かぐら@桜木町 |
日曜も猛暑。というか毎日猛暑だった。そのあと台風が来襲してちょっとだけ涼しくなり立秋を迎えたのだが、また暑くなってきた。
ぴおシティの地下二階にある鮨屋
この日はとても暑いなかをみなとみらい方面へ買物、及び所用で出掛けた。桜木町もしくはみなとみらい駅のまわりでは、開発が進んだ海側のMM21地区、あるいは山側の歴史ある桜木町や野毛、紅葉坂から掃部山あたりは横浜の風情が特徴的に体感できるモデル的なエリア。更には高台にある野毛動物園あたりまで足を延ばすなど、漫ろ(そぞろ)歩きするには好適な、しかも風光明媚な場所なのだ。しかし、こうも暑いと活動意欲も殆ど失せてしまうのだ。桜木町駅から野毛、更には日ノ出町に連なる一帯は横浜の居酒屋文化が結集した一大歓楽街だが、その門前に立ちはだかる格好なのがここぴおシティの地下二階だ。
なお、ぴおシティの成り立ちははまれぽに詳しい。この地下二階は、昭和の風情が色濃く残る立ち飲み、せんべろ、昼呑みの聖地とされ、コアでディープな一角として地元では有名。昨今は在京テレビ局が何度も取り上げたせいか人も多い気がする。ここかぐらは、そんな中にあって有名かつ唯一の鮨屋で、日本酒の取り揃え品目もこの界隈ナンバーワンとの誉れ高い名店。
この店の様子もはまれぽに詳しく掲載されている。とにかく日本酒の取り揃えが半端ない。写真が一部ピンボケで申し訳ないが、この店の片側の壁面が全てコールドケースであり、全部で150銘柄以上を冷やしているという。中には日本各地の地酒の一升瓶がぎっしり詰まって冷やされている。私の愛する富山のマイナーな美味な地酒も何種類かあって驚いた。
まずは生ビール
無論、日本酒も魅力だがやはり我々としては最初は生ビールだ。普通はビールメーカー提供のガラス製ジョッキで出るが、この店の場合は別注の磁器製ビアマグ、いや取っ手が付いているので磁器製ジョッキというべきか、こういう独特の形態でサーブされる。この磁器製ジョッキはそれなりの比熱があるようで、生ビールがなかなか暖まらなくて具合が良いのだ。
酒肴 三品
ビールのお供はこれらだ。
まずは一番小さな刺身盛合せをオーダー。我々もそろそろ還暦が近くてそうそう沢山は食べられない。さりとて色んなものを食べてみたい、ということでこれ。値段が安いが鮮度・内容的には北陸の魚介類に負けておらず、これがなかなか美味しいのだ。鯖も勘八もマグロの赤身も、そして烏賊、蛸、帆立も美味しい。ここは鮨屋と言うよりも鮨も出せる居酒屋なのだ。
巻き物
ここでメニューを眺めていた家内が、意外なことにこれを試してみたいという。
握り
この店は高級鮨店ではないが、ここまでのところかなり行けている美味しい店だ。
そして握りに関しては色んなネタがある中で、定番商品については卓上の注文票の当該ネタの右側の欄に赤ペンで注文する数量=つまり貫数=を記載して手渡せば握ってくれるという簡易なシステム。ここまででかなり満腹だったので二人とも食べたいものだけを厳選して注文票上にてチェックし店舗係に手渡す。程なくしてサーブされたのがこちら。
どの握りもしっかりとした俵型のシャリに中くらいに切られたネタがぴったりと貼りついた秀逸なもの。ネタの鮮度も下拵えも申し分ない。店舗の見た目は居酒屋風だが、実は、やはりここは正真正銘の鮨屋なのだ。これは満足、しかも良心的な価格設定だ。
まとめ
この店は桜木町の歴史あるコアなビルの地下街の一角にあり、そして風情としては日本酒居酒屋だ。だが鮨屋を名乗っているだけあって魚料理の出来映えは秀逸で、神髄とする握り鮨のクォリティもさすがに高い。ここもまた人には教えたくない、呑兵衛の聖地にあって美味しい一級の鮨屋なのであった。是非とも再訪したくなった、美味しい、そして気持ちの良い店であった。
お店データ
寿司処 かぐら
横浜市中区桜木町1-1 ぴおシティ B2F
電話:045-212-2188
営業:月~土:11:00~15:00(LO:14:45)、
17:00~23:00(LO:22:30)
日・祝:11:00~22:00(LO:21:30)
定休:無休
最寄:JR桜木町2分、市営BL桜木町1分(駅構内)
今日の一曲
内田光子のベートーヴェンの最後。この作品の1楽章の動機は突出した特徴的な非和声。だが内田は相変わらずレイショナルで控えめなタッチで始める。そして主題だが、これはとても著名なエモーショナルかつエキセントリックな激しい作風。なお個人的にはこの主題および和声は若い頃に書き溜めたスケッチから再構成したものではないかと疑っている。個人的にはもっと激しく弾いても良いと思うのだが、やはり内田はずっと内省的だ。
(MusicArena 2006/7/27)
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