日曜の横浜は朝こそ晴れたものの、午後からは大気が安定せず大雨が降ったりと散々な空だった。そんななか元町へ。

大雨は上がったが、狐の嫁入りで快晴下に小ぬか雨が降りしきるなか、まつむらへ駆け込む。ここで蕎麦を頂くのは久し振り。まずは暑かったので生ビール。本日の変わりそば=十割そばの中身を聞いたら付合せが一切ない純粋なせいろ蕎麦という。それならばと、天ぷらの盛り合わせを一つ、十割そばを二人前頼んだ。生ビールはすぐにサーブ。突出しは南瓜のマヨネーズ和え。黒胡椒がかかっていて美味。

奥で天ぷらを揚げる音がする。待つこと暫し、揚げたての天ぷらが到着。かりっとした衣の中身はほくほくで、実に美味しい。種は多彩で大葉、人参、南瓜、茄子、椎茸、しめじ、獅子唐、烏賊、海老など。ビールのあてには好適だが、蕎麦にも残しておきたいと思った矢先、十割そばがタイミングよくサーブされる。割と太めにざっくりと切られた蕎麦だ。







蕎麦は十割というが脆くはなくてしっかりと繋がっており、秀逸な打ち上がり。香りが良く、僅かに粒度は感じられるけれども概ね滑らかな喉越しで美味しい。汁は辛くはないが甘汁とも言えない中庸の設定で、これまたじっくりと下拵えしたかえしを使っていて繊細な味だ。ここに十割そばをちょちょいと漬けて啜ると田舎蕎麦風の風味が鼻に抜けて爽やかである。


この界隈では石川町駅から近いせいもあり木の芽をよく利用するが、まつむらもまた秀逸な蕎麦屋だ。なお、この店は元町から石川町に移転して久しく、実際には汐汲坂には所在しないのに屋号「汐汲坂 まつむら」を名乗って来た。その紛らわしさを解消するため「汐汲坂」の代わりに「手打そば」を冠することにしたのだそうだ。個人的には汐汲坂は好きだったが。
ゆったりと美味しい蕎麦を頂いた日曜の午後だった。チェーンの安価でそこそこといった店が増え、こういった本物の蕎麦を出す店が伸び悩む昨今、まつむらには頑張って欲しいと思うのである。

手打そば まつむら
横浜市中区石川町1-17
電話: 045-662-4613
営業: 平日:12:00~15:00、18:00~23:00
土日祝:12:00~22:00
※蕎麦が完売次第閉店
定休: 月曜
最寄: JR石川町3分、
みなとみらい線 元町・中華街9分
公式Facebook

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