Aloha Table@大崎 |
今週のメニューボード
台風が去り暑さが戻った関東地方。気持ちよく晴れ上がるまでではないもののまずまずの天候。正午頃になると気温が上昇し、再開発が進んだ目黒川沿いの高層ビル群を吹き抜ける熱を帯びた強風は身にこたえる。旧盆を控えているためか主要な会議、委員会等を繰り上げて開催しており何となく気忙しい。個人的には軽い暑気当りと思われる不調からも徐々に回復ぎみ。
プレミアム・ロコモコ
いつもの定番オーダー。もう鉄板だ。
スパイシーフライドチキン&粗挽きソーセージ
今週のウィークリー・プレートはこれ。
ソースの味は深くて割と複雑系。ベースはよく分からないがマスタード、コンソメ、薄めたグレービーソースあたりだろうか。そこに仄かなカレー風味が加わっている。スパイシーとはカレー粉のことらしい。このカレー粉はインドの単体スパイスを調合したものではなく日本のホームカレー、例えばS&Bの赤缶あたりであり、フェネグリークのほっとする香りが漂う。
複雑で色んな風味が感じられるこのソースは初めて食べる味だ。かりかりに揚がったチキンをカットして断面にこの複雑系ソースを塗りながらいただくととても美味しいのだ。もちろん、付け合わせの小型馬鈴薯はほくほくに煮え、玉葱は半生で歯応えがしゃきしゃきで面白く、粗挽きソーセージのスモーキーな味にもうまくマッチしているのだ。
食材としては特別に変わったものが使用されているわけではない。しかし全体としてよくまとめながら新しい味を引き出すことにも成功している。この味はカレー粉の効能も相俟ってか何となく活力が湧いてきて午後も頑張ろうという気にさせられる。日本人のDNAにはフェネグリークを含むカレー粉に反応する味覚、嗅覚構造が組み込まれているのかもしれない。
お店データ
Aloha Table 大崎 (アロハテーブル)
東京都品川区北品川 5-5-15 大崎ブライトコア1F
電話:050-5589-6494
営業:月~金:11:30~15:00、17:00~23:00
土日祝:11:00~22:00
定休:無休(ブライトコアの都合により休業あり)
最寄:JR、りんかい線 大崎5分
今日の一曲
内田光子のベートーヴェンの最後。この作品の1楽章の動機は突出した特徴的な非和声。だが内田は相変わらずレイショナルで控えめなタッチで始める。そして主題だが、これはとても著名なエモーショナルかつエキセントリックな激しい作風。なお個人的にはこの主題および和声は若い頃に書き溜めたスケッチから再構成したものではないかと疑っている。個人的にはもっと激しく弾いても良いと思うのだが、やはり内田はずっと内省的だ。
(MusicArena 2006/7/27)
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