Mahler: Sym#3@Boulez/VPO |
http://www.hmv.co.jp/product/detail/865640
(国内盤はこちら↓)
Gustav Mahler (1860 - 1911)
Symphony no 3 in D minor
von Otter, Anne Sofie (Mezzo Soprano)
Boulez, Pierre
Vienna Philharmonic Orchestra, Vienna Singverein Women's Chorus, Vienna Boys' Choir
マーラー:交響曲第3番
ブーレーズ指揮ウィーン・フィルハーモニー
ウィーン少年合唱団、ウィーン楽友協会女声コーラス(第5楽章)
アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(第4&5楽章、メゾソプラノ・ソロ)
ハンス・ペーター・シュー(第3楽章、ポストホルン・ソロ)
ウィキペディアから曲目紹介を抜粋。
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交響曲第3番ニ短調(こうきょうきょくだい3ばん-たんちょう、Symphonie Nr. 3)は、グスタフ・マーラーの3番目の交響曲。1895年から1896年にかけて作曲された。全6楽章からなり、第4楽章にアルト独唱、第5楽章にアルト独唱と児童合唱、女声合唱を導入している。演奏時間は約100分。マーラーの交響曲としても、また通常の演奏会で採り上げられる交響曲としても、最長の曲として、ギネスブックに掲載されている。
作曲時にマーラーは全曲及び各楽章ごとにも標題を付していたが、出版時にこれらをすべて削除している。交響曲全体の標題は、初期には「幸福な生活-夏の夜の夢」、その後「楽しい学問-夏の朝の夢」、「夏の真昼の夢」などと変遷している。各楽章に付けられていた標題(後述)も含めて、これらは作曲と平行して考えられていたものであり、音楽の内容と深く結びついている。したがって、演奏や録音の際の解説では作品理解の助けとして各楽章の標題が紹介されることが多く、交響曲の副題として「夏の交響曲」あるいは「夏の朝の夢」などとするものも一部にある。
もともと7楽章構成で構想されたが、最後の楽章は分離されて交響曲第4番の第4楽章となった。このため、第3交響曲の第5楽章と第4交響曲の第4楽章には同じ旋律素材が見られるなど、ふたつの作品には音楽的に関連がある。また、交響曲第2番も含めて、声楽の歌詞に歌曲『子供の不思議な角笛』を用いていることから、これらを「角笛三部作」と括ることがある。
第1楽章 「森が私に語ること-岩山が私に語ること-牧神(パン)が目覚める、夏が行進してくる(ディオニュソスの行進)」
第2楽章 「草原の花々が私に語ること」
第3楽章 「夕暮れが私に語ること-森の獣が私に語ること」
第4楽章 「夜が私に語ること-人間が私に語ること」
第5楽章 「カッコウが私に語ること-朝の鐘が私に語ること-天使が私に語ること」
第6楽章 「愛が私に語ること・父様はぼくの傷口を見てくださる」
第7楽章 「子供が私に語ること・天上の生活」
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複雑かつ巨大な交響曲だが、極大の解像力を誇るブーレーズのためにあるような作品だ。
1楽章冒頭から正確なリズムを刻みつつ自信に漲った振り方。限りなく完璧に近い緻密さ、極めて低い温度感でもってテクスチャを構築していく様子はいつものブーレーズそのものである。
トロンボーン独奏ブロックでも伴奏音型は決してないがしろにされず、膨大な音が錯綜する展開部後半の山場へと緊密につながってゆきます。
強大なエネルギーを放射するコーダ部では重層的な構築美が崩れることなく、彼の統率の素晴らしさ、VPOの演奏能力の高さを思い知らされる。
一方でニーチェの歌詞が入った4楽章では、フォン・オッターが登場して優美な歌唱部を情感豊かに歌い上げる。中間部における憧れに満ちたオーケストラの美しい音色もVPOならではで、手兵CSOの贅肉が削ぎ落とされた如くの無駄のないユニゾンでは決して得られない甘美さだ。
3楽章の舞台裏ポストホルンが奏でる感傷的な旋律は必聴もの。5楽章のウィーン少年合唱団、ムジークフェライン女声合唱団、フォン・オッターによるMs独唱にVPOという各パートがそれぞれに連携して織り成すテクスチュアも適切なパースペクティブで再現される。そして、6楽章コーダ部の凄まじい盛り上がりは筆舌に尽くしがたいドラマだ。
(録音評)
2/2001, Great Hall, Musikverein, Vienna, Austria
実に素晴らしい録音である。Rainer Maillardはシカゴでの精密機械のような調音だけでなく、優美で軽やかなムジークフェラインの調音も得意としているようで、聴いていてワクワクする臨場感である。とにかく残響が豊かでふくよかである。
楽器音は美音であり、また音場は深く広く展開し、ムジークフェラインの空間いっぱいに描き出される絵巻物を堪能することが出来る。このCDは再生が殊更難しいと言うことはなく、どんな装置でもそれなりに良い音が出ると思われる。
未確認なのだが、聞くところによると国内版は音が悪いらしく、やはりユーロ盤との違いがあるようだ(不思議だが・・)。
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