My Armenia: Khachaturian: Sabre Dance Etc@Sergey & Lusine Khachatryan |
http://tower.jp/item/4015571/
My Armenia
Dedicated to the 100th Commemoration of the Armenian Genocide
Komitas Vardapet:
Krunk
Tsirani Tsar (The Apricot tree)
Seven Folk Dances (for piano solo)
Manushaki
Yerangi
Unabi
Marali
Shushiki
Het u Aradj (Back and Forth)
Shoror
Garun-a (It is spring) for solo piano
Eduard Bagdasarian:
Rhapsody
Nocturne in A Major
Edvard Mirzoyan:
Introduction & Perpetuum mobile
Aram Khachaturian:
Poem-Song
Two dances from ballet Gayaneh
Usundara
Sabre Dance
Arno Babadjanian:
Six Pictures for piano solo
Improvisation
Folk Dance
Toccatina
Intermezzo
Choral
Sassoun Dance
Sergey Khachatryan (Vn) & Lusine Khachatryan (Pf)
わがアルメニア
(1)コミタス:鶴/あんずの木/7つの民族舞曲(ピアノ独奏)/春が来た(ピアノ独奏)
(2)バグダサリヤン:ラプソディ/夜想曲
(3)ミルゾニヤン:序奏と無窮動
(4)ハチャトゥリアン:詩曲/バレエ音楽「ガイーヌ」~剣の舞(ハイフェッツ編)/ウズンダラ
(フィフテンホルツ編)
(5)ババジャニヤン:6 つの絵(ピアノ独奏)
セルゲイ・ハチャトリヤン(Vn)、ルシーネ・ハチャトリヤン(Pf)
このアルバムは、副題に「100th Commemoration of the Armenian Genocide」とある通り、2015年にオスマン帝国によるアルメニア人大虐殺から100年を迎えたことを機に企画され、捧げられたもの。冒頭のコミタス・ヴァルダペット(1869年9月26日~1935年10月22日)は、アルメニア司祭、音楽学者、作曲、編曲、歌手、そして聖歌隊指揮者であった。アルメニア民族音楽学の先駆者の一人として広く認識されている人物だ。
アルメニア人大虐殺においては、彼を始めとした何百人もの知識人がオスマン帝国の軍隊により不当拘束され、1915年4月、捕虜収容所に一斉に強制収容された。コミタスは不明瞭な状況下でなぜか解放されたが、この時に受けた虐待その他の打撃により精神的な崩壊を来たし、深刻な心的外傷後ストレス障害(PTSD)に罹患した。当時のコンスタンティノープルの悲惨で苛烈な状況、そして後に彼が知ることとなった多数のアルメニア人が貶められた「死の大行進」、大虐殺の様子により、彼は脆弱な精神状態を更に悪化させた。1919年までトルコ軍の病院に入れられた。その後パリの精神病院に移送され、人生の最後をそこで過ごした。コミタスはこのアルメニア人大虐殺の殉教者と見なされ、主要なシンボルの一人として扱われている。
なんとも言えない憂愁に満ちた音楽たちだ。民族色豊かな、しかしどことなく影が付きまとう作家たちを聴くのは勿論、初めて(ただし、アルム・ハチャトゥリアンを除く)。色々と感想は書けるが、文字にしてもあまり伝わらないので以下に輸入元のテキストを引用しておく。
セルゲイ&ルシーネ・ハチャトリャン姉弟の新盤は、彼らの故郷アルメニア作品集。ドイツに長く住みながら、強い郷土愛を持つハチャトリャン姉弟は、かねてからこのアルバム実現を強く希望していました。
トルコとイランと国境を接するコーカサス地方のアルメニアは、古い文化と独自の文明を持ち、イスラム諸国の中にありながら最古のキリスト教国で、音楽も濃厚な感情に満ちた東方色が魅力です。
アルメニアを代表する作曲家といえばアラム・ハチャトゥリヤン。もちろんトレードマークの「剣の舞」もハイフェッツ編曲で収録。このリズム、歌い回しはまさにアルメニア人独特のもので、この一曲だけで持っていたくなります。また最初期1929年の「詩曲」はまさにアルメニアの民族音楽そのもので、セルゲイの入魂ぶりがビリビリ伝わってきます。
他の収録曲も魅力的。「アルメニア音楽の父」として尊敬されるコミタスの美しい歌をヴァイオリンで披露。また彼のピアノ曲「7つの民族舞曲」を姉ルシーネが独奏。彼女は現代アルメニアを代表するババジャニヤンの「6つの絵」も独奏しています。
ソ連時代からアルメニア音楽はアルメニア人しか演奏できないと言われてきましたが、セルゲイ&ルシーネ・ハチャトリヤン姉弟の演奏で聴くと、深くうなづけます。超オススメ。
キングインターナショナル
つまり、ここに書いてある通りであり、セルゲイ&ルシーネ・ハチャトリヤン姉弟の渾身の演奏が詰め込まれた濃密かつ親密な、異国情緒溢れるアーティスティックな録音に仕上がっている。
過去にアルメニア民族のうえに起きた忌まわしく陰惨な出来事は100年経った今でも忘れ去られることなく脈々と語り継がれている。そういったことに思いを巡らしながら聴き終えると、後には重苦しい何かが残るのと同時に、未来に向けて毅然と勇気を奮い立たせようとの強い意志力も感じられる。なお、姉弟の演奏は巧いの一言に尽きる。これ以上言葉は弄しないので、あとは実際に聴いて判断して欲しいと思う。
(録音評)
Naïve V5414、通常CD。録音は2014年8月、バーゼル国営カジノとある。録音システム:KALISON、マイク:Neumann M149, DPA 4003, DPA 4052、ADコンバータ:DAD AX24、録音・編集:Pyramixとある。音質だが、微粒子が稠密に詰まった超高解像度録音である。定位はVnがセンターの少し後ろ、Pfはセンターよりちょっと左の奥手に位置し、澄明で漆黒の音場空間が前後左右に広がっている。特にPfの音色の美しさは別格でナイーヴ独特の僅かなフレーバーを纏っていて実にノーブルで美しい。
1日1回、ここをポチっとクリック ! お願いします。
♪ よい音楽を聴きましょう ♫