日曜ランチの様子から。
まずはビール
今週もSHINが渾身の限定をやるというので気合を入れて行ってきた。

店側で用意した商品POPを貼付しておく。材料等については本文では説明は割愛するので詳細については以下を参照のこと。

辛・無化調ジャンク
これは、店主が個人的に愛好してやまないジャンキーで辛いラーメンだ。家内は中辛、私は激辛でお願いした。





最初に店主から食べ方の指南。辛味の源泉は赤い球状の辛味種で、最初はこれを崩さずにスープ/麺を食べてみて欲しいとのこと。次いで、辛味種を少しずつ崩してスープに溶かし込みながら味の変化を見ながら味わって欲しい由。ご指導通りに実行してみた。そのままの状態でスープを一掬い。鰹・鯖・昆布によるオーソドックスな出汁、ラードの甘味がじわりと美味しい。



麺をノーマルのスープで啜る。岩海苔+もやし+ラードは味噌ラーメンの時と基礎が通底しているが、こちらは醤油ベースですっきりした味わいだ。ここまでは日本的かつ穏当なベースと言えよう。次いで辛味種を少しずつ崩して溶かして行く。辛味の正体は生のプリックキーヌ(プリッキーヌ)。タイの小さな唐辛子でトムヤムクンやガパオの主要食材の一つだ。

辛味種にはプリックキーヌの他に葫、魚粉も入る。特に葫はかなり多く、これがジャンキー要素の一つを形成している。また魚粉が加わることでベースの節系の旨味が補完され更に滋味が増す。前述の通り岩海苔、もやし、ラードが入るが、辛味を纏うとまた別の表情を見せ、風味、食感ともに更に秀逸なのだ。勿論、炙った豚バラチャーシューの美味さは言を俟たない。
ライス ▶ ジャンク雑炊
定番となりつつあるこれだ。


ライスをスタンバイしておいたのは言うまでもない。麺が終わっても辛味、滋味を全て溶かし込んだ絶品スープはかなり残る。これを余してしまうという手はない。やはり最後には雑炊だろう。岩海苔の磯の風味、熱いラードを浴びて旨味が増しているもやし、長葱、そしてプリックキーヌの辛味を含む魚介出汁が北海道産
ゆめぴりかの一粒一粒に浸潤して行く。

麺よりも更にスープへの濡れ性が良好な飯粒だと、却って繊細で滋味深いスープであることが分かるのだ。店主はジャンクと謙遜気味にいうが、実際には和風ベースであって、辛味においては僅かにエスニックに振った方向性と出来ようか。ここにホーリーバジルをほんの僅かに加えればもう少しエキゾチック風味が出て更に良い感じになるかもしれない。

エナジーが漲るけれど、これはよくよく考えられた味なのだ。あー、人間が心底ダメになった・・。
お店データ

自家製麺 SHIN(新)
横浜市神奈川区反町1-3-8電話:045-548-3973
営業:11:30~15:00(夜営業は当面休止)
定休:火曜(祝日でも休業)
最寄:東急東横線 反町4分
※感染症対策の消毒は万全
カウンター席には仕切りあり
今日の一曲

ペライアのショパンの2枚目。ソナタが2つ入っている。ピアノの詩人という異名をとるほどピアノに特化した作家だったが、何故かPソナタは3曲しか書いていない。そのうちの1番は習作として書かれたものゆえ完成度というかショパンらしさは殆ど無く演奏も録音機会も少ない。つまりPソナタとして概して世に露出しているのは2~3番の2つだけ。ショパン同様にピアノ特化型作家であったリストもまたPソナタは僅か1つしか書いておらず(しかも単楽章形式ソナタという型破りな超傑作)これまた意外な事実。
(MusicArena 2010/5/26)