Stravinsky: Fire Bird@Boulez CSO |
http://www.hmv.co.jp/product/detail/82940
(国内盤はこちら↓)
このところプレトニョフの火の鳥を聴いていたのだが、やはり1945年版というのが物足りないこと、プレトニョフがちょっと情緒的過ぎる気がし始めた、などの理由から1910年版(原典)が聴きたくなった。上のリンクは再販盤だが、例によって古いCDをストックから探し出すのに時間が掛かってしまった。
やっぱりこれだ! ブーレーズの透明感溢れる無駄のない解釈は素晴らしい。それに呼応するシカゴ響の巧さは最高だしオケの音色は冷たく透徹されている。プレトニョフの火の鳥は赤く燃える炎だったが、このシカゴ響@ブーレーズの火の鳥の炎は青白いのだ。
余り評判が良い演奏ではないようだが、個人的には最高傑作の内の一つであり、これに比肩するか超える演奏はCBSに吹き込んだブーレーズ+ニューヨークフィルくらいだ。この演奏は楽譜に忠実でありながら冷徹な闘志が漲る渾身の演奏で、多彩な楽器コントロールはもとより全奏部の迫力、弱奏部の繊細さとどこを取っても一級の演奏だ。
(録音評)
1992年のDG4D録音で結構古い。今、改めて聴き返すと驚くほどの高音質である。現代優秀録音盤でもちょっとこれには及ばないかも知れない。先日買ったプレトニョフ録音を明らかに凌駕する空間感とスーパー・ディテールに感嘆の声を上げざるを得ない。トーンマイスターはプレトニョフ盤と同じで、例によって Rainer Maillard である。シカゴのオーケストラホールの特徴であるブロードな残響と無色透明なステージがまるまる収録されている。