Nikon Z 30 #1 |
常用コンデジの劣化
ここ8年ほど愛用してきたのはNikon COOLPIX P340という、かなり古びたコンパクト・デジタルカメラだった。

特徴は下記リンク先に詳述しているので割愛する。
とにかく小型軽量で扱いやすく画質も機能も満足の行くコンデジだった。しかし1年ほど前からレンズの調子が思わしくなく、具体的には手ブレ補正の効き具合が悪い、というか機能しなくなり、またオートフォーカスが遅くて迷ってしまう場面が頻発、ズーム動作も反応が渋くなっていた。
レンズ交換式一眼レフであればレンズだけ換えるなど対処も可能だったが、一体型なので修理しか方法はない。メーカーのサービスに問い合わせたところ、発売から日が経っていて治せるかどうかは診てみないと分からない、また診るだけでも結構な工賃が掛かるとのこと。であるならば、この際、専用コンデジを諦めてスマホ使用に切り替えようか、あるいは買い替えしようかと思案し始めた。
次機種の選定
昨今ではスマホのカメラ性能が向上しているので、常用のiPhone 13 Proで食べ歩き記録を撮るという選択肢はあるにはある。しかし、本来は、きめ細かな調整が可能なRAW撮影およびRAW現像プロセス/機能が未成熟であること、絵作りが幼稚で子供っぽく、かつ恣意的な強調やディテールの欠落、安易なドット補間やデシメーション(間引き)などが目立ち、忠実な画像記録用としては未だ信頼に足るものではないと評価している。そうしたことを加味すると、やはりコンデジを新調するのが相当であろうとの結論に達する。
しかしながら、ここ5年ほどの間にカメラ業界は大きく変貌し、具体的には高性能スマホの出現に伴って実用域クラスの普及価格コンデジは市場から殆ど姿を消してしまったのだ。従って買い換えたくても新品では買えないという状態に陥っている。中古市場をあたれば以前の中級クラスのコンデジはなくはないが状態の良いものはほぼ皆無。ということで、はたと困ってしまった。
ただ、キヤノン、ニコンにしろソニーαにしろ、ハイエンド級のミラーレス一眼レフ製品ラインは健在だし、リコーやソニー、オリンパス、ルミックス、ライカあたりでも超高級・超高価格コンデジはラインナップし続けているので、そこからチョイスするという手はあるにはある。
だが、それなら10年以上前の製品にはなるがNIKON D3というFXフォーマット(フルサイズ)のハイエンド、しかも当時のフラッグシップ機が手元にある。
なので、わざわざ新たにこれらを買う手はない。いや、そもそも、D3なんていう超巨大、超重量級のデジタル一眼レフを持ち歩き、ラーメン屋の店先で取り出して大仰にパチパチ撮影するなどという暴挙に出たくなかったのでわざわざコンデジにしたという経緯があったな・・、などと過去を振り返っているうちに思考が無限ループするのであった。
次期コンデジの要件
では、私は次期コンデジに何を要求しようとしているのか。混沌としてきたので今一度立ち止まり、冷静になって要件整理してみた。
2. 可用性:最低でも向こう5年間は継続使用できる程度に堅牢
3. 拡張性:システムとしての拡張性・継続性がある程度見込める
4. 可搬性:小型で可搬性に優れ、肩掛け中型バッグに収納可能
5. 互換性:現在運用中の映像処理プロセスとの互換性・親和性が良好
上記1,2に関しては、市場で現行の製品ラインであればどの機種を選んでもさほど問題にはならないだろう。3に関してはちょっと微妙で、単眼レンズ固定式カメラは拡張性という点においては、体系的にシステム化されたシリーズ(NIKON Z、CANON EOS D、SONY αなど)と比べるれば劣るだろう。よって可能な限りシステム化されたシリーズのカメラを選定すべきと言える。加えて上記5を加味すると、やはりニコンのシリーズ製品を選定すべきと思うが、RAWファイル/環境移行の手間を惜しまなければ主要メーカー製品は全て選択の範疇には入って来る。あとは慣れの問題だろう。
食べ歩き記録用カメラとしては意外にも上記4が非常に重要だ。専用バッグ/ケースを持ち歩くことは気軽で自由な食べ歩き記録という私の基本テーゼに反し、店側や他の客からは大いに反発、そして引かれてしまう。だいいち、大きくて重たいのは大嫌いなのだ。
以上、これらの要件を総合的に噛み含めてみると、ニコン製のミラーレス一眼レフ=Zシリーズが要件に最も近い製品ラインだと言える。しかし、残念なことに唯一、4.可搬性という点においては重すぎて大きすぎるのだ。特に、あのペンタプリズムを模した大きく飛び出たビュー・ファインダーが極めて邪魔なのだ。
コンパクトな新機種リリースとの朗報が
ということで、選択肢としてはニコンがベストだろうが、いかんせん大き過ぎだ、という時点で思考が停止していた。ところがある日、あの邪魔で忌まわしいペンタプリズムを削って、動画撮影に焦点を当てたコンパクト機が発売されるとのニュースリリースが出た。これは何とも言えない衝撃だった。まさに、こういったコンパクトなZシリーズを待っていたのだ!
さっそくニコンのサイトでスペックを確認・検討すると、多少は大きいが現行のP340とはそれほど遜色ない可搬性がある、という結論に達する。ということで価格コムを調べ、最終的には長年の会員特権のあるヨドバシのネット通販に予約を入れた。あとは発売日である8月5日を心待ちにして日々過ごす。
発売当日の夕刻に念願の品々が到着
予約を入れるとき、もちろんボディはNIKON Z 30、レンズは最軽量・最小型のNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRを同時に頼むつもりだったが、幸いなことにこれらをスターターキットとしてまとめて安価にセットした製品が設定されていた。しかも豪華おまけ付きだ。むろん迷うことなくこのキットを注文した。加えてレンズ口径に合わせたニコン純正のNCフィルター(46mm)、エツミ製Z 30専用の液晶保護フィルムも注文した。







クラシック版:今日は何の日?
8月8日は、アンドレ・ジョリベ、ヨゼフ・スークの生誕の日。
※MusicArenaでは膨大な数の録音を取り上げているため、ほんの一部だけ紹介

