2026年 07月 21日
ショパンピアノ@古畑祥子@サントリーホール・ブルーローズ |
こちらは月曜・祭日の記録で、古畑さんの夏の来日公演の様子から。
六本木一丁目駅で降りてサントリー・ブルーローズへと向かう。昨年同様のマチネーで14時開演だった。客席はぎっしり満席となっていた。


今回のプログラムは、春のミューザ川崎と同一内容で、オール・ショパン・プログラムである。言わずもがなだが、いずれも高難度曲ばかりとなる。

F.Chopin:
Nocturne KK.IVa/16 No.20 C♯ min.
Nocturne Op.9-2 E♭ maj.
Nocturne Op.27-2 D♭ maj.
Étude Op.10-3 E maj.
Étude Op.10-4 C min.
Étude Op.10-12 C min.
Scherzo No.2 B♭min. Op.31
- Interval -
Waltz Op.69-2 B min.
Waltz Op.64-2 C♯ min.
Impromptu Op.66 C# min(posth.) " Fantaisie-Impromptu"
Étude Op.25-7 C♯ min.
Étude Op.25-11 A minor "Winter Wind"
Andante spianato et grande polonaise brillante Op.22 E♭maj.
Encore:
Debussy: Suite bergamasque, L.75 3. Clair de lune
A.Piazzolla: Libertango
Sachiko Furuhata-Kersting(Pf)
遺作ノクターンが始まると揺蕩うメロディーが軽やかかつメロゥで良い感じだ。春のミューザで感じた違和感は払拭され透明度の高いブリリアンス、美しい残像が後を引く。これこそがスタインウェイの音なのだ。重層的で大きな起伏を示すテンポ・ルバートは古畑さんならではの技だ。ノクターン2曲目は著名なOp.9-2で、インテンポより仄かに遅めに歩を進める8分の12拍子の旋律はゆったり、かつ超精密な付点、シンコペーションを刻むところが古畑さんらしい。
エチュードは別れの曲からスタート。少し遅めのテンポルバートで長周期なのはいつもの古畑さんと変わらないが、この日のルバートは非常に繊細かつ澄明に感じられるのだ。そしてやはり、スケルツォ2番が圧巻でサチコ節が炸裂。いつも通りアップテンポ部は激烈なテンペラメントが炸裂、インテンポ部では滔々とした流れるような美しいレガートが特に印象的だった。なお、今回の演奏の印象がガラッと変わったのには実は理由があったのだ。後述するが。

幻想即興曲が後半パートの中心となる組み立てだ。入りからは鮮やかで明媚な色彩感が発揮され、いつもよりかは明晰な解釈に聴こえた。中間部の揺蕩うアンダンテから一気に加速してコーダへ向かう古畑さんのタッチはいつも通り正確無比で強烈な音圧レベルを感じるほどの強打鍵だ。
トリを飾るのはアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズという大規模でスケール感がある作品。テンペラメントの抑揚が強くダイナミックレンジが極めて広く起伏が激しい曲。ここでもサチコ節が炸裂し、発生熱量は最大に達していた。素晴らしい解釈、演奏だった。なお、古畑さん自身の説明によれば映画「戦場のピアニスト」で用いられたオープニング曲が前半冒頭の遺作ノクターン、そして映画のエンディング曲がアンダンテ・スピアナートだったということ。いま世界のあちこちで戦争が起きており、終結への祈り、平和への強い願いを籠めて選曲された由。
アンコールは幻想的で幽玄なドビュッシーの月の光、そして乗り乗りのハイテンション、アストル・ピアソラのリベルタンゴ。綺麗な締めだった。
追補:
演奏が終わり、ロビーで古畑さんと立ち話をしている中で出た話し。今回からピアノ調律師を変更し、なんでもマルタ・アルゲリッチの専属の調律師さん=山本有宗氏=に依頼したとのこと。そのおかげをもって非常に満足できる精緻で秀逸な調律となり演奏していても非常に楽しく満足がいったとのこと。古畑さんの演奏のイメージがガラッと変わって聴こえたのはこのせいだったのだ。


アークヒルズ/サントリー・ブルーローズ
六本木一丁目駅で降りてサントリー・ブルーローズへと向かう。昨年同様のマチネーで14時開演だった。客席はぎっしり満席となっていた。



プログラム
今回のプログラムは、春のミューザ川崎と同一内容で、オール・ショパン・プログラムである。言わずもがなだが、いずれも高難度曲ばかりとなる。


F.Chopin:
Nocturne KK.IVa/16 No.20 C♯ min.
Nocturne Op.9-2 E♭ maj.
Nocturne Op.27-2 D♭ maj.
Étude Op.10-3 E maj.
Étude Op.10-4 C min.
Étude Op.10-12 C min.
Scherzo No.2 B♭min. Op.31
- Interval -
Waltz Op.69-2 B min.
Waltz Op.64-2 C♯ min.
Impromptu Op.66 C# min(posth.) " Fantaisie-Impromptu"
Étude Op.25-7 C♯ min.
Étude Op.25-11 A minor "Winter Wind"
Andante spianato et grande polonaise brillante Op.22 E♭maj.
Encore:
Debussy: Suite bergamasque, L.75 3. Clair de lune
A.Piazzolla: Libertango
Sachiko Furuhata-Kersting(Pf)
前半のショパン
遺作ノクターンが始まると揺蕩うメロディーが軽やかかつメロゥで良い感じだ。春のミューザで感じた違和感は払拭され透明度の高いブリリアンス、美しい残像が後を引く。これこそがスタインウェイの音なのだ。重層的で大きな起伏を示すテンポ・ルバートは古畑さんならではの技だ。ノクターン2曲目は著名なOp.9-2で、インテンポより仄かに遅めに歩を進める8分の12拍子の旋律はゆったり、かつ超精密な付点、シンコペーションを刻むところが古畑さんらしい。
エチュードは別れの曲からスタート。少し遅めのテンポルバートで長周期なのはいつもの古畑さんと変わらないが、この日のルバートは非常に繊細かつ澄明に感じられるのだ。そしてやはり、スケルツォ2番が圧巻でサチコ節が炸裂。いつも通りアップテンポ部は激烈なテンペラメントが炸裂、インテンポ部では滔々とした流れるような美しいレガートが特に印象的だった。なお、今回の演奏の印象がガラッと変わったのには実は理由があったのだ。後述するが。

後半のショパン
幻想即興曲が後半パートの中心となる組み立てだ。入りからは鮮やかで明媚な色彩感が発揮され、いつもよりかは明晰な解釈に聴こえた。中間部の揺蕩うアンダンテから一気に加速してコーダへ向かう古畑さんのタッチはいつも通り正確無比で強烈な音圧レベルを感じるほどの強打鍵だ。
トリを飾るのはアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズという大規模でスケール感がある作品。テンペラメントの抑揚が強くダイナミックレンジが極めて広く起伏が激しい曲。ここでもサチコ節が炸裂し、発生熱量は最大に達していた。素晴らしい解釈、演奏だった。なお、古畑さん自身の説明によれば映画「戦場のピアニスト」で用いられたオープニング曲が前半冒頭の遺作ノクターン、そして映画のエンディング曲がアンダンテ・スピアナートだったということ。いま世界のあちこちで戦争が起きており、終結への祈り、平和への強い願いを籠めて選曲された由。
アンコールは幻想的で幽玄なドビュッシーの月の光、そして乗り乗りのハイテンション、アストル・ピアソラのリベルタンゴ。綺麗な締めだった。
追補:
演奏が終わり、ロビーで古畑さんと立ち話をしている中で出た話し。今回からピアノ調律師を変更し、なんでもマルタ・アルゲリッチの専属の調律師さん=山本有宗氏=に依頼したとのこと。そのおかげをもって非常に満足できる精緻で秀逸な調律となり演奏していても非常に楽しく満足がいったとのこと。古畑さんの演奏のイメージがガラッと変わって聴こえたのはこのせいだったのだ。
by primex64
| 2026-07-21 17:42
| Concert/Recital
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