Franck: Vn Sonata etc.＠Dumay, Pires

名録音とされるフランク・Vnソナタ他である。デュメイ／ピリスのコンビは精力的に小品集の録音を手掛けており、両者ともDGに移籍した後の作品には定評がある。


http://www.hmv.co.jp/product/detail/445243　※輸入盤

フランク:　ヴァイオリン・ソナタ イ長調
ドビュッシー：　ヴァイオリン・ソナタ ト短調
ラヴェル：　フォーレの名による子守歌、ハバネラ形式の小品、ツィガーヌ

オーギュスタン・デュメイ（ヴァイオリン）
マリア・ジョアン・ピリス（ピアノ）

品のある落ち着いた解釈の中にも適度な緊張と、一種独特のエスプリが感じられるフランクだ。一年程前に取り上げたアルゲリッチ／シュワルツベルクの演奏は異常なほどの緊迫感とエネルギーを湛えた解釈であったが、デュメイ／ピリスのこの演奏はある種の癒しを誘ってくれる典雅なものである。

アルゲリッチは男勝りの激しいヴィルツォーゾだが、ピリスは実に女性的で繊細な伴奏を聴かせる。ピリスは手の小さな小柄なピアニストらしいが、まぁその通りの無理な背伸びのない良い演奏だと思う。デュメイは一種独特のデュナーミクを駆使する呪術的なVnを弾く人で、楽器自体の音色も色彩感が豊か、かつ美しいもの。デュメイの解釈もまた肩肘が張ったところがなく洒脱な軽さが宜しい。二人のパートナーシップは抜群で、実におしゃれな演奏と言える。

（録音評）
DGレーベル、445880-2、ユーロ輸入盤。録音は1993年9,10月 ミュンヘン、デジタル録音 4Dとある。

音質はまずまずの出来で、中の上くらい。ホールトーンが美しい場所でのライブ的な収録と見た。残響が長めでデュメイのVnが大変に馨しいのである。ピアノの捉え方はかなり控えめで細い。曲想に合った穏健でお洒落な音質と思われる。



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