Mahler: Sym#1@小澤征爾/BSO |
で、倉庫に眠っていた古いフィリップスのこれ。
マラ1「巨人」とは・・・。ウィキペディアから拝借。
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交響曲第1番ニ長調「巨人」(Symphonie Nr. 1 D-dur "Der Titan")はグスタフ・マーラーが作曲した最初の交響曲。
マーラーの交響曲のなかでは、演奏時間が比較的短いこと、声楽を伴わないこと、曲想が若々しく親しみやすいことなどから、演奏機会や録音がもっとも多い。
1884年から1888年にかけて作曲されたが、初め「交響詩」として構想され、交響曲となったのは1896年の改訂による。「巨人」という標題は1893年「交響詩」の上演に際して付けられ、後に削除されたものである。この標題は、マーラーの愛読書であったジャン・パウルの小説『巨人』Titanに由来する。この曲の作曲中に歌曲集『さすらう若人の歌』(1885年完成)が生み出されており、同歌曲集の第2曲と第4曲の旋律が交響曲の主題に直接用いられているなど、両者は精神的にも音楽的にも密接な関係がある。演奏時間約50分。
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最初の構想で初演された初版は不評だったためマーラーは書き直しをその後2度程しているらしい。初稿をブダペスト稿というが、これは楽譜が見つかっていないそうだ。最初の書き直しは2、3、5楽章で器楽構成を変更して受け狙いをしたらしく、これをワイマール稿という(厳密にはその前にハンブルグ稿というのもあった)。次の改訂で遂に2楽章が削除され、交響詩的構成を脱却、純然たる交響曲4楽章形式に収めたという経緯がある(ベルリン稿というらしい)。因みに削除された2楽章は交響詩時代には副題を「花の章」と呼ばれていたもので現在でも楽譜が残っている。コンサートで「”巨人”花の章付き」と敢えてプログラムに書いているのはこれを加えた5楽章構成であり演奏時間は優に70分を超える。
さてさて、小澤の巨人だが・・・。
元々華やかで分かりやすいメロディーラインの主旋律主題、豪壮な展開部と再現部、フルラインの器楽構成で親しまれている巨人、これを若き日の小澤はどうやって演奏していたのか? 答えは単純で実に屈託なく少々粗っぽく振っている。実はLP時代にも同じBPOとの録音がDGからリリースされていたが古い方が繊細だった気がする(LPは全て廃棄したので今は分からぬが・・)。ハイティンク/コンセルトヘボウというのもあったけれど荒々しさはなくて時に女性的、メルヘンちっく、恐らくこっちの方が一般受けはするだろうけれど今回はこれをご紹介、と言うことにしておく。もう買えないけどね(→PHILIPSがDECCAに買収されてから復刻された)
(録音評)
1987年、ボストンのシンフォニーホール、BSOの基地でのワンポイント+アンビエントマイクでの収録であろう。明らかにマルチではない。
笑うしかないけど、ひとこと酷い! 裸のLPCM16ビットってこんなに酷いのか? ぎらぎらしたブラスとキンキン艶々の弦、籠もったパーカッション・・・。と、思いきや、グランカッサが多用される最終章が大化けでちょっとビックリ。終わってから1楽章に戻してみると、あ~ら不思議。治ってる(^^ゞ 確かにLP臭い音だが、それはイコライジングの風情が当時のマーケットに合わせたもののようで、これはこれで嫌味な音じゃないな~。決してハイファイではないが良く聴くと解像度も良いし音場もシンフォニーホールの特徴であるバタ臭さをちゃんと捉えている。
最初はスピーカーがこの音に馴染んでいなかったようで、最後のグランカッサの連発で喝入れされ、DG4Dモードからオールド・フィリップス・モードに切り替わった、と見るべきだろう。不思議だがこういったことは往々にしてよく起きる。ちょっと聴きでシステム/ソースを判断してはならない好例。