Mozart: P-Con#19,24@Clara Haskil,Lausanne CO |
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モーツァルト:
1. ピアノ協奏曲 第19番 ヘ長調 K.459
2. ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K.491
クララ・ハスキル(P)
ヴィクトル・デザルツェンス(指)ローザンヌ室内O.
学生時代、これら二桁台P-Conに関しては、ハスキル/バウムガルトナー/ウィーン交響楽団のLPレコードを偏屈に愛聴していた。確かフィリップスの輸入盤で、プレスは最悪、最初から傷があるナローレンジなモノラル盤だったが、それこそ食い入るように、擦り切れそうになるまで聴き込んだものだ。
何度も何度も聴くためカセットに録ったが、聴き過ぎで粉落ちして擦り切れた。そうするとまたレコードからダビングするのだが、DL-103の針圧をトレース限界までギリギリに軽くしたりして盤をいたわっていた。今考えれば涙ぐましい努力だったわけだが・・。
このローザンヌのライブ盤は初めて聴いたが、やはり当時のハスキルは才能ほとばしる凄いピアニストで、若い頃の私自身を取り巻く懐かしい情景を思い出してしまうのだった。
ハスキルが活躍した期間は案外短く、また主にモーツァルトを得意としていたのでそちら方面の録音ばかりが多いはず。いや、LPレコードでスクリャービンのソナタ集を持っていて、それも出色の出来たったと記憶するが、そうだとすればロシア系もうまかったはずだ。
ハスキルは、ちょっと前に取り上げたドビュッシー/ラヴェル弾きの田中希代子と同様、悲運のピアニストだ。田中は若くして才能を開花させてから病床に伏したのだが、ハスキルは若い頃雌伏していて開花したのが50歳過ぎという違いはあるものの、どちらも不世出の尖った才能の持ち主であった。
曲については書かないが、モーツァルトには演奏者によって楽しかったりつまらなかったりが激しい作品が多く、このPコンも典型的にそのパターンだ。ハスキルの演奏は超高速&超スリリングであって極めて楽しいということは、言うまでもない。
(録音評)
Clavesレーベル、50-2617、通常CDでモノラル録音。K.459=1957年10月14日 K.491=1956年6月25日 スイス,ローザンヌ,テアトル・ド・ボーリュー (ライヴ)とある。
多少ハイ上がりだが、まずまずのリマスターだろう。残響が豊かなホールでのライブ収録なので、モノラルの違和感が少ない仕上がりである。LPレコード時代には考えられなかった音質だ。
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