R.Strauss: Don Quixote@Ophélie Gaillard, Julien Masmondet/Czech NSO |

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Richard Strauss:
1. Cello Sonata in F major, Op.6
Allegro con brio
Andante
Allegro
2. Romanze for Cello and Orchestra in F Major, Op.13 Andante cantabile
3. Don Quixote, Op.35
Introduction
Theme. The Knight of the Mournful Countenance
Variation Ⅰ. The adventure of the windmills
Variation Ⅱ. The battle with the sheep
Variation Ⅲ. Sancho's wishes, peculiarities of speech and maxims
Variation Ⅳ. The adventure with the procession of penitents
Variation Ⅴ. Don Quixote's vigil during the summer night
Variation Ⅵ. Dulcinea
Variation Ⅶ. Don Quixote's ride through the air
Variation Ⅷ. The trip on the enchanted boat
Variation Ⅸ. The attack on the mendicant friars
Variation Ⅹ. The duel and return home
Finale. Death of Don Quixote
4. Vier Lieder, Op.27
Ⅳ. Morgen
Ophélie Gaillard (Vc)
Vassilis Varvaresos (Pf) (1,4)
Alexandra Conunova (Vn) (3)
Dov Scheindlin (Va) (3)
Béatrice Uria-Monzon (Mezzo-Sop) 4
Czech National Symphony Orchestra, Julien Masmondet (2,3)
R.シュトラウス: チェロのための作品全集
・チェロ・ソナタ Op.6 ヘ長調*
・ロマンス ヘ長調 Op.13
・ドン・キホーテ(騎士的な性格の一つの主題による幻想的変奏曲)Op.35
・「あした」~4つの歌 Op.27(作曲者によるチェロ、ピアノ*とソプラノ** のための編曲版)より
オフェリー・ガイヤール(チェロ)
ヴァシリス・ヴァルヴァレソス(ピアノ)*
アレクサンドラ・コヌノヴァ(ヴァイオリン)
ドヴ・シェインドリン(ヴィオラ)
ベアトリス・ウリア・モンゾン(メゾ・ソプラノ)**
ジュリアン・マスモンデ指揮、チェコ国立交響楽団
オフェリー・ガイヤールの過去録音
オフェリーの経歴については多く掲載されているので詳述はしない。彼女の過去録音はMusicArenaで今まで何枚か取り上げてきている。彼女はその優れた演奏技巧、アーティスティックな表現技法、極めて幅広いレパートリーでは括目すべき逸材であり、現代における代表的Vcソリストの一人として高く評価している。






VcソナタOp.6
Vcソナタ ヘ長調Op.6はR.シュトラウスが唯一書いたVcとPfのためのソナタである。


ロマンス ヘ長調
前のVcソナタの直後に書かれた作品で、この頃のR.シュトラウスはチェロに傾倒していたらしい。

ドン・キホーテOp.35
ドン・キホーテ(Don Quixote)Op.35は、個人的には異論はあるが分類上は交響詩とされ、その副題は騎士的な性格の一つの主題による幻想的変奏曲(Phantastische Variationen über ein Thema ritterlichen Charakters )となっている。作品の組み立てはセルバンテスの著名な同名の小説=ドン・キホーテから着想を得ており、器楽によるオペラ的な配役がなされるといった異色の作品。

長いので一々は書かないが、音楽としてはウィットが効いた遊び心が、そして形式的には一部にデモーニッシュで聴きにくい非和声が混ざったり苦しそうな変拍子があったりと、必ずしも綺麗な作品とは言えない。ここでのオフェリーの変幻自在ぶりはさすがで、実に旨くて歌心が存分に発揮される。Va、Vnの面々もさすがだし、バックのチェコNSO、率いるジュリアン・マスモンデの精細な配慮と丁寧な描き込みも凄いものがある。ドン・キホーテは延々と繰り返される変奏が単調、途中の演奏がアクロバティックということで今まであまり得意ではなかったが、こういった解釈もありか、と膝を打った。
4つの歌Op.27から、あした

Apartéのプロモーション・ビデオ
録音評
Aparté AP174、通常CD。録音は2017年7月12~15日/チェコ国立交響楽団スタジオ(プラハ)(2,3)、2018年1月22~23、31日/パリ(1,4)とある。オケとアンサンブルとではベニューが異なるが音質は揃っていてどちらもアパルテの典型的な美学が貫かれている。ちょっと霞がかかったような、ヴェールに包まれたような微妙な見通しで、その奥に透徹された澄明な空間が現出する。定位も素晴らしくてほぼほぼピンポイント。オフェリーのゴフリラー(先日、強盗に遭ってオフェリー自身から強奪され、後日、奇跡的に無傷で戻った由)がとてもふくよか、かつ表情豊かに捉えられている。よくよく聴き込むとレンジは割と広くて、オケ・パートでのグランカッサやティンパニなどの極低音の衝撃波もリアルに捕捉されている。実にアーティスティックな一枚。いい音楽をいい音質で聴くことのできる愉悦に浸る。

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