日曜のランチは反町のお馴染のここ。
まずはビール
限定をやるという情報を聞きつけ、気合を入れて行ってきた。
GoToが始まって暫く経ち、また東京発着も解禁になったためか横浜の街や神奈川県内には人の流入が増えているようだ。感染者の数は相変わらず分母の検査数等が併記されていないため明確な評価は出来ないものの、爆発的な増加はない様子。しかしながら漸減傾向にあるという感覚も全く持てない。即ち、一定程度の感染が息長く続いていて予断を許さない状況とできよう。
で、今回の限定は前々回のパタン(以下参照)のカリー版で、我々インドカリー好きとしてはこれはもう食べに行かざるを得ない垂涎の限定だ。
キーマパタン
この日も15食の限定を巡っては激戦だったが、なんとか二人ともありつけた。
まず具材だが写真の下から時計回りに、刻み海苔、チキンキーマ、芽菜(ヤーツァイ)、おろし葫、万能ねぎ、長葱となる。この状態で既にキーマカリーが強いフレーバーを放散している。例によってよく混ぜる。キーマ(挽肉)の塊がばらけて極上のパッツンとした中太麺に絡んでいく。そして一啜り・・。確かにこれは北インドのオーソドックスなカリーである。
しかし、同時に鰹節、醤油系の和のテイストも感じるので完全インドではないし、完全に和でもない。よく蕎麦屋やうどん屋、ラーメン屋にカレー味のメニューがあるが、そうしたS&B赤缶やバーモントカレーのようなジャパニーズ・ホームカレー系列ではない。もちろん、インドやネパール料理店での主食はライスかチャパティ、ナンであり麵類は存在しない。
結論だが、これはまさに禁断の味、めちゃくちゃ旨い。スパイスは店主が独自調合したもので、おそらくは北インドの王道、コリアンダー、クミン、ターメリック、クローブス、そしてカルダモンを主成分としていると思われる。そこに更に希少スパイスが数種といったところだろうか。北インドと和が折衷融合した今までに経験したことのない孤高の風味、味わいなのだ。
追い飯
禁断の第二段。上記写真のように当然に具材が残ったところにほくほく白飯を投下してもらう。
ここではたと気が付く。カリーはナンかライスでいただくが、つまりこれが先に来ていても良かったということ。北インドの重厚なチキンキーマ・カリーとライスの相性が抜群に良いことをここで改めて認識する。レンゲと丼がカチャカチャ言わないようにゆっくりと混ぜる。鰹風味、海苔、葱、そして強い葫が作用し和の風情を残した北インドがそこに現出。幸せだ。
スープ割り
禁断の第三段。ご飯を半量くらい行ったところで温かいスープと出汁醤油を少量投入してもらう。
鰹出汁、醤油の増強によりキーマのエキスがリフレッシュされる。言うならば北インド・フレーバーと和が融合した新機軸の雑炊だ。立ち上るクミンとカルダモンの芳香、鶏肉の甘味と上品な旨味、それを更に包み込む鰹出汁と葱などの和食材は実は相性が非常に良い。これはもう本当に人間がダメになる系の滋味・・。一滴残らずいただき、心底駄目人間になってしまった。
お店データ
自家製麺 SHIN(新)
横浜市神奈川区反町1-3-8電話:045-548-3973
営業:11:30~15:00(夜営業は当面休止)
定休:火曜(祝日でも休業)
最寄:東急東横線 反町4分
※感染症対策の消毒は万全
カウンター席には仕切りあり
今日の一曲
DGからベル・カントと題したイタリア・オペラの名歌曲集で歌うのはメゾ・ソプラノの新星、エリーナ・ガランチャ。ガランチャの歌だが、前回登場のカサロヴァとは大違いで女性的で優美、滑らかにして誇張感のないまろび出る感触。アルバム・タイトルの通りベル・カント唱法によるメゾの典型と言える自然な歌、そして声質がベルベットのように微細な毛羽立ちで、ふんわりと包み込まれるような心地よさ。あっという間の1時間。
(MusicArena 2009/3/23)
今週の珈琲
これまた我が家の準定番的な豆なのだが、今まで取り上げたことはなかった。
ブランドや農場が記されておらず、スタンダードなケニアとしか表記されない普及価格帯の常時在庫する豆だが、ピーベリーが含まれていて割と温厚で旨味成分が強い。ミディアムローストでは柑橘系もしくはベリー系のフレーバーが感じられて美味しい豆だ。濃い煎りにすると苦味が純化されフレーバーは殆ど感じられなくなる。
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