中華蕎麦 時雨@関内 |
まずは生ビール、そしてメインディッシュ
この日の目当ては二人とも決まっていた。つけ麺の青唐辛子酸辛雉つけそばだ。なぜこれを狙ったかだが、実は明確な理由があって我々夫婦は辛くて酸っぱいものをこよなく愛するからだ。と、大した理由にはなっておらず失礼・・。とにかくこの日は暑く、ちょっと歩くだけで汗が噴き出す。店に着いた時点ではつけ麺よりは冷たいもの。そして程なくこれが到着。
このつけ麺は癖になる味、風味だ
オーダーは勿論青唐辛子酸辛雉つけそば。なお撮影しなかったが店舗内は変化した。従前は配膳台に使っていた入口前の二人掛け食卓を客を座らせられるテーブル席にして、我々はそこへ案内された。以前ここを配膳台として使っていた頃の皿やら食器、箸やらレンゲは新たに金属ラックを導入しコンパクトに収納し配膳している。店主の奥さんの功績と思料する。
きりりと〆た麺は従前どおり別製小麦を自家製麺したもので野趣あふれる小麦の香りが立ち、それが硬茹でで提供。一方、目当てだった青唐辛子の漬け汁だが、これがなかなかの趣を色濃く出していて非常に旨いのだ。酸味は強いが同時に深みもあって、単に刺激的なだけでない。そして、この辛味の正体は丼の中央に潜む刻んだ青唐辛子であり、それは謳い文句通り。
表面には乾燥赤唐辛子の輪切りが浮かぶが生の青唐辛子は浮力がなくてスープの底に沈降する格好。乾燥させた赤い唐辛子、黒胡椒のようなもの、そして、見た目からは明らかでないが京都・原了郭に似た黒七味、即ち乾燥させた山椒粉末が鼻につく。これらの薬味が何ともいえない風情を醸していて上品なくせに、なぜかベースのスープが雄弁に語りかけてくる。
例によって九条葱の削ぎ切りが多量に浮かんだスープに硬茹でのぱっつんとした麺をちょっとだけ沈めて一気に啜る。家内はここで強く咽てしまったが、私は余りの旨さに感嘆し、思わず無口になって咀嚼を続けてしまった。大丈夫? との気遣いのひとことも忘れ次の一掬いへ。涙を堪えた家内がこちらをじっと見る。大丈夫?と言葉を発したが時すでに遅し。
咽かえった家内はその後リカバリーして無心にこの辛い麺を啜る。スープの底には削ぎ切りしたチャーシュー、こりこりとした上等なメンマなどが潜んでいる。酸味も辛味も強いのだが、スープのベースがしっかり・ゆっくり煮出したほろほろ鳥であるためか滋味が強く、かつ骨格ががっしりしていて最後まで飽きるどころか、一掬いごとに新しい滋味を発見するのだ。
最後にスープ割をしてもらう。説明によると材料は秋刀魚・いりこ。塩分は少々多めだったが旨くて飲み干した。
このつけ麺は硬派で地味だが、私のストライクゾーンのど真ん中を射抜く強烈な一杯となった。病みつきになってしまうのでこの店とはちょっと距離を置かねばならない。というのは嘘だ。
お店データ
中華蕎麦 時雨
横浜市中区不老町2-10-5 三陣ビル1F
電話:045-264-4809
営業:平日:11:00〜14:00、18:00〜21:00
土曜:11:00〜14:00
(スープ売り切れ次第終了)
定休:日曜
最寄:JR関内 4分、市営BL 伊勢佐木長者町 3分
1日1回、ここをポチっとクリック ! お願いします。
♪ よい音楽を聴きましょう ♫