2006年 12月 12日
SL聴き比べ:Debussy: 12 Etudes #11 |
"12の練習曲"はショパンのOp.10とOp.25が有名だが、実はドビュッシーも同じ題名の練習曲集を書いている。これがまた超絶技巧を要求される難題であり、様々なピアニストが挑戦しているのだがなかなかどうしてうまくは行かないものである。今回からは連続して(?)この中の3曲を聞き比べる。 ドビュッシー Claude Debussy: 12のエチュード / 12 Etudes
第11番:組み合わされたアルペッジョのための
#11: "Pour les arpeges composes"
ピアノ: ポリーニ、内田光子
アルペジオは分散和音の一種であり、ピアノの場合には上昇音階または下降音階により一組の和音を表現する技法である。この第11番はそのテクニックを徹底的に鍛えようという主旨の練習曲であるが音楽としての完成度の高さはショパンと同様であり鑑賞価値の高い作品に仕上がっている。
ポリーニの技巧は完璧で、しかも非常に高速に弾き抜けている。これは1992年のスタジオ録音で、要する時間は3:35である。1986年のライブ版というのもあるが、そちらは3:14という速さだそうだ。速いがためか、アルペジオの音の頭が団子になって繋がっている箇所がいくつか見受けられるがこれは愛嬌。強弱方向の抑揚は思ったほど強くはないしルバートも割と弱い。
内田光子の技巧もほぼ完璧と言ってよい。所用演奏時間はポリーニより随分長くて4:50である。時間的には長いのだがアゴーギクを多用しているせいで細かなアルペジオ部は十分に速く、時間で示されるほどの遅さは微塵も感じない。むしろパートによってはポリーニより速く感じる程だ。アルペジオの注意深い弾き込みは完璧で整然と並んだ音符が見えるようだ。
強打で男性的に突き抜けるポリーニのドビュッシーがよいか、たゆたうような揺らいだ内田光子のドビュッシーがよいか、まぁ好みだろう。フランス印象派、という点では内田光子の方が味わいがあるかも知れない。いずれにせよ美しい曲であってドビュッシー以外の何者も書き得ない独創の佳作だ。
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by primex64
| 2006-12-12 10:09
| Compilation
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