小嶋屋@三吉橋 |
まずは生ビール
店に着いたときは繁忙時間帯を過ぎていたが、なんと満席で待ち椅子に座って暫しウェイティングとなった。人気は更に高まるばかりで、このところこういった状況が続く。暑い中を歩いてきたので無論、生ビールを注文するも厨房は多忙を極めているようでなかなか出てこなかった。そして蕎麦前を頼もうとするのだが注文取りに来てくれない。
肴三種
春だからこその旬の野菜を使った茗荷の梅和えと菜の花の辛子和え、そして定番の厚焼き玉子を頼んだ。
生の茗荷は土の匂いが強いはずだが、これは下処理が施され、梅肉と削り節で和えてあるためか灰汁が取れており食べやすいし、しゃきしゃきして瑞々しい。菜の花はまさに春の息吹を感じる青臭さと少々の苦みが何とも言えないフレッシュさで、和芥子のつんとした辛味とも実に合う。厚焼き玉子は安定と信頼のいつもの品質であり申し分ない。
鴨せいろ
家内のオーダー品が到着。
天もり
少しだけ遅れて私のオーダー品が到着。
この天ぷらは一級品だ。衣が薄めで、かつ極めて硬めでからりと揚がり表面がしっかりとしている。半面、中の種はそれほどの高温には晒されておらず、さりとて熱は完全に通っているためにふっくらと蒸したような状態で仕上がっていて、水分が温存されているがために素材本来の風味と食感を楽しむことができるのだ。揚げの技術は重要だ。
抜き実の挽ぐるみにした小嶋屋の蕎麦は従前どおりの秀逸さ。香りが良くてちょっと芯を残したしっかりした茹で上りはさすがだ。ちょっと不揃いなざっくりとした切り口は蕎麦汁をしっかりとグリップして啜り心地も良好。きりっとした辛めの汁は必要以上の甘さを排除しており、この端麗で繊細な蕎麦によく合うのだ。また、天汁と蕎麦汁が独立しているのも細かな配慮。
最後、かなり濃い目で芳香を発する蕎麦湯で最後を締めくくった。非常に満足の行く名店の蕎麦を堪能した。
お店データ
三吉橋 小嶋屋
横浜市南区中村町3-188-9
電話:045-261-0391
営業:11:30~15:30、17:00~20:00
定休:月曜
最寄:市営BL阪東橋8分、伊勢佐木長者町11分
京急黄金町13分
今日の一曲
このブラームスのピアノ四重奏1番は、いま聴いても鳥肌が立つほどドキドキする素晴らしくも情感の入った凄い演奏だ。この四人のソリスト、即ちアルゲリッチ、クレーメル、バシュメット、マイスキーがテルデックスに参集し、大した練習もせずに殆どぶっつけで録ったとは思われない出来栄え。ブラームスの暗鬱な内なるメンタリティが克明に描かれた名録音だ。
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