Viva! Rodrigo@村治佳織 |

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ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
1. 第1楽章 Allegro con spirito
2. 第2楽章 Adagio
3. 第3楽章 Allegro gentile
4. ロドリーゴ:ヒラルダの調べ~セビーリャ幻想曲
ロドリーゴ:ある宴のための協奏曲
5. 第1楽章 Allegro deciso
6. 第2楽章 Andante calmo
7. 第3楽章 Allegro moderato
村治佳織(ギター)
ガリシア交響楽団、指揮:ビクトル・パブロ・ペレス
村治は大人のギタリストになった、と言えばちょっと大袈裟かも知れないが、落ち着いた温度感の低い演奏である。反面、バックのガリシア交響楽団は切々としたスペイン風エナジーに満ちた演奏を展開、これはなかなかの好感度。
村治のギターは巧いのは定説で、確かにこのアルバムでも巧いし安心して聞いていられる演奏だ。だが、西洋人が弾く上手な津軽三味線というか、最後の最後にネーションの違いがバリヤーとなっている気もするのである。特にバックのオケが憂愁を湛えた唄い方をしているので尚更そう感じるのかも知れない。
また、私自身、昔からナルシソ・イェペスの紡ぐ憂いに満ちた旋律に慣れ親しんでいるせいもあるかも知れない。イェペスは5~6回もアランフェスを録音していてどれもそれぞれに良く出来たものだったが、恐らく村治のこれは技巧的にはその名演たちに比肩出来るだけのものを持っている。しかし・・。
(録音評)
DECCA(ユニバーサル)UCCD-9444、通常CD。録音は2007年7月16日-20日、スペイン、ラ・コルーニャとある。日本製デジパック仕様(紙ジャケ)の驚くほど仕上げの良い豪華な装丁である。解説は勿論日本語。これは初回限定版だそうで色々と特典が付いていて、その景品やらなにやらの申込葉書が二枚も入っていた。
オケの録音は素晴らしいもので、広く深いパースペクティブを伴っている。各パートの分離と溶け合い方も絶妙であり、現代DECCA録音の最高峰と言って良いだろう。
反面、村治のギターを定位させることに関しては成功しているとは言い難い。ステージ中央にぽっかりと球形の透明空間が出現し、その内部はエコーもノイズも何もない無響室のような空間なのだが、その真ん中で村治がギターを弾いている。弱々しいギターが放つ仄暗い音色と、色彩感の強いオケの音色が球形空間の境界面内外で溶け合っていない。村治のギターはサントリーと紀尾井ホールで聴いた事があるが、確かにPAのアシストなしでは辛いほど音量は少なく、フルオケと上手に混ぜてCD製品にするのはことのほか難しいのかも知れない。
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