土曜のランチの様子から。SHINは牡蠣の限定を終え、今度は味噌特集をやるという。
まずはビール
いつものように店には13:30頃の到着。店前の待ち行列はないが満席で、中待ちの椅子に腰かけて待つこと暫し。

肴一品
定番の自家製ローストビーフをオーダー。この日はちょっとオーバーヒート気味になったというが、それほど目立つ硬化は認められず十分に美味しいのだ。なお、絶品もつ煮込みは後述のチャーシューを仕込むのに時間が取られたため休止とのこと。


国産麦味噌らーめん
今回の味噌シリーズは毎週連続で3クールやる予定という。で、初回は店主が好みだという麦味噌のラーメン。








SHINは今年の1月にも味噌シリーズを連続3クール挙行した。だが私らは最初の第1クールを逃し、
第2クール、
第3クールを味わった。前回は味噌のバリエーションによる味の違いを追及するというテーマだったが、今回は出汁のバリエーションによる違いを探求したのだという。で、初回は宗田鰹と昆布出汁に麦味噌を合わせた。

例により大量の刻み葱、もやしの上には熱したラードが注がれ、もうもうと油煙を放つ状態でサーブされる。油膜がスープ面を覆うため本来の湯気は上がらず内部に熱が閉じ込められて冷めない。スープはシンプルな宗田鰹+昆布で奇を衒わない味わい。そして味噌はフンドーキンの麦味噌、サポートに京都・石野味噌製の西京味噌。

麦味噌の甘味と香り、西京味噌の上品で薄味の旨味が重畳されレンゲで掬う一口が次の一口を誘って止まらない。麺は自家製の平打ち縮れ麺。程よい硬茹で、適度な弾性で、啜るとちゅるちゅる入る。今回のために特別に煮た豚肩ロース・チャーシューはほろほろ、旨味がぎっしりで味噌味にはこれしかない精妙な組み合わせだ。
ライス ▶ 麦味噌雑炊
最後、麺がなくなったらこうなるのは既成事実。

別途頼んでいた小ライスをおもむろに投入。粘度の強い味噌スープとぐずぐずすると良い具合に馴染んで来る。長葱、もやし、岩海苔、チャーシューなど残り具材をご飯とともにいただくと無論絶品だ。ライスと合わせると、麺とはまた違い麦味噌の強点・特徴が更に際立ち、香りがより強く感じられる。駄目人間の一丁あがりだ。




来週は煮干出汁による味噌ラーメンだそうで、これも逃さず味わいたい。
お店データ

自家製麺 SHIN(新)
横浜市神奈川区反町1-3-8電話:045-548-3973
営業:11:30~15:00、19:00~21:00(変動あり)
※日曜は昼営業のみ
定休:月・火(祝日でも休業)
最寄:東急東横線 反町4分
※感染症対策のアルコール消毒は万全
※カウンター席には仕切りあり
今日の一曲

DGの(当時の)春の輸入新譜で、ブレハッチが弾くドビュッシーとシマノフスキのピアノ作品集。ブレハッチは2005年のショパン国際ピアノコンクールのウィナー。シマノフスキに対する彼の深い洞察と自信に満ちた曲想表出、演奏設計は素晴らしい。特にソナタ1番の3楽章メヌエットは、限りなく透明で甘い蜜を仕込んだ名曲なのだが(TV-CMにも時折使用される)、ブレハッチの繊細でか弱い美麗なセンスが特段に光っていると言える。
(MusicArena 2012/7/11)