A.Scarlatti: Con eco d'amore@E.Watts, English Concert |
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Alessandro Scarlatti: Con eco d'amore
Figlio! Tiranno! (from La Griselda)
Se geloso è il mio core (from Endimione e Cintia)
Nacque, col Gran Messia (from Non so qual piu)
A questo nuovo affanno (from L'Eraclea)
Mentre io godo in dolce oblio (from La Santissima Vergine)
Ombre opache
Qui dove … Torbido irato e nero
Con voce festiva
O vane speme! ... Cara tomba del mio diletto (from Il Mitridate Eupatore)
Sussurrando il venticello (from Tigrane)
Ergiti, Amor, su i vanni (from Scipione nelle Spagne)
Esci ommai (from Il Mitridate Eupatore)
Dolce stimolo al tuo bel cor (from Il Mitridate Eupatore)
D’amor l’accesa face (from Venere, Amore e Ragione)
Io non son di quei campioni (from La Statira)
A battaglia, pensieri
Elizabeth Watts (Sop)
Mark Bennett (Tp), Huw Daniel (Vn) & Laurence Cummings (continuo, dir)
The English Concert
アレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725):
1.アリア「Figlio! Tiranno! O Dio!」
~オペラ「グリゼルダ」(1721)より
2.アリア「私の心は嫉妬に燃え(Se geloso e il mio core)」*
~セレナータ「Endimione e Cintia」(1705)より
3.アリア・パストラーレ「彼はお生まれになった」
~カンタータ「Non so qual piu m’ ingombra」(1716)より
4.この新しい問題に(A questo nuovo affanno)
~オペラ「Eraclea」(1700)より
5.私が楽しんでいる間に(Mentr’ io godo)
~オラトリオ「La Santissima Vergine del Rosario」(1707)より
6.くすんだ影(Ombre opache)
~カンタータ「Correa nel seno amato」(1690)より
7.レチタティーヴォ「メランコリーな鳥が歌うところで(Qui, dove … Torbido, irato)」&
8.アリア「Torbido, irato, e nero」
~セレナータ「エルミニア」(1723)より
9.アリア「祝いの声で」*
~アリア集「7 Arie con tromba sola」(1703-08)より
10.レチタティーヴォ「O vane speme!」
~アリア「Cara tomba del mio diletto」
~オペラ「Mitridate Eupatore」(1706)より
11.アリア「Sussurrando il venticello」
~オペラ「Tigrane」(1715)より
12.アリア「キューピッドよ、翼をあげよErgiti, Amor, su i vanni」
~オペラ「Scipione nelle Spagne」(1714)より
13.アリア「Esci omai」**、アリア「Dolce stimolo al tuo bel cor」
~オペラ「Mitridate Eupatore」(1706)より
15.アリア「D’ amor l’ accesa face」より
~セレナータ「Venere, Amore e Ragione」(1706)より
16.アリア「Io non son di quei campioni」
~オペラ「La Statira」(1690)より
17.シンフォニア、アリア「戦いにA battaglia」*
~カンタータ「A battaglia, pensieri」(1699)
エリザベス・ワッツ(ソプラノ)
イングリッシュ・コンサート、ローレンス・カミングス(指揮&通奏低音)
*マーク・ベネット(トランペット) **ヒュー・ダニエル(ヴァイオリン)
当代で最も美しい声を持つ英国人の一人と称されるエリザベス・ワッツは、非常に輝かしい才能と共に自身の立ち位置を確立してきた。ノーリッチ聖堂の聖歌隊員として訓練した後、エリザベスはロンドンの王立音楽大学に通う前にはシェフィールド大学で考古学を学んでいた。
彼女は多くのアワードを受賞しており、2006年キャスリーン・フェリア賞(英国)、カンヌMIDEMクラシック・アワードで2007年の優秀若手アーティスト賞、ローゼンブラット・リサイタルの歌唱賞、2007年BBCカーディフ・シンガー世界大会などなど。2011年には最も権威ある若手演奏家養成基金であるボルレッティ・ブイトーニ財団のアワードを受賞し、この時の録音も財団によりサポートされた。シューベルト歌曲集が彼女のデビュー録音であり、これは絶賛の嵐、続くバッハのカンタータ集(ハルモニアムンディUSA)も同様に絶賛され、その後、Rシュトラウス歌曲集、エンシェント室内管弦楽団とのバッハ・マタイ受難曲の録音と続いてきた。かたや、ロマン派ではPENTATONEのマルク・アルブレヒト/オランダPOのマーラー4番にも登場し圧巻の独唱を披露している。
ピアノをやっていた人にとってはスカルラッティの名はポピュラーだ。しかし、それはドメニコ・スカルラッティのことであり、このアルバムに収録されているのはその父親であるアレッサンドロ・スカルラッティが書いたカンタータやオラトリオ、オペラより抜粋したアリア集だ。アレッサンドロの作品は演奏機会も録音機会も少なく珍しい。ここでは秀逸なピリオド器楽アンサンブルとして名を馳せるローレンス・カミングス率いるイングリッシュ・コンサートと共演している。なおエリザベスは現在、ハルモニア・ムンディでルーシー・クロウ、ラ・ヌオヴァ・ムジカとクープランのルソン・ド・テネブルを録音中とのこと。
アレッサンドロの音楽は初期バロック、あるいはロココ調のクラシカルなもので驚くほどの仕掛けが待っているわけではないがシンプルで明快な旋律、衒いのない溌剌とした愉しい和声が特徴。アリア「私の心は嫉妬に燃え(Se geloso e il mio core)」~セレナータ「Endimione e Cintia」はアップテンポな元気な曲でエリザベスとマーク・ベネットのTpが掛け合いを展開。エリザベスのソプラノは殆ど歪がなくてTpと完全3度の隔たりをずっと保って進行し、終始驚異的なシンクロを示す。最後に入っているシンフォニア、アリア「戦いにA battaglia」~カンタータ「A battaglia, pensieri」は更に驚異的なTpとのバトルになっていてこれはもうこの世の人の声とは思われない。
また、アリア「Esci omai」、アリア「Dolce stimolo al tuo bel cor」~オペラ「Mitridate Eupatore」では、ヒュー・ダニエルのVnと対位法を形成する掛け合いを展開、上下に激しく遷移する旋律を声帯でトレースし切るのはかなり困難と思われるが、Vnによる内声部をつき従えて超絶的に歌い上げている。
しっとりした曲調の切々と歌い上げるアリアも約半数を占めるが説明は割愛。どの曲も味があって楽しめるものであるのは勿論だが、エリザベスの驚異的な歌唱テクニックと表現幅の広さ、深さには改めて脱帽だ。
(録音評)
Harmonia Mundi USA、HMU807574、SACDハイブリッド。録音は少し古く、2014年11月、ロンドン オール・ハロウズ教会、ゴスペル・オーク。この録音もボルレッティ・ブイトーニ財団のサポートにより執り行われたことがライナー最終ページにクレジットされている。録音スタッフだが、編集:Brad Michel、録音エンジニア:Brad Michel & Matthew Bennett、プロデューサー:Robina G.Youngとお馴染みの顔ぶれ。今回は録音・編集・マスタリングのすべての工程においてDSD処理されている旨、明記されている。音質だが、期待を裏切らないHarmonia Mundi USAならではのもので、空間感と空気感、奥行き感が完璧に捉えられた実像系録音。さすがに歌唱ものを録らせるとワールドクラスの面目躍如といったところ。最近ではWigmore Hall LiveがCD-DAながら素晴らしい歌唱録音を連発しているけれども、やはりHM USAは図抜けている。
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