景徳鎮 新館@中華街 |
それで四川を食べるため中華街へと向かった。中華街では大手を除くと純粋な四川の店はそれほど多くはないのが実情だ。昨今、オーダー・バイキングが流行り、広東の店が四川の料理人を雇って四川料理と銘打って出しているところが多いが、大概は辛いだけで、本当の意味での深みある辛さを伴う四川の店はとりもなおさず少ない。
そんななか、景徳鎮は本格四川、とりわけ陳タイプの麻婆豆腐では中華街でも三本の指に入る名店。市場通りの本店に行ったが、なぜかツアー客が大挙して入っていて暫く待てという。ならば香港路の新館があるではないか、ということで行ってみたら可哀想なくらい暇で閑古鳥だった。先客は老人と小学生くらいの二人一組だけだった。
コースもあったが、それほど品数が欲しいわけではなかったのでアラカルトで選ぶことに。まずはその前に瓶ビールを注文。ちびりとやりながら選んだのは前菜的な蒸し鶏、そして八宝菜。そして、本命の本格四川の麻婆豆腐、それと、外せないのが炒飯で、迷った挙句、しゃきしゃきとした食感が楽しみなレタス炒飯をオーダーした。
奥の厨房は暇とあってオーダー直後から全速力で調理開始。蒸し鶏は仕込んであった冷製食材を中華包丁で薄切りにするだけなので速攻到着。その後、鍋とお玉がぶつかり合う軽やかな音を響かせながら料理が出来上がる。蒸し鶏を数切れ食べたところで八宝菜が登場。熱々を食べたかったので蒸し鶏は小休止してほくほくを頬張る。
八宝菜は五目炒と同義だが、実際には10品目以上の材料が入っており、滋味深い出汁と餡とが相俟って絶妙な仕上がりだ。特徴は筍で、青味を残した状態の姫竹、および普通の大型の筍の穂先部分の二種が入っている。あとは写真にある通りの具材がてんこ盛りでこれは行ける。因みに八宝菜に辛味は付いておらず、普通に食べられる料理だ。
八宝菜に舌鼓を打っていると、四川の麻婆が登場。辣油が多量にかかっていて皿は紅蓮に染まるが、実際の辛さはそれほどでもなくて後からやってくるタイプ。むしろ花椒(ホワジャオ)が特徴で、これは下手に吸い込むと咽るほどに刺激が強い。だが、これが食いたかったのである。さすがに四川の名店だけあって味も風味も完璧である。
レタス炒飯もそれほど置かずして登場。目論見通り、レタスの葉はしゃきしゃき感を残しているのと、レタスから染み出す葉野菜特有の甘みがご飯に乗り移っていてこれまた典雅で穏健な味なのだ。半分程度はそのまま美味しく頂いたが、やはり後半には麻婆を乗せておいて一気に掻き込む醍醐味は外せないのだ。辛味と痺れ、炒飯のふっくら感が良い。
景徳鎮 新館
横浜市中区山下町138
電話:050-5831-9150
営業:11:00~23:00(LO:22:30)
定休:無休
最寄:MM21線 元町・中華街6分、JR石川町6分
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