土曜ランチの様子から。
まずはビール
SHINの今週の限定は先週に引き続き抹茶つけ麺のはずだった。ところが今日は非常に寒いということで抹茶つけめんを急遽中止し、台湾らーめん登板とのこと。なお来週は抹茶つけ麺だそうだ。
肴一品
今日の野菜小皿は栃木県の銘柄トマト=足利美人。瑞々しく、かつ非常に甘く、酸味が柔らかい。ドレッシングはいつもの通り薄めの塩味と酸味で、野菜の本来の味を邪魔しない。
台湾らーめん ミニ揚チキン添え
急遽登板となった限定商品がサーブされた。なお、これをいただくのは昨年二月上旬以来と、一年以上のご無沙汰。
この商品は台湾を冠してはいるが、台湾・台南地方の担仔麺(たんつーめん)ではなく、名古屋の老舗中華料理店「味仙」発祥の台湾ラーメンを規範とした汁麺だ。要するに辛い味付けの豚挽肉に韮が大量に入る汁麺のことだ。しかしながら、SHINがその模倣品をそのまま出すはずもなく、ユニークかつオリジナリティ溢れる一品に仕上がっているのは言うまでもない。
店主からは説明を聞きそびれたので明確なことは言えないが、スープは平戸産焼きアゴ、アゴ煮干、あるいは宗田節がメインで、そこに椎茸、昆布などを配合したものであろう。深みのある滋味は他のレギュラー品と同等だ。さらに醤油、米酢などから作ったタレを配合して仕上げてある。
一方、挽肉餡には卑県(ピーシェン)豆板醬や味醂、醤油、紹興酒、唐辛子などで本格的な麻辣味が付けてあってこれが結構辛い。また、スープに浮く赤い液体の正体はSHIN自家製の特製辣油であろう。ということは例により3~4種の高級唐辛子、胡麻油、葫、花椒(ホワジャオ)などが大量に入っていて辛く痺れるが、それだけではない深みのある麻辣味なのだ。以上、外観上また調理法は四川料理の麻婆豆腐などの餡に似ているが、そこにはSHIN固有の複雑で奥深い工夫と味付けが施され孤高の麻辣に仕上がっているのだ。
ミニとは言え十分な大きさで食べ応えする揚げチキンが辛いスープを吸ってしんねり軟化。まったり味もスープにマッチしていて非常に旨いし、これは賢い組み合わせだと思う。
その他の具材は大量の韮、長葱、刻み葫で、これらもまたスープ、挽肉餡を下支えする良い働きをしている。麺は自家製のちょっとウェーブした中細麺で、極上の麻辣スープをぐいぐいと持ち上げる。辛くて痺れる美味しいスープ、挽肉餡、韮などとともに麺を啜る。塩味、酸味、麻、辣の四拍子が高次元でバランスしているのだ。
小ライス ▶麻辣雑炊
麺はあっという間に終わってしまう。そうなると後は雑炊となってしまうのは論を待たない。
ご飯に赤くて辛くて痺れるスープが沁み込むと、麺とはまた違ったダイレクトな美味しさを実感する。ご飯を麻辣スープとともに掬って啜る。一口啜ると次の一掬いを誘ってきて手が止まらなくなるのだ。無心にわしわしやっていると目線が徐々に遠くなり、だんだんと人間が駄目になっていくのを自覚する。
お店データ
自家製麺 SHIN(新)
横浜市神奈川区反町1-3-8電話:045-548-3973
営業:11:30~15:00、19:00~21:00(変動あり)
※日曜は昼営業のみ
定休:月・火(祝日でも休業)
最寄:東急東横線 反町4分
※感染症対策のアルコール消毒は万全
※カウンター席には仕切りあり
クラシック版:今日は何の日?
2月24日は、シャルパンティエの忌日。
※MusicArenaでは膨大な数の録音を取り上げているため、ほんの一部だけ紹介