19
・オリエンタル・ダンス op.2-2(『2つの小品』から)
・夜の静けさに op.4-3(『6つの歌』から)
・夜は悲しい op.26-12(『15の歌』から)
ミッシャ・マイスキー(チェロ)
セルジオ・ダニエル・ティエンポ(ピアノ)
ジャケットのアルバム・タイトルはElegieだが、国内盤向けの黄色い襷にはメロディーとある。これは、どこかのVn奏者のアルバム名を想起させられ、日本ではこの方がアイキャッチ効果が高いのか・・。
アルバム名になっている曲を含む幻想的小品集は、ラフマニノフがモスクワ音楽院を卒業した翌年の1892年に作曲された最初のピアノ曲集で、そのなかの第二曲・前奏曲嬰ハ短調によりその名が一躍知られるようになった。
エレジーは、陰鬱な左手の分散和音に、右手によって細波のような哀愁に満ちた主旋律が被さるのが原曲。ここではマイスキーが噎び泣くような主旋律を蕩々と弾き込んでいてなかなかに引き込まれる。途中の展開部ではティエンポが低音パートで主旋律を引き取って繋ぎ、そして最初の形態へと戻っていく。
メロディはエレジーとは逆の左手主旋律の曲だが、ここでもマイスキーが太く朗々とした主旋律を弾き、高音部の右手伴奏をティエンポが担当。主調はホ長調だが展開部ではイ長調に変調される。ティエンポのタッチは正確かつ繊細、うねるようだが自然なデュナーミクも巧妙だ。なかなかに優れたピアニストで、プレトニョフの魔術的なタッチを思い出してしまった。
このアルバムの中核はチェロソナタだが、結構激しい演奏で、時に荒っぽく破綻を来しながら咳き込むように進行する。ルガーノに於けるライブ収録なので二人とも乗りに乗った演奏なのかもしれないが、解釈的にはちょっと疑問。ラフマニノフは如何なる時にも猛々しくあってはならないと思うのだが。なお、このソナタだけがどういう訳かEMIの版権であってDGオリジナルではない。中核の曲が他社のものとはこれ如何に? アルゲリッチのルガーノ音楽祭はEMIの独占版権であることに起因しているのかもしれない。
(録音評)
DGの国内盤通常CD、UCCG-1374、録音は2005年6月、2006年6月ルガーノ(ライヴ)とある。ソナタはライブということでアコースティック的には少々ノイズっぽい。ほかは静謐な録音であり、まずまずの出来だろう。しかし、マイスキーのチェロがビシッと定位するかといえばそうでもなくて割と離散的・発散的な捉え方だ。一方、ティエンポのピアノはコンパクトに巧くまとめられている。
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by primex64
| 2007-11-06 11:09
| Solo - Vc
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