Duparc: L'invitation au Voyage@Engerer,Demarquette |
今日は最近の新譜からヒーリング効果があるCDを一枚。この二人は先月有楽町で開催されたLA FOLLE JOURNEE AU JAPON(ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン )に出演予定だったが、エンゲラーが急病でキャンセルになったらしい。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2552569
サン=サーンス:白鳥(「動物の謝肉祭」より)
ドビュッシー:
月の光(「ベルガマスク組曲」より)
月の光(艶なる宴第1集より)
レントより遅く
美しき調べ
プーランク:ハートのクィーン
デュパルク:
旅への誘い
ため息
恍惚
フォーレ:エレジー
マスネ:タイスの瞑想曲
ラヴェル:
カディッシュ(2つのヘブライの歌)
亡き王女のためのパヴァーヌ
ハバネラ形式の小品
アンリ・デュマルケット(チェロ)
ブリジット・エンゲラー(ピアノ)
このCDに収録されているフランス楽派の名曲たちは、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンのプログラムにもなっていたような気がするが定かではない。
アルバム名のL'invitation au Voyageとは、アンリ・デュパルクの有名な歌曲で、邦題を「旅への誘(いざな)い」という。このアルバムはフランスの著名曲をデュマルケットとエンゲラーがチェロとピアノ向けに編曲したもので、どれも耳に優しい曲だ。
デュマルケットはエンゲラーとは母子ほど歳が離れた若手チェリストで軽く明るい弓捌き、そして衒うことなく巧い。マイスキーなどの深く沈み込む重さはない。
一方のエンゲラーは上部雑音を殆ど発しない静かで瞑想的かつ骨太なピアノを弾く人。彼女はnaiveのアクセントゥス合唱団のピアノ伴奏などでもお馴染みのピアニスト。個人的にはこの独特の静寂さがかなり好きだ。
ピアノ原曲や歌曲が伸びやかなチェロで弾かれるとこうなってしまうのか? という発見があるCDで、生活のどの様なシーンにも似合うであろう佳作だ。広くお薦めしたい一枚。
(録音評)
Warner Classics Franceレーベルの通常CD、2564 69978-2、Theatre Saint-Bonnet de Bourges(フランス・ブルジュ)での収録。
この録音は、チェロもピアノも見えすぎて困るバージョンだ。中央右寄り手前にデュマルケットが座って悠々とチェロを弾いている。そのちょっと後ろに横長にコンサートグランドが置かれ、エンゲラーが静かにピアノを弾いている。チェロのノイズや奏者の息遣いなどは割と盛大に入っている。
劇場は狭い空間でありながら残響は豊かで長めだ。小さなステージの奥行きがふんだんに取り込まれているのがわかる。
優れたオーディオ装置で聴くと見えすぎて落ち着かず、癒し効果が半減するかも知れない。
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