だらんま@田原町 |
「だらんま」とは富山弁で「お馬鹿な奴」という程度の意味で、もともとは「だら=馬鹿」+「あんま=長男坊」の合成語。看板には富山ブラックとでかでかと書いてあり、また東京で一番塩っぱいラーメンを標榜しているようだ。店に着いたのは14:00前だったが先客はゼロ。食券を買うシステムで、メニューは豊富。味噌、担担麺、つけ麺から油そばまである。トッピングやご飯類も豊富で、米は富山産コシヒカリ使用とある。醤油ラーメンについては普通と肉多めという2種類だ。
店の中には富山の塩っぱいラーメンの成り立ちが書いて貼ってあり、読むとどうやら大喜のことを言っているようだ。だが、大喜との関わりや資本関係については一切触れられていないことから、つまりは大喜リスペクトの店なんだろう。メニューだが、本家の大喜のメニューには中華、中華大しかなく、いわば全て肉は多目だ。トッピングに至っては生卵くらいしかないし、ご飯はもともとメニューにもない。買った食券は醤油の肉多め。
着席後に壁に張ってある「ブラック味玉」なる短冊を発見。面白いので現金で注文。店は若い男女二人でオペレーションしており、大声で喋りながらの作業。程なくしてラーメンが登場。無料の葫を入れるか問われたが丁重にお断り。殆どの客が入れるらしく怪訝な顔をされた。葫と油かすを入れるのは「まるたかや」と混同しているようで、この時点で既に怪しい。
外形上は大喜の中華に似ている。まず、丼は大喜と全く同じ製品を使用しているようである。チャーシューは大型で厚手のものがどっかり乗っているが、本家はもうちょっと薄い乱切りがこれでもかと乗っている。葱の乱切りはもっと大き目で、しかももっと多量にぶちまけられている。黒胡椒の量はこんなものだろうと思う。
しかし、丼から立ち上る香り、風味がまるで違う。大喜はもっと鶏ガラの匂いがきつく、醤油の匂いももっと強烈、そして僅かに生姜の匂いもする。それと決定的に違うのはメンマの竹臭い独特の匂いがまるでないこと。黒いスープを一掬いする。濁りがあって焦がし醤油、いや蕎麦汁の「かえし」みたいだ。まったりとして甘味すら感じる。
スープは大喜とは全く異なるもので、塩分多めという共通点以外、富山ブラックと認定できる代物ではない。鮮やかに突き抜ける生醤油の特色がなく、前述の通り、溜まり醤油か「かえし」のような焦げた風味には違和感だ。叉焼は大喜よりは厚く柔らかく全然立派で美味しいが、逆に洗練され過ぎている。もっとシンプルで塩っぱくて良い。
麺は割と大喜に似ていると思うが、本家はもっとがじがじしていて不揃いでムラがある。近傍の製麺会社から上質なストレート太麺を仕入れているのだろうが、大喜に比べて品質が高すぎる。メンマは細くてコリコリしているがこれまた本家とは全然違う。もっと太くて黒くて硬く塩っぱいし、冒頭述べたようにワイルドな匂いがする。
追加したブラック味玉は割と良い出来栄えの煮卵で美味しかったが、スープの塩分にかき消されて良さはあまり発揮できていなかった。富山出身で大喜を愛用していた者からみればこれは富山ブラックという範疇には入らないラーメンで、ちょっとがっかり。だが、大喜を知らない人が先入観なしに食べればそれはそれでありなのかもしれない。
富山ブラックラーメンだらんま 浅草店
東京都台東区西浅草2-1-11
電話:050-5890-6284(予約専用番号)
03-5828-0337(お問い合わせ専用番号)
営業:11:00~翌05:00
定休:無休
最寄:東京メトロ銀座線 田原町3分
1日1回、ここをポチっとクリック ! お願いします。
♪ よい音楽を聴きましょう ♫