志な乃@関内 |
まずはビール
ここに来るのは実に二年ぶり。
肴二品=素朴の極み
店に着いたのは14:00過ぎで、先客はゼロだった。まずはビールを頼み、肴には板わさ、そして家内の専管事項である卵焼きをオーダー。
大型の蒲鉾は変わった切り方がしてあって他でこういったのは見かけない。卵焼きは形こそ雑な感じで大振りにざっくり仕上がっているが、少し甘めで純朴な良い味だ。醤油を垂らした大根おろしで頂く。昔、田舎で母親が焼いてくれた卵焼きを想起し懐かしかった。
天ざる=豊穣の天ぷら+極太の田舎蕎麦
肴とビールの終わり頃を見計らって天ざるを二枚オーダーする。直後に天汁、蕎麦猪口、徳利に入った蕎麦汁、薬味がサーブされた。薬味は長葱の微塵切り、大根おろし、山葵、おろし生姜、大葉の千切り、擂り胡麻となる。たぶん大根おろしと生姜は天汁に入れる趣向だろうが好みに応じて蕎麦汁に入れても構わないのだろう。なお、摺り胡麻と大葉は蕎麦汁に入れてみた。
天ぷらの種は、大型の海老、人参、茄子、南瓜、ピーマン、輪切りの山芋となる。この海老は非常に大きくて食べ応えがするし、仄かな甘みもあって美味しい。野菜類はどれもが大振りに切ってありこれまた食べ応えする。個々の天ぷらは江戸前の薄衣ではなく、適度の厚みがあって天汁とよく馴染む。天汁は薄味の醤油味ベースだが鰹が効いていて繊細な風味だ。
濃い灰色の蕎麦は太くてざっくりした風合い。たぶん玄蕎麦の挽ぐるみ、それも二八なので木目細かさも具備する。歯応え、喉越しともに野趣に溢れ、蕎麦そのものの味、本来の風味を強く主張してくる。蕎麦汁は割と薄めで透明度があるタイプ。他では濃い目の黒い辛汁で出されることが殆どだが、これくらい薄味だと蕎麦自体の風味をマスクせず良い塩梅だ。
久し振りの志な乃だったが、極太の玄蕎麦挽ぐるみは健在。普段は抜き実の挽ぐるみや更科が多いなか、たまにこういった蕎麦然とした蕎麦が無性に食べたくなるのであった。実に満足。
お店データ
七福 志な乃
横浜市中区住吉町3-31 信和ビル1F
電話:045-681-4055
営業:11:00~15:20、17:00~20:20
定休:日・祝
最寄:JR関内5分、市営BL関内4分、
MM21線 馬車道6分
今日の一曲
Steinway Legends: Polliniの2枚目。ドビュッシー:12の練習曲#11 組み合わされたアルペジオのための。ドビュッシーらしい全音音階を用いた主旋律、和声は美しいのひとこと。また、全編の7割がたを占めるのは微細で複雑なコードを伴うアルペジオによる上昇、または下降スケール。部分的には単純和音、分散和音も入る。この曲は標準速度で5分弱を要し、規模間的には大きめで、エチュードというよりプレリュード的な作品に仕上がっている。ポリーニはやはり少々メカニカルでメタリックな感じ。
(MusicArena 2006/9/25)
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