Ysaÿe: Vn Sonata@戸田弥生 |
イザイ(Eugène-Auguste Ysaÿe)の無伴奏ヴァイオリンソナタ。
イザイとはベルギーのリエージュ生まれの近代作曲家である。ウィキペディアにチラッと解説がある。
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ウジェーヌ=オーギュスト・イザイ(Eugène-Auguste Ysaÿe, 1858年7月16日リェージュ - 1931年5月12日ブリュッセル)は、ベルギーのヴァイオリン演奏家、作曲家。 ヴァイオリンニストとしては、ヴュータン、ヴィエニャフスキの指導を受けて才能を伸ばし、その高い技術で多く聴衆を惹き付け、ヴァイオリン音楽に大きな影響を与えた。 作曲家としてはヴァイオリンのための曲を残しており、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ・パルティータを強く意識した無伴奏ヴァイオリンソナタがよく演奏される。
ヴァイオリンにおけるビブラート技法を確立した。
イザイ弦楽四重奏団は自身が設立した。
イザイ国際コンクール(エリザベート王妃国際コンクール(1951-)の前身)は彼に因んでいた。
無伴奏ヴァイオリンソナタは高い演奏技術を要求されるため、しばしばコンクールの課題曲にされる。
主な作品
子どもの夢(rêve d'enfant) (ヴァイオリンと管弦楽のための) 作品14
無伴奏ヴァイオリンソナタ 作品27 (1924) : 6曲それぞれ別のヴァイオリニストに捧げられており、彼らを意識して書かれている
第1番 ト短調 (献呈: ヨーゼフ・シゲティ)
第2番 イ短調 (献呈: ジャック・ティボー)
第3番 ニ短調 「バラード(Ballade)」(献呈: ジョルジュ・エネスコ)
第4番 ホ短調 (献呈: フリッツ・クライスラー)
第5番 ト長調 (献呈: マチュー・クリックボーム(Mathieu Crickboom, イザイの弟子))
第6番 ホ長調 (献呈: マヌエル・キロガ(Manuel Quiroga, スペイン出身の演奏家))
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ムターのモーツァルトとはあまりに温度感が違うのでどう評すればいいのだろうか?
とにかく硬質で冷涼、黄昏れた低照度の旋律と和声は、この蒸し暑いシーズンの夜には打って付けというか、これから秋にかけて腰と心を落ち着けてじっくり聴くには適した曲集だと思う。
(詳細は↓クリック)
このCDの演奏は戸田弥生、エクストン・レーベルでのデビュー盤である。凄い集中力であり、とても日本人とは思えないエキゾチックで瞑想的な図太いヴァイオリンである。使う楽器は確かに太いと評されるピエトロ・ガルネリという名器。
戸田弥生のイザイは別格だ。1993年、エリザベート王妃国際音楽コンクールに優勝しているのだ。このコンクール、その昔、イザイ国際コンクールと言っていたのだ。ま、だから・・、と言うわけではないが思い入れも一入なのだろう、こちらまで霊気が伝わってくるイザイ弾き渾身の演奏だ。
(録音評)
エクストンのDSD録音、この盤自体はHDCDである。音質は恐ろしく良い。1トラック目のヴァイオリンがちょっとオンマイク過ぎるが残りは適正。漆黒の高S/Nバックグラウンドに戸田が一人ポツンと立って、時に激しく時には静かに滔々と旋律を刻んで行く。息遣い、弓と弦の擦れノイズ等、余すところなく収録されている。