ショパンピアノ@古畑祥子@サントリーホール・ブルーローズ |
アークヒルズ/サントリー・ブルーローズ
スマイルでランチ後は東横線、南北線経由で六本木一丁目駅へ。ほどなくサントリー・ブルーローズに到着。昨年同様マチネーということで14時開演。





プログラム
今年のブルーローズのプログラムの組み立ては今年2月の神奈川県民ホールと同様だった。というか神奈川県民ホールはブルーローズ本番に向けた試行という位置付けで、そこから半年かけて演奏設計に微修正を施しているのかもしれない。内容だが前半がショパンのノクターン/エチュード/スケルツォの高難度曲で、後半がムソルグスキーの展覧会の絵の全曲という構成。

F.Chopin:
Nocturne KK.IVa No.16 C♯ minor
Nocturne Op.27 No.2 D♭ major
Impromptu Op.66 C# min(posth.) " Fantaisie-Impromptu"
Étude Op.10-3 E major
Étude Op.10-4 C minor
Étude Op.10-12 C minor
Scherzo No.2 B♭min. Op.31
- Interval -
Mussorgsky: Pictures at an Exhibition
1.Promenade
2.Gnomus
3.Promenade
4.The Old Castle
5.Promenade
6.Tuileries
7.Bydlo(The Oxen)
8.Promenade
9.Ballet of the Unhatched Chicks
10.Samuel Goldberg and Schmuyle
11.Promenade
12.The Marketplace at Limoges
13.The Catacombs
14.Cum Mortuis in Lingua Mortua
15.Baba Yaga
16.The Great Gate of Kiev
Encore:
Liszt: Liebesträume S.541
Sachiko Furuhata-Kersting(Pf)
ショパン
揺蕩う遺作ノクターンからスタート。規模の大きなテンポ・ルバートはいつもの古畑さんの得意なパターンだが今年のブルーローズでは更に揺動が激しい感じだった。ショパンの前半は幻想即興曲で締められた。今年の春よりかは理性的で控えめなピッチだが終わりに向けては加速度を伴って迫力が増した。


ムソルグスキー:展覧会の絵
曲目が多いので仔細は述べないが、これまた圧倒的ダイナミックレンジと非常に高い音圧レベルが特徴となる、古畑さんならではの圧巻の展覧会の絵だった。美しく抒情的な古城、ビビッドなテュイルリーやリモージュの市場、そしてどろどろとした暗鬱さが支配するサミュエル・ゴールデンベルクとシュムイル、牛車、バーバヤーガの小屋などの描き分けが秀逸なのだ。
途中、息急き切らせて突っ込みかける場面もあったが、そこは急峻なブレーキとヒール・アンド・トウを駆使してコーナーを巧みに曲がり切って行く。最後、キエフの大門。ウクライナの首都の歴史的名勝、かつキエフ大公国時代の中央門を描いたこの大曲にかける古畑さんの熱意は並々ならぬものがあったろう。ほんとうに素晴らしい演奏だった。


