2015年 09月 28日
encore@Tamaki Kawakubo |
avexの春の新譜から、川久保賜紀が弾くVn名曲を集めたコンピレーション盤で、SACDハイブリッド。

http://tower.jp/item/3815424/
encore
Fritz Kreisler:
1. Praeludium and Allegro in the style of Pugnani
2. Schon Rosmarin
3. Tambourin Chinois
George Gershwin(arr. Jascha Heifetz): 3 Preludes
4. 1. Allegro ben ritmato e deciso
5. 2. Andante con moto e poco rubato
6. 3. Allegro ben ritmato e deciso
Pablo de Sarasate:
7. Zigeunerweisen
8. Romanza Andaluza(Spanish Dances, Op.22 No.3)
Johannes Brahms(arr. Joseph Joachim)
9. Hungarian Dance No.5
Bela Bartok(arr. Zoltan Szekely): Romanian Folk Dances
10. Jocul cu bata . Allegro moderato
11. Bra ul. Allegro
12. Pe-loc. Moderato
13. Buciumeana. Andante
14. Poarga Romaneasca . Allegro
15. Ma runtel. Allegro
Maurice Ravel:
16. Tzigane
Vittorio Monti:
17. Czardas
Tamaki Kawakubo(Vn)
Akira Eguchi(Pf)
川久保 賜紀/アンコール!
クライスラー:プレリュードとアレグロ(プニャーニの様式による)
クライスラー:美しきロスマリン
クライスラー:中国の太鼓
ガーシュウィン/ハイフェッツ編:3つのプレリュード
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
サラサーテ:アンダルシアのロマンス Op.22-3
ブラームス/ヨアヒム編:ハンガリー舞曲第5番
バルトーク/セーケイ編:ルーマニア民族舞曲
ラヴェル:ツィガーヌ
モンティ:チャールダーシュ
川久保 賜紀(ヴァイオリン)
江口 玲(ピアノ)
Vnソリストの川久保さん、そして伴奏の江口さんもFacebook Friendなのだが今まで彼女らの演奏はまともに聴いたことがなかった。川久保さんは日本国内で頻繁にリサイタル/コンサート活動を展開しているが、彼女はロサンゼルス生まれ、現在はミュンヘンあるいはベルリン在住とのことであり日本を生活拠点とはしていないようだ。初来日は1997年、チョン・ミョンフン指揮アジア・フィルのソリストとして東京国際フォーラムのこけら落としだったそうだ。同じ年、ニューヨークのモーストリー・モーツァルト・フェスティバル・オーケストラとのツアーで再来日し、同年の演奏活動に対しリンカーンセンターよりエヴリー・フィッシャー賞を受賞している。日本人演奏家だが海外での評価の方が高く、後に逆輸入方式で国内評価が高まりつつあるアーティストは何人かいて、彼女もそのうちの一人といえよう。
このアルバムはVnソロの小品ばかりを集めたコンピレーション盤で、いずれも難易度が高いことで有名な作品。川久保さんのVnの表現は、一言でいうと濃密で抒情的。良く歌うメロディーラインとともに内声部の描き込みの襞が深くて味わいが濃いと感じる。この盤だけからの印象だが、E線とA線が比較的柔和、特にE線には金属臭がなくてまろび出る質感に対し、D線がストレートな印象、G線はソリッドで太くごりっとした男性的な対比を聴かせるのが特徴。私は素人なので、ドミナントを張っているのか否かは分からないが・・。
テクニックは申し分のない超絶ぶりで、とにかく速弾きなのが印象的。相当な高速パッセージも無理も苦労もなく楽々と弾き抜けていくのは快感だ。前半でいえば中国の太鼓なんかが典型で、これくらい運指が速くなると指板ノイズと弦を摺るノイズが無視できなくなるものだが、彼女の場合、依然としてS/Nは高くノイズフロアは低い。ガーシュウィンが3題並ぶが、一気に自由に緩解された遊び方がいかにもジャジーで気儘、良い雰囲気。こういった曲も鷹揚に弾けてしまうのが羨ましい。
そしていきなりツィゴイネルワイゼン。この曲は余りに有名で演奏機会も非常に多く、今更差別化した特別に個性的な演奏が期待されるわけはない。敢えて言うなら、ここでの川久保さんの演奏はやはり高速性に特徴があって、特に後半の急ぐフレーズの加速感とG線のハードなドライブ感、微細なピチカートが爽快だ。これまた超有名な名曲、ハンガリー舞曲第5番ではやはりG線をハードにドライブしており、随所に挟まるダブルストップを軽々と歌わせるのが特徴。続くバルトークのルーマニア民族舞曲は変幻自在であり、時に瞑想的な旋律と和声、時に民俗的に飛躍するリズム感が楽しい。
やはり白眉はツィガーヌだろうか。長い無伴奏部の歌いというか咽び泣きが堪らない魅力。ダブルストップによる独特で糸を引くような粘度の高い主題が特徴となる作品なのだが、彼女の息の長いフレージングによってその濃密さが更に増している。とても彫り込みの深い解釈と演奏。江口さんが弾くヴィンテージ・スタインウェイによる気怠い伴奏も奏功し陰影の濃いツィガーヌとなっている。最終トラックのチャルダッシュは哀愁に満ちた太く堂々とした構図。江口さんも懐の深い挑発的な伴奏を仕掛けてきており、二人の掛合いは聴き応えがし、なかなかの好演だ。
(録音評)
avex Classics AVCL-25871、SACDハイブリッド。録音は2014年11月18日~20日 稲城市立iプラザとある。エーベックスにはクラシック録音専門の社内エンジニアはいないらしく、大概はキングレコード、カメラータ、またはオクタヴィアなどに外注して録音しているようだが、これはたまたまオクタヴィアが制作したと明記がある。音質だが、SACDハイブリッドであるアドバンテージが十分に感じられる高解像度録音ではある。しかし、音像が肥大化傾向、そしてサウンドステージ、つまり音場構築に不自然さが伴っている(=中抜けを起こしている)のは残念なところ。楽器の音色は正確に捉えられていて、特にヴィンテージのスタインウェイとされるPfがフローラルで良い雰囲気で録られている。
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♪ よい音楽を聴きましょう ♫

http://tower.jp/item/3815424/
encore
Fritz Kreisler:
1. Praeludium and Allegro in the style of Pugnani
2. Schon Rosmarin
3. Tambourin Chinois
George Gershwin(arr. Jascha Heifetz): 3 Preludes
4. 1. Allegro ben ritmato e deciso
5. 2. Andante con moto e poco rubato
6. 3. Allegro ben ritmato e deciso
Pablo de Sarasate:
7. Zigeunerweisen
8. Romanza Andaluza(Spanish Dances, Op.22 No.3)
Johannes Brahms(arr. Joseph Joachim)
9. Hungarian Dance No.5
Bela Bartok(arr. Zoltan Szekely): Romanian Folk Dances
10. Jocul cu bata . Allegro moderato
11. Bra ul. Allegro
12. Pe-loc. Moderato
13. Buciumeana. Andante
14. Poarga Romaneasca . Allegro
15. Ma runtel. Allegro
Maurice Ravel:
16. Tzigane
Vittorio Monti:
17. Czardas
Tamaki Kawakubo(Vn)
Akira Eguchi(Pf)
川久保 賜紀/アンコール!
クライスラー:プレリュードとアレグロ(プニャーニの様式による)
クライスラー:美しきロスマリン
クライスラー:中国の太鼓
ガーシュウィン/ハイフェッツ編:3つのプレリュード
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
サラサーテ:アンダルシアのロマンス Op.22-3
ブラームス/ヨアヒム編:ハンガリー舞曲第5番
バルトーク/セーケイ編:ルーマニア民族舞曲
ラヴェル:ツィガーヌ
モンティ:チャールダーシュ
川久保 賜紀(ヴァイオリン)
江口 玲(ピアノ)
Vnソリストの川久保さん、そして伴奏の江口さんもFacebook Friendなのだが今まで彼女らの演奏はまともに聴いたことがなかった。川久保さんは日本国内で頻繁にリサイタル/コンサート活動を展開しているが、彼女はロサンゼルス生まれ、現在はミュンヘンあるいはベルリン在住とのことであり日本を生活拠点とはしていないようだ。初来日は1997年、チョン・ミョンフン指揮アジア・フィルのソリストとして東京国際フォーラムのこけら落としだったそうだ。同じ年、ニューヨークのモーストリー・モーツァルト・フェスティバル・オーケストラとのツアーで再来日し、同年の演奏活動に対しリンカーンセンターよりエヴリー・フィッシャー賞を受賞している。日本人演奏家だが海外での評価の方が高く、後に逆輸入方式で国内評価が高まりつつあるアーティストは何人かいて、彼女もそのうちの一人といえよう。
このアルバムはVnソロの小品ばかりを集めたコンピレーション盤で、いずれも難易度が高いことで有名な作品。川久保さんのVnの表現は、一言でいうと濃密で抒情的。良く歌うメロディーラインとともに内声部の描き込みの襞が深くて味わいが濃いと感じる。この盤だけからの印象だが、E線とA線が比較的柔和、特にE線には金属臭がなくてまろび出る質感に対し、D線がストレートな印象、G線はソリッドで太くごりっとした男性的な対比を聴かせるのが特徴。私は素人なので、ドミナントを張っているのか否かは分からないが・・。
テクニックは申し分のない超絶ぶりで、とにかく速弾きなのが印象的。相当な高速パッセージも無理も苦労もなく楽々と弾き抜けていくのは快感だ。前半でいえば中国の太鼓なんかが典型で、これくらい運指が速くなると指板ノイズと弦を摺るノイズが無視できなくなるものだが、彼女の場合、依然としてS/Nは高くノイズフロアは低い。ガーシュウィンが3題並ぶが、一気に自由に緩解された遊び方がいかにもジャジーで気儘、良い雰囲気。こういった曲も鷹揚に弾けてしまうのが羨ましい。
そしていきなりツィゴイネルワイゼン。この曲は余りに有名で演奏機会も非常に多く、今更差別化した特別に個性的な演奏が期待されるわけはない。敢えて言うなら、ここでの川久保さんの演奏はやはり高速性に特徴があって、特に後半の急ぐフレーズの加速感とG線のハードなドライブ感、微細なピチカートが爽快だ。これまた超有名な名曲、ハンガリー舞曲第5番ではやはりG線をハードにドライブしており、随所に挟まるダブルストップを軽々と歌わせるのが特徴。続くバルトークのルーマニア民族舞曲は変幻自在であり、時に瞑想的な旋律と和声、時に民俗的に飛躍するリズム感が楽しい。
やはり白眉はツィガーヌだろうか。長い無伴奏部の歌いというか咽び泣きが堪らない魅力。ダブルストップによる独特で糸を引くような粘度の高い主題が特徴となる作品なのだが、彼女の息の長いフレージングによってその濃密さが更に増している。とても彫り込みの深い解釈と演奏。江口さんが弾くヴィンテージ・スタインウェイによる気怠い伴奏も奏功し陰影の濃いツィガーヌとなっている。最終トラックのチャルダッシュは哀愁に満ちた太く堂々とした構図。江口さんも懐の深い挑発的な伴奏を仕掛けてきており、二人の掛合いは聴き応えがし、なかなかの好演だ。
(録音評)
avex Classics AVCL-25871、SACDハイブリッド。録音は2014年11月18日~20日 稲城市立iプラザとある。エーベックスにはクラシック録音専門の社内エンジニアはいないらしく、大概はキングレコード、カメラータ、またはオクタヴィアなどに外注して録音しているようだが、これはたまたまオクタヴィアが制作したと明記がある。音質だが、SACDハイブリッドであるアドバンテージが十分に感じられる高解像度録音ではある。しかし、音像が肥大化傾向、そしてサウンドステージ、つまり音場構築に不自然さが伴っている(=中抜けを起こしている)のは残念なところ。楽器の音色は正確に捉えられていて、特にヴィンテージのスタインウェイとされるPfがフローラルで良い雰囲気で録られている。
1日1回、ここをポチっとクリック ! お願いします。♪ よい音楽を聴きましょう ♫
by primex64
| 2015-09-28 23:13
| Solo - Vn
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