2006年 09月 25日
Steinway Legends: Pollini |
スタインウェイ・レジェンズのポリーニ盤、1枚目である。今までホロヴィッツ、アラウと故人で来たが、ここからは健在のピアニストが続く。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1252521
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
シューマン:交響的練習曲 作品13
ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章
ウェーベルン:変奏曲 作品27
ベートーヴェンのピアノソナタは個人的には余り好みではないので手持ちの盤は少ないのだが、たまたまアラウやアルゲリッチの作品があって比べると、ポリーニは余りベートーヴェン向けじゃないかも知れないと感じる出来映えのワルトシュタインである。
当然の事ながらポリーニは超絶技巧の持ち主ではあるが、彼の特徴であるマルカート奏法が求道的なベートーヴェンに関してはネガティブに働いている気がする。強奏部はまだ良いのだが、弱奏部の滑るような音階に関しては”離散的”過ぎるのだ。
それで、かなり荒っぽい仕上がりになっていて少々煩い。精緻なサイボーグという印象が多いショパンやその他に比較し、珍しく弾き殴っている感があるのだ。
対極はペトルーシュカの三楽章(出典:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005Q7QZ)のピアノ独奏版であり、一気に駆け抜ける加速感が素晴らしい。よくもこれほどの音数を出せるものだと感じ入ってしまう。
ストラヴィンスキーなどの近現代曲にはマルカート奏法がとても似合う。離散的な旋律運びが1音1音を際立たせ、普段聴いているオケ盤と殆ど変わらないダイナミックレンジを獲得しているのだ。
頭の中ではピアノの音色がオーケストラの音色に化けてしまうと言う不思議な演奏だ。編曲が素晴らしいのかポリーニの解釈が傑出しているのかは分からないがとにかく凄い。ピアノ・ファンだけではなく色々な音楽ファンに広くお勧めしたい逸品だ。
ポリーニの2枚目。荒っぽいベートーヴェンと目眩くペトルーシュカの後は・・・
シューマン:アラベスク ハ長調 作品18
ショパン:子守歌 変ニ長調 作品57
ショパン:練習曲(作品25)第1番「エオリアン・ハープ」、第7番、第9番「蝶々」、第10番、第11番「木枯らし」、第12番
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S178
ドビュッシー:12の練習曲より「反復する音符のための」「対比的な響きのための」「組み合わされたアルペジォのための」「和音のための」
ショパンのエチュードは以前にOp.10の方を取り上げたが、実はOp.25を書くのを忘れていた。こちらはOp.10 & Op.25のカップリング盤で、この中の4曲はこれがマスターとなっている。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000001G5H
古い日記でも書いたが、サイボーグのような指捌きは素晴らしい。エオリアンハープの美しさはアルペジオの比類無き手本であり、アシュケナージのエオリアンハープとは評判が二分されるであろう。
この盤の白眉はリストのロ短調ソナタだろう。この、フランツ・リストが生涯にただ一曲だけ書いたピアノソナタの1楽章第一主題は、センセーショナルで激情を湛えた有名な旋律であり、松本清張シリーズなどのサスペンスドラマのバックによく用いられたことでも知られているだろう。
ポリーニの鋼鉄の腕はこの希有で革命的な超大作を完膚無きまでにねじ伏せており、リストが楽譜に込めたと思われるエモーションを精緻に、そしてダイナミックに再現している。荒々しくもあり、そして時に幽玄なリスト独特のナルチシズムも織り交ぜながらポリーニは疾駆する。
(録音評)
DGの古いアナログマスターではあるが音質は驚くほど整っており、恐らく先に示した原盤よりも綺麗にまとめられている。多少明るめで残響成分が多い収録だが、これは従来のポリーニ盤に共通した演出だ。美味しいところ取りのアルバムである。ポリーニ・ファンなら是非手許に置いておきたいベストアルバムだ。
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http://www.hmv.co.jp/product/detail/1252521
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
シューマン:交響的練習曲 作品13
ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章
ウェーベルン:変奏曲 作品27
ベートーヴェンのピアノソナタは個人的には余り好みではないので手持ちの盤は少ないのだが、たまたまアラウやアルゲリッチの作品があって比べると、ポリーニは余りベートーヴェン向けじゃないかも知れないと感じる出来映えのワルトシュタインである。
当然の事ながらポリーニは超絶技巧の持ち主ではあるが、彼の特徴であるマルカート奏法が求道的なベートーヴェンに関してはネガティブに働いている気がする。強奏部はまだ良いのだが、弱奏部の滑るような音階に関しては”離散的”過ぎるのだ。
それで、かなり荒っぽい仕上がりになっていて少々煩い。精緻なサイボーグという印象が多いショパンやその他に比較し、珍しく弾き殴っている感があるのだ。
対極はペトルーシュカの三楽章(出典:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005Q7QZ)のピアノ独奏版であり、一気に駆け抜ける加速感が素晴らしい。よくもこれほどの音数を出せるものだと感じ入ってしまう。
ストラヴィンスキーなどの近現代曲にはマルカート奏法がとても似合う。離散的な旋律運びが1音1音を際立たせ、普段聴いているオケ盤と殆ど変わらないダイナミックレンジを獲得しているのだ。
頭の中ではピアノの音色がオーケストラの音色に化けてしまうと言う不思議な演奏だ。編曲が素晴らしいのかポリーニの解釈が傑出しているのかは分からないがとにかく凄い。ピアノ・ファンだけではなく色々な音楽ファンに広くお勧めしたい逸品だ。
ポリーニの2枚目。荒っぽいベートーヴェンと目眩くペトルーシュカの後は・・・
シューマン:アラベスク ハ長調 作品18
ショパン:子守歌 変ニ長調 作品57
ショパン:練習曲(作品25)第1番「エオリアン・ハープ」、第7番、第9番「蝶々」、第10番、第11番「木枯らし」、第12番
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S178
ドビュッシー:12の練習曲より「反復する音符のための」「対比的な響きのための」「組み合わされたアルペジォのための」「和音のための」
ショパンのエチュードは以前にOp.10の方を取り上げたが、実はOp.25を書くのを忘れていた。こちらはOp.10 & Op.25のカップリング盤で、この中の4曲はこれがマスターとなっている。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000001G5H
古い日記でも書いたが、サイボーグのような指捌きは素晴らしい。エオリアンハープの美しさはアルペジオの比類無き手本であり、アシュケナージのエオリアンハープとは評判が二分されるであろう。
この盤の白眉はリストのロ短調ソナタだろう。この、フランツ・リストが生涯にただ一曲だけ書いたピアノソナタの1楽章第一主題は、センセーショナルで激情を湛えた有名な旋律であり、松本清張シリーズなどのサスペンスドラマのバックによく用いられたことでも知られているだろう。
ポリーニの鋼鉄の腕はこの希有で革命的な超大作を完膚無きまでにねじ伏せており、リストが楽譜に込めたと思われるエモーションを精緻に、そしてダイナミックに再現している。荒々しくもあり、そして時に幽玄なリスト独特のナルチシズムも織り交ぜながらポリーニは疾駆する。
(録音評)
DGの古いアナログマスターではあるが音質は驚くほど整っており、恐らく先に示した原盤よりも綺麗にまとめられている。多少明るめで残響成分が多い収録だが、これは従来のポリーニ盤に共通した演出だ。美味しいところ取りのアルバムである。ポリーニ・ファンなら是非手許に置いておきたいベストアルバムだ。
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by primex64
| 2006-09-25 10:16
| Compilation
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