九つ井@横浜 |
まずは生ビール
横浜駅西口まで出掛けた。

ずっと先延ばししていた各種手続きや買い物などそろそろ限界ということで敢えて出掛けた。このところ感染が一段落気味のためか駅構内も地下街もおしなべて混雑していた。ランチは久し振りに九つ井でいただくことに。店に着いたら満席で、案内があるまでロビーで暫し待った。生ビールの突き出しには珍しく揚げ蕎麦。薄めの塩味が絶妙でビールが枯渇、追加注文。肴二品
蕎麦前には季節のメニューから二品をオーダーした。
▼よもぎ胡麻豆腐


基本は胡麻豆腐だが蓬の微塵切りが仕込んであって薄緑色を呈する。胡麻の馥郁とした風味に加え、この青臭い爽やかな香りはとても鮮烈。胡麻と蓬の邂逅とは今まで経験したことのない味と風味だ。上にはマヨに似た正体不明のまったりした黄色い餡がかかり、少し大きめの桜海老のような、ひょっとすると茹でた白海老、そしてディルが添えられる。香りも味も抜群。▼蒸し鶏若草和え


蓬に似ているが、こちらは更に草臭い葉や茎を擂ったもの。ベースは豆腐由来の素材を練った下地だろう。要は春の息吹が感じられる和風ペーストで湯掻いた鶏のささ身を和えたもので、分類上はおそらく鶏の白和え。実に爽やかで凛とした風味、しかも鶏が極上と思われ、いかにも鶏然とした香り・旨味が充満する。最高だ。もうメインを前に卒倒寸前。鯛そば
こちらは家内のオーダー。九つ井に来ると彼女はだいたい決まって季節の蕎麦を頼むが、これは5月末まで限定の春の蕎麦だ。

冷しかと思ったら温の蕎麦で、湯気が立った状態でサーブされた。普段は色々と話をしながら箸を進める家内だが食べ始めてから何故か無口になり、ひたすら啜っている。で「どうしたの・・?」と問うと、暫し間があってからレンゲを差し出してきて、「これ飲んでみ」という。ん? なになに・・、ということで、ご相伴に与かり出汁を一掬いする。これは・・。
第一印象は鯛そのもの。それ以外の何ものでもない。あまりに美味しくて次の一掬い。鯛の味は非常に濃く、こんな濃厚な鯛出汁はいただいたことはない。で、その他の出汁はというと、鰹節、鰯などの煮干・いりこ系の味はしない。敢えて言うと昆布と椎茸が仄かに香る程度に配合されているだろうか。むろん抜き実の挽ぐるみ蕎麦に滋味が浸潤し最高、極上だ。


もちろん、家内の満足度が最高潮に達したことは言うまでもない。最後まで箸の勢いが衰えず、蕎麦が終わった鯛出汁の最後の一滴まで一気に飲み尽してしまった。普段から塩分過多を気にしている家内にしてはこれは珍事と言って良い。余禄だが、写真を撮り忘れた付け合わせのお新香のうち、残っていた大根の桜漬け、大根の皮の糠漬けの写真を添えておく。これ、抜群。天ざるそば 車海老
こちらは私のオーダー。












久米島の活車海老かどうかは不案内だったが、風味が良くてプリプリの車海老は久し振りにいただいた気がする。以前より小振りに思うが、その分、一本多い気がする。ハーフに割られてカラリと揚げられた頭もぱりぱり齧る。付け合わせのパプリカ、さつま芋、南瓜、茄子も絶妙な揚り具合。古式手打ちの抜き実の挽ぐるみ蕎麦も冷たく〆られていて最高の相性なのだ。お店データ
九つ井(ここのついど)横浜店横浜市西区北幸2-6-26 H1横浜ビルB1F
電話:045-313-9110
営業:平日:11:30~22:00(21:00 LO)
土祝:11:30~22:00(21:00 LO)
定休:日曜
最寄:各社線 横浜6~8分
今日の一曲
ウィスペルウェイは読売日響の定期に出た時にサントリーで少し聴いたが、なかなかに味のある音を出すソリストだった。また、昨今ではアルペジオーネ・ソナタがとても良い出来映えで印象に残っている。明るく、のびのびとしたメンデルスゾーンのVcソナタ#2は、この二人の名手にかかると単に明媚なだけの演奏に留まらず様々な表情を見せてくれる。こういった長調の曲の「明」の部分をクローズアップしてテンペラメントを籠めるのは誰しもが得意とするところだろう。しかし、この二人、「暗」に近いアンニュイな部分を殊更に拡大して独特の蔭を付けて見せているのだ。(MusicArena 2012/2/19)
今週の珈琲
今週は先々月のセール品だったブルーマウンテン No.1。

(豆工房 コーヒーロースト 白楽店)




