2016年 05月 02日
Ravel: Daphnis et Chloé@Valery Gergiev/LSO |
昨冬のLSOライブのリリースで、ゲルギエフのダフクロ。なお、本日5月2日はゲルギエフの63歳の誕生日だ。偶然だが。実はこの録音は2009年に好評を博したゲルのラヴェル初指揮のSACDハイブリット再発で、ボレロのDVDを新たに同梱したバージョンとなる。

http://tower.jp/item/4070938/
Ravel:
Daphnis et Chloé
Pavane pour une infante défunte
Boléro
London Symphony Orchestra, Valery Gergiev
London Symphony Chorus
DVD extra: Boléro
ラヴェル:
・バレエ「ダフニスとクロエ」(全曲)*
・亡き王女のためのパヴァーヌ
・ボレロ
(ボーナスDVD(PAL))
ラヴェル:ボレロ(全曲)
ロンドン交響楽団
ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
ロンドン・シンフォニー・コーラス*
2009年の録音は買いそびれていて、たまたま再発されたので買ってみて、暫く聴けずに積んでいた。あまり期待もせずに針を降ろしたが、これがなかなかの出来栄えで驚いた。もともとダフクロはバレエ音楽なのでゲルは今まで演奏経験はいくらでもあると思っていたが、意外なことにこの2009年バービカンが初演奏とのこと。ダフクロだが、これが非常に構図が大きくて深淵、そしてめりはりが効いたヴィヴィッドな演奏だ。LSOはそれほど俊敏な反応を見せる楽団ではないが、ことこのダフクロはまるで別。CSOかSFSOかと思うほどのクイックレスポンスに驚く。それくらいゲルのタクトは鋭くて、尚且つ急峻な展開を要求しているということなんだろう。ゲルLSOは7~8年前のマーラー・チクルスで一つの金字塔を築いたが、なんだかあの頃の熱いモチベーションと青白い炎のようなエナジーを思い出した。ダフクロに関してはチョン・ミュンフン/サンタ・チェチーリアを一応のスタンダードとしてきたが、ソリッドで鋭敏なダフクロの新しいスタンダードとしてこの盤を聴いていくことにしたい。
演奏だが、LSOは所詮LSOで、ブラス・セクションが下手だ。特にHrは相変わらずの駄目さ加減で、これは聴かせ所を殆ど外しているし、Tbもそんなに上手くなくてどきどきさせられる。反面、パーカッションは数年前に比べて相当進化し、アインザッツがことごとく合っていてCSOの鉄壁のリズム隊かと見紛うほどだ。それ以外はLSOの通常の安心のクォリティである。ないものねだりかもしれないが、やはりバレエ音楽であるならば、ゲル/マリインスキー劇場で一度ダフクロを聴いてみたいものだが、ま、LSOでも悪くはない。
ブラスの駄目さ加減は亡き王女のためのパヴァーヌの冒頭主旋律を聴けばもう絶望で耳を塞ぐかストップ・ボタンを押してしまいたいほどで、これはもうどうしようもない下手さだ。ボレロは凡庸で、相変わらずブラスが駄目だが弦楽隊は綺麗に揃っていて音色も綺麗。
ボレロのPAL方式DVDはSACDハイブリッドよりは良い出来である。例によってゲルが爪楊枝を神経質そうに振り始めるところから映像がスタート。どういったわけか、SACDでは失敗気味のTbが、DVDで顔が出ることもあってか必死の形相で音程とリズムを保ち、何とか難所をやり過ごすことに成功している。という具合に全般的にブラスの失敗は目立たず、ことDVDだけは演奏も音も良くて満足いく結果。これはオフ会などの余興には持って来いのプログラムではなかろうか。
(録音評)
LSO Live LSO0696、SACDハイブリッド+ボーナスDVD(PAL)。録音はダフクロ:2009年9月20&24日、パヴァーヌ:2009年12月13&18日、ボレロ:2009年12月13日(SACD)&18日(DVD)、場所はいずれもロンドン・バービカンホール。例によってプロデューサー:ジェイムズ・マリンソン、エンジニア:ニール・ハッチンソン&ジョナサン・ストークスというクラシック・サウンド・リミテッドの面々。音質はかなり良くて音場空間の広がりも深さも文句なし。そしてグランカッサやティンパニが発する衝撃波がリアルタイムに吹き荒れる臨場感は凄まじい。但し、低域はDSD録音に見られるようなだぶ付きはなくて締まった筋肉質のレスポンスは好印象。つまり、これはハイビット・ハイサンプリングのLPCM録音であろうことは容易に想像がつく。
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http://tower.jp/item/4070938/
Ravel:
Daphnis et Chloé
Pavane pour une infante défunte
Boléro
London Symphony Orchestra, Valery Gergiev
London Symphony Chorus
DVD extra: Boléro
ラヴェル:
・バレエ「ダフニスとクロエ」(全曲)*
・亡き王女のためのパヴァーヌ
・ボレロ
(ボーナスDVD(PAL))
ラヴェル:ボレロ(全曲)
ロンドン交響楽団
ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
ロンドン・シンフォニー・コーラス*
2009年の録音は買いそびれていて、たまたま再発されたので買ってみて、暫く聴けずに積んでいた。あまり期待もせずに針を降ろしたが、これがなかなかの出来栄えで驚いた。もともとダフクロはバレエ音楽なのでゲルは今まで演奏経験はいくらでもあると思っていたが、意外なことにこの2009年バービカンが初演奏とのこと。ダフクロだが、これが非常に構図が大きくて深淵、そしてめりはりが効いたヴィヴィッドな演奏だ。LSOはそれほど俊敏な反応を見せる楽団ではないが、ことこのダフクロはまるで別。CSOかSFSOかと思うほどのクイックレスポンスに驚く。それくらいゲルのタクトは鋭くて、尚且つ急峻な展開を要求しているということなんだろう。ゲルLSOは7~8年前のマーラー・チクルスで一つの金字塔を築いたが、なんだかあの頃の熱いモチベーションと青白い炎のようなエナジーを思い出した。ダフクロに関してはチョン・ミュンフン/サンタ・チェチーリアを一応のスタンダードとしてきたが、ソリッドで鋭敏なダフクロの新しいスタンダードとしてこの盤を聴いていくことにしたい。
演奏だが、LSOは所詮LSOで、ブラス・セクションが下手だ。特にHrは相変わらずの駄目さ加減で、これは聴かせ所を殆ど外しているし、Tbもそんなに上手くなくてどきどきさせられる。反面、パーカッションは数年前に比べて相当進化し、アインザッツがことごとく合っていてCSOの鉄壁のリズム隊かと見紛うほどだ。それ以外はLSOの通常の安心のクォリティである。ないものねだりかもしれないが、やはりバレエ音楽であるならば、ゲル/マリインスキー劇場で一度ダフクロを聴いてみたいものだが、ま、LSOでも悪くはない。
ブラスの駄目さ加減は亡き王女のためのパヴァーヌの冒頭主旋律を聴けばもう絶望で耳を塞ぐかストップ・ボタンを押してしまいたいほどで、これはもうどうしようもない下手さだ。ボレロは凡庸で、相変わらずブラスが駄目だが弦楽隊は綺麗に揃っていて音色も綺麗。
ボレロのPAL方式DVDはSACDハイブリッドよりは良い出来である。例によってゲルが爪楊枝を神経質そうに振り始めるところから映像がスタート。どういったわけか、SACDでは失敗気味のTbが、DVDで顔が出ることもあってか必死の形相で音程とリズムを保ち、何とか難所をやり過ごすことに成功している。という具合に全般的にブラスの失敗は目立たず、ことDVDだけは演奏も音も良くて満足いく結果。これはオフ会などの余興には持って来いのプログラムではなかろうか。
(録音評)
LSO Live LSO0696、SACDハイブリッド+ボーナスDVD(PAL)。録音はダフクロ:2009年9月20&24日、パヴァーヌ:2009年12月13&18日、ボレロ:2009年12月13日(SACD)&18日(DVD)、場所はいずれもロンドン・バービカンホール。例によってプロデューサー:ジェイムズ・マリンソン、エンジニア:ニール・ハッチンソン&ジョナサン・ストークスというクラシック・サウンド・リミテッドの面々。音質はかなり良くて音場空間の広がりも深さも文句なし。そしてグランカッサやティンパニが発する衝撃波がリアルタイムに吹き荒れる臨場感は凄まじい。但し、低域はDSD録音に見られるようなだぶ付きはなくて締まった筋肉質のレスポンスは好印象。つまり、これはハイビット・ハイサンプリングのLPCM録音であろうことは容易に想像がつく。

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by primex64
| 2016-05-02 18:57
| Orchestral
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