Berlioz: Te Deum@Colin Davis,Staatskapelle Dresden |

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1. ベルリオーズ: テ・デウム Op.22
2. モーツァルト: キリエ ニ短調 K.341
ニール・スチュアート(T)
ハンス=ディーター・シェーネ(Org)
ドレスデン国立歌劇場Cho.、ドレスデン・シンフォニーCho.
ドレスデン・ジングアカデミー、ドレスデン・フィルハーモニック児童Cho.、ドレスデン国立歌劇場児童Cho.
サー・コリン・デイヴィス(指)シュターツカペレ・ドレスデン
封は切ったものの時間がなくてずっと聴かず仕舞いでいた。そして先週末土曜にオーディオ仲間のPさん宅で今年ラストのオフ会&忘年会が開かれることとなった。数枚のCDを持ち込ませてもらって掛けたが、いよいよ最後の持ち駒、ということで未聴のこれを掛けた。
音が出た瞬間に何かが違う。スピーカーを中心として部屋が一瞬にして大聖堂と化すのだ。オケがいきなりフォルティッシモで入り、すぐにオルガンの強奏、そしてコーラスが一重二重と重なり、そして児童合唱が加わるという音の十二単(ひとえ)だ。テデウムは宗教曲であって、規模と荘厳さにおいてはレクイエムを上回るものがあるかも知れない。規模感としてはマーラーの8番(千人の交響曲)に匹敵する異常に巨大な編成だし、ましてや教会専属の600人の少年合唱団(=恐らく世界最高峰)を従えての1時間は特別で別格の感動が伴う演奏だ。
1998年9月22日に創立450周年を迎えたシュターツカペレ・ドレスデンだが、この月、シノーポリ(=当時の主席指揮者・故人)のあと、記念シーズンの第2回シンフォニー・コンサートでデイヴィスが振った渾身の大作テ・デウムだ。うーん、ベルリオーズはこういった真面目(?)な曲も書いていたのか・・・。
勿論、自宅に戻ってCS7.2で音出ししたことは言うまでもない。正直に言って、この壮大な曲はまだ自分の耳に全体が馴染んでいない。
(録音評)
Profilレーベル、1998年10月3,4日、ドレスデン、Kreuzkirche(聖十字架教会)、ライヴ録音で、担当はMDR=Mitteldeutscher Rundfunk(中部ドイツ放送)と書いてあり、MDRのロゴマークもある。録音の出来は恐ろしく秀逸だ。
収録場所は本拠地のゼンパー・オーパー(Semper Oper)ではなく、700年の歴史を誇るという古い巨大な教会だ。残響が硬質で非常に長いし、また非常に美しい音だ。金管楽器のビームの鋭さ、弦の包み込むような柔らかさの対比が何とも言えない風情を醸している。オルガンは音からすると割と小さなものと思われるが、音色はジルバーマン・オルガンかも知れない。オルガン作家で有名なジルバーマンは確かドレスデン出身だったはず。合唱団の美しさは他に類を見ない。特に少年合唱の音量の大きさと乱れの無さは素晴らしいのひとことに尽きる。巨大な聖堂の天井をも突き抜けんとする極上の音響が余すところなく捉えられている名録音だ。
シュターツカペレのシリーズは他にもあるらしい(このCDはVol.10とある)のでまた探してみたい。
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