2025年 07月 29日
ジブリ コンサート@ソフィー美世ケルスティング@La Salle F |
古畑祥子さんから、娘さんの美世さんが初来日公演をやるので是非どうぞ、とのお誘いを受けたので昨日の月曜夜、広尾のラ・サール エフまで聴きに行ってきた。

美世さんと最初にお会いしたのは古畑さんの馬車道のリサイタルで、この頃にはまだ学生さんだったと思う。今回の来日公演では、あの幼さが残る当時の雰囲気からはがらっと変貌し、完全な大人のソリストとして堂々と登壇した。

ソフィー美世ケルスティング(Sophie-Miyo Kersting)さんは、ドイツを拠点に活躍するソプラノ歌手、ピアニスト、そしてダンサー。オペラや音楽分野でソリストとして舞台経験があるようで、ドイツ国内を拠点として活動中。スタジオジブリ作品をピアノ伴奏とともに歌唱する企画等で幅広く舞台に出演している。Instagramプロフィールでは Singer | Dancer | Actor とあり、ダンサーや俳優としても活動している模様だが、今回の来日公演は演奏のみで舞踏/ダンスはない。
まとめると、クラシック音楽、オペラ、映画音楽など多様なジャンルをレパートリーとし、歌唱とピアノの両方で高い表現力を持つ。舞台活動に加え、ダンスやパフォーマンスの経験も持つため、総合的な舞台芸術家としての評価も高いようだ。
プログラムはスタジオ・ジブリの映画のために作られた楽曲から構成している。なお、これらの大部分は久石譲の作曲となる。
・もののけ姫
・千と千尋の神隠し
いのちの名前
いつも何度でも
ふたたび
・となりのトトロ /風のとおり道
・風の谷のナウシカ/ファンタジア ※
・千と千尋の神隠し/あの夏へ ※
・天空の城ラピュタ/君をのせて
・魔女の宅急便 /やさしさに包まれたなら
・ゲド戦記 /時の歌
・ハウルの動く城
世界の約束
人生のメリーゴーランド ※
アンコール:
・千と千尋の神隠し / いのちの名前
Sophie-Miyo Kersting(Sop, Pf) ※Pf Solo
ソフィー美世ケルスティング(ソプラノ、ピアノ) ※ピアノ独奏

始まる前まではジブリ作品とのことで子供たちの耳には優しく、そして漫画チックで楽しく軽快な曲風を想像していた。しかしながらそれはいい意味で完全に裏切られた。これはもう完全なクラシック音楽の世界であり、単に曲目がジブリなだけだ。鍵盤に向かいながら朗々とした歌唱を聴かせる美世さんはクラシックのソリストそのものなのだ。
曲目が多いのでそれぞれ個別にはコメントしないが、とにかく雄大で壮大(=千と千尋の神隠し/いのちの名前、天空の城ラピュタ/君をのせてそして etc.)、そして時にはアリア風の静謐な詠唱(=もののけ姫、ゲド戦記/時の歌、千と千尋の神隠し/いつも何度でも etc.)と、実に多彩で起伏に富んだ曲想をいともたやすく歌い上げて行く。美世さんの歌い方はベルカントではなく、ちゃんとしたドイツ・リート唱法で実に堅実、そして驚くほど音圧レベルが強く、マイクPAをつけていたが直接響いてくる声の方が圧倒的に大きかった。そして声域も極めて広く、最高音部のスタッカートなどは完全なコロラトゥーラ領域に達する。
そしてピアノだが、やはりお母さん譲りということからか、芯を突くテンションの強い打鍵力による和声、微細で精密なスケール進行などが特徴となり、それは独奏(=風の谷のナウシカ/ファンタジア、千と千尋の神隠し/あの夏へ、ハウルの動く城/人生のメリーゴーランド)で遺憾なく発揮された。とにもかくにもダイナミックレンジ=微小音から最大音までの音圧幅=が広大すぎて、ひょっとするとこれはお母さんを超えているかもしれないと感じるほど。今度はもう少し広いホールで聴いてみたいものだ。
休憩なしの1時間15分はあっという間だった。しかし、その間の熱意、いや気迫に満ちた美世さんの歌唱/演奏には身じろぎひとつできないくらい緊迫した空気感が漂い、楽しくはあったが終わった途端にどっと弛緩してしまうくらい疲れた。もちろん良い意味でだが。まだお若いのに、これだけ幅広く奥深いヴィルトゥオージティを身につけられているのは驚異でしかない。今後、間違いなくスターダムに押し上げられるとの確信を得た初来日コンサートであった。






美世さんについて
ソフィー美世ケルスティング(Sophie-Miyo Kersting)さんは、ドイツを拠点に活躍するソプラノ歌手、ピアニスト、そしてダンサー。オペラや音楽分野でソリストとして舞台経験があるようで、ドイツ国内を拠点として活動中。スタジオジブリ作品をピアノ伴奏とともに歌唱する企画等で幅広く舞台に出演している。Instagramプロフィールでは Singer | Dancer | Actor とあり、ダンサーや俳優としても活動している模様だが、今回の来日公演は演奏のみで舞踏/ダンスはない。
まとめると、クラシック音楽、オペラ、映画音楽など多様なジャンルをレパートリーとし、歌唱とピアノの両方で高い表現力を持つ。舞台活動に加え、ダンスやパフォーマンスの経験も持つため、総合的な舞台芸術家としての評価も高いようだ。
プログラム
プログラムはスタジオ・ジブリの映画のために作られた楽曲から構成している。なお、これらの大部分は久石譲の作曲となる。
・もののけ姫
・千と千尋の神隠し
いのちの名前
いつも何度でも
ふたたび
・となりのトトロ /風のとおり道
・風の谷のナウシカ/ファンタジア ※
・千と千尋の神隠し/あの夏へ ※
・天空の城ラピュタ/君をのせて
・魔女の宅急便 /やさしさに包まれたなら
・ゲド戦記 /時の歌
・ハウルの動く城
世界の約束
人生のメリーゴーランド ※
アンコール:
・千と千尋の神隠し / いのちの名前
Sophie-Miyo Kersting(Sop, Pf) ※Pf Solo
ソフィー美世ケルスティング(ソプラノ、ピアノ) ※ピアノ独奏

演奏について
始まる前まではジブリ作品とのことで子供たちの耳には優しく、そして漫画チックで楽しく軽快な曲風を想像していた。しかしながらそれはいい意味で完全に裏切られた。これはもう完全なクラシック音楽の世界であり、単に曲目がジブリなだけだ。鍵盤に向かいながら朗々とした歌唱を聴かせる美世さんはクラシックのソリストそのものなのだ。
曲目が多いのでそれぞれ個別にはコメントしないが、とにかく雄大で壮大(=千と千尋の神隠し/いのちの名前、天空の城ラピュタ/君をのせてそして etc.)、そして時にはアリア風の静謐な詠唱(=もののけ姫、ゲド戦記/時の歌、千と千尋の神隠し/いつも何度でも etc.)と、実に多彩で起伏に富んだ曲想をいともたやすく歌い上げて行く。美世さんの歌い方はベルカントではなく、ちゃんとしたドイツ・リート唱法で実に堅実、そして驚くほど音圧レベルが強く、マイクPAをつけていたが直接響いてくる声の方が圧倒的に大きかった。そして声域も極めて広く、最高音部のスタッカートなどは完全なコロラトゥーラ領域に達する。
そしてピアノだが、やはりお母さん譲りということからか、芯を突くテンションの強い打鍵力による和声、微細で精密なスケール進行などが特徴となり、それは独奏(=風の谷のナウシカ/ファンタジア、千と千尋の神隠し/あの夏へ、ハウルの動く城/人生のメリーゴーランド)で遺憾なく発揮された。とにもかくにもダイナミックレンジ=微小音から最大音までの音圧幅=が広大すぎて、ひょっとするとこれはお母さんを超えているかもしれないと感じるほど。今度はもう少し広いホールで聴いてみたいものだ。
休憩なしの1時間15分はあっという間だった。しかし、その間の熱意、いや気迫に満ちた美世さんの歌唱/演奏には身じろぎひとつできないくらい緊迫した空気感が漂い、楽しくはあったが終わった途端にどっと弛緩してしまうくらい疲れた。もちろん良い意味でだが。まだお若いのに、これだけ幅広く奥深いヴィルトゥオージティを身につけられているのは驚異でしかない。今後、間違いなくスターダムに押し上げられるとの確信を得た初来日コンサートであった。

by primex64
| 2025-07-29 15:18
| Concert/Recital
|
Trackback
|
Comments(0)




