Orff: Carmina Burana@Alsop, Bournemouth SO |
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オルフ: カルミナ・ブラーナ
マリン・オルソップ(指揮)
ボーンマス交響楽団&合唱団(合唱指揮:グレッグ・ベアードセル)
ハイクリフ少年合唱団(合唱指揮:メアリー・デニス)
ボーンマス交響楽団ユース合唱団(合唱指揮:アンドリュー・ナイツ)
クレア・ラター(S)、トム・ランドル(T)、マルクス・アイヒェ(Br)
人から借りたりして断片的には聴いていたし、コマーシャルや映画音楽、ドラマの背景などにも使われるので割と身近な存在だが全編を通して聴いたことはなかった。そこで店頭で見つけたこれを買ってみた。オイゲン・ヨッフムやウェルザーメストLSO盤が著名だが、テンポ取りの違いくらいしか差は分からなかった。
中世の世俗的情景を音楽を通して描いたとされる20世紀の作品なのだが(=事実、テキストは中世の詩歌からとられているらしいが)、やはりそれは想像の域だろう。中世の音楽はグレゴリオ聖歌や過去日記にも書いたテンプル騎士団の聖歌を聴けば分かるが、ポリフォニーは全くなく(=ユニゾンのみ)、拍子と調性も不明確な詩吟のような作品しか残されていない。
中世の音楽というイメージよりは、中世を描いた映画(ナザレのイエス、アラビアのロレンス、ベン・ハー・・)に使われそうな旋律と和声を思い浮かべればとても理解しやすいだろう。
オケは水準、コーラスの方はちょっと水準以下かも知れないが、まずまずの好演と言って良いだろう。
(録音評)
NAXOSレーベル 8.570033。2006年5月イギリス,プーレ,ライトハウス,コンサート・ホールでの録音とある。廉価版にしてこの音質というのはちょっと驚異、いや脅威だ。ブリリアントもDENON CREST1000シリーズもそうなのだが、一定以上の録音品位を備えた廉価版が増加して来ているのはオーディオファンにとっては嬉しいことだろう。
サウンドステージは割と深く幅も広い。大規模コーラスとオケが織りなす一大スペクタクルが眼前に出現する。楽器の分離も歌唱の定位も素晴らしいし、レンジも広大だ。随所で鳴り響くグランカッサの超低域の伸びも申し分ない。
惜しむらくは、弦やソプラノなどの高域端に少々粗さが聴かれる点で、この荒れを除去するならばフランスの超高音質マイナー・レーベルに引けはとらない品位の録音である。隈取りがはっきりしているのでオーディオ・マニア達のオフ会には却って適した音質かも知れない。
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