CHIKI CHIKI & TAN TAN@吉田町 |
この日は、A=ヤリイカと揚げカリフラワーのバーニャカウダースパゲッティ、B=シュリンプとズッキーニの海老の旨味を効かせたトマトクリームソーススパゲッティ。家内はAを、私はBをオーダー。これをパスタランチコースのセットとする。セットにはオードブルとドルチェ、ドリンクが付く。食後のドリンクは良しとして、まずは生ビールだ。
オードブルは、小海老と白インゲンのマリネ風、それとイベリコ豚の自家製生ハムにジュノベーゼ的な緑のソースを添えたもの。白インゲンはもっちり、こりっとして優しい風味で、海老の香しい磯の香りがなぜか合うし、塩分控えめだけれどもオイルの旨味が存分に沁み渡って良い塩梅だ。生ハムは厚手で大振りな一枚で、塩分は濃い目だが深い味わい。
この種のあっと驚くようなチャレンジングなパスタは他ではなかなか出ない。バーニャカウダーのソースは、普通はアンチョビを主体に色んな材料を混合して独自性を出した味に仕立てるが、これはピュアなアンチョビ以外の混ぜ物は殆どなくストレートな塩味で頂く趣向。そして小型の烏賊が柔らかくて磯のフレーバーがたまらない。人に教えたくない味だ。
この赤い色のソースはアルデンテの中細パスタと良く合う。ぷにっとした生スパでも頂いてみたいところだが潔く硬い乾麺の方が合うのかもしれない。ここにちょっと苦くて青臭いズッキーニが入り、心憎い演出となっている。勿論だが、中型のボイルした海老の剥き身がごろごろと多量に入っており、旨味という点においては完成度が非常に高いパスタだ。
デザートが括目だった。説明を聞いたがうろ覚えで、確かオレンジタルトの夏蜜柑ジュレ添え、と言っていた気がする。タルトは焼き菓子との意味だが、これはグラスに注がれたゼリー状のデザートだった。ゼラチンを入れて冷して固めたように思われたが、実は蒸し固めたものかもしれない。そこにほろ苦いジュレが添えられていて大人の味だった。
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