2015年 09月 26日
Verdi: Requiem@Lorin Maazel/Münchner PO & Choir |
ソニーの春の新譜から、マゼール/ミュンヘンPOによるヴェルレク。

http://tower.jp/item/3834511/
Verdi: Messa da Requiem
Disc 1
Ⅰ. Requiem & Kyrie
Ⅱ. Sequentio: Dies irae
Dies irae
Tuba mirum
Liber scriptus
Quid sum miser
Rex tremendae
Recordare
Ingemisco
Confutatis
Lacrymosa
Disc 2
Ⅲ. Offertorio
Domine Jesu Christe
Hostias
Ⅳ. Sanctus
Ⅴ. Agnus Dei
Ⅵ. Lux aeterna
Ⅶ. Libera me
Libera me
Dies irae
Libera me
Anja Harteros (Sop), Daniela Barcellona (Mez-Sop),
Wookyung Kim (Ten) & Georg Zeppenfeld (Bas)
Münchner Philharmoniker & Choir, Lorin Maazel
ロリン・マゼール/ヴェルディ:レクイエム
ヴェルディ: レクイエム
アニヤ・ハルテロス(ソプラノ),
ダニエラ・バルチェッローナ(メゾ・ソプラノ)
ウーキュン・キム(テノール)
ゲオルク・ツェッペンフェルト(バス)
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団
ロリン・マゼール(指揮)
The last recording of conductor Lorin Maazel
World-famous conductor Lorin Maazel was chief conductor of the Münchner Philharmoniker until shortly before his death in July 2014 at the age of 84.
This live recording, which happened in February 2014, is probably the last recording of Maazel. It documents an acclaimed and moving concert in the Munich Philharmonie with Lorin Maazel and the Münchner Philharmoniker and their choir performing Verdi's famous requiem. The excellent soloists were Anja Harteros (soprano), Daniela Barcellona (mezzo-soprano), Wookyung Kim (tenor) and Georg Zeppenfeld (bass).
衆知の通り、ロリン・マゼールは2014年7月13日逝去、享年84歳だった。マゼールはオペラも手掛けており、ヴェルディ作品の録音は多いが、どういったわけかレクイエムの純粋なCD録音はなかったと記憶する(確か、パヴァロッティと撮ったDVDがあったが)。マゼールは昨春に体調を崩し、4月以降のツアーを含む全ての演奏会をキャンセル、結局ミュンヘン・フィルの音楽監督についても任期を残して辞任した。ということは、このライブCDがマゼールの辞世の録音ということとなろう。
演奏だが、入り端から一聴するとロー・テンションと感じるが、じつはこれは瞑想するかのごとく、非常に静謐な解釈の始まりなのであって、そのあたりのダルな演奏とは一線を画すもの。どのパートも凛とした素晴らしい出来栄えなので甲乙つけがたいが、やはり2枚目に含まれるフィナーレへの道程が素晴らしい。錚々たる顔ぶれのソリスト、ミュンヘンPOの面々が並々ならぬ決意と緊張感を以って臨んでいるのがひしひしと伝わってくる。
ソプラノのアニア・ハルテロス、メゾ・ソプラノのダニエラ・バルチェッローナの誦唱するアニュス・デイ、そしてラストのリベラメの展開部における伸びやかで徹る歌声がなんとも崇高で神聖。ヴェルレクとしてはちょっと異次元の演奏で他と比べるべくもない。演奏設計、解釈は常にモデレートであってまさしく正攻法。時間軸を徒に揺らすことのない着実かつ精緻なバトン捌きには、生涯にわたりマゼールが保ってきた高潔な矜持が宿っている。
ソリストたち、混声合唱団、オーケストラの全員が巨匠マゼールを敬愛し畏敬し、彼が繰り出す緻密かつ巧妙なリードに応えようと懸命に音を合わせている姿にはただただ心打たれる。マゼール最後の録音という欲目は皆無とは言えないが、そういった条件を付けずしても今世紀ここまでの演奏としては孤高の名演である。
(録音評)
Sony Classical 88875083302、通常CD。録音は2014年2月6日、Philharmonie im Goesteig Munich(ミュンヘン、ガスタイク)でのライブとある。この盤の出版元はソニーだ。しかし、録音担当はEmil Berliner Studios - EBS Productions GmbH & Co,KG、レコーディング・プロデューサー:Rainer Maillard、トーン・マイスター:Gerald Junge と書いてあるので、実質的にはDG(ドイツ・グラモフォン)の制作ということになる。音質的には括目するほどの高解像度ではないが、奥へ展開するサウンドステージの空間感がライナー・マイヤール独特の録り方であって一聴すると彼の手になる収録とすぐにわかるもの。音の形質的にはソニーの地味暗いものではない。多少の演色とフローラルな調音はDGの系譜そのものといってよいだろう。もう少し寒色系でまとめても良かったのではないかと思う。
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♪ よい音楽を聴きましょう ♫

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Verdi: Messa da Requiem
Disc 1
Ⅰ. Requiem & Kyrie
Ⅱ. Sequentio: Dies irae
Dies irae
Tuba mirum
Liber scriptus
Quid sum miser
Rex tremendae
Recordare
Ingemisco
Confutatis
Lacrymosa
Disc 2
Ⅲ. Offertorio
Domine Jesu Christe
Hostias
Ⅳ. Sanctus
Ⅴ. Agnus Dei
Ⅵ. Lux aeterna
Ⅶ. Libera me
Libera me
Dies irae
Libera me
Anja Harteros (Sop), Daniela Barcellona (Mez-Sop),
Wookyung Kim (Ten) & Georg Zeppenfeld (Bas)
Münchner Philharmoniker & Choir, Lorin Maazel
ロリン・マゼール/ヴェルディ:レクイエム
ヴェルディ: レクイエム
アニヤ・ハルテロス(ソプラノ),
ダニエラ・バルチェッローナ(メゾ・ソプラノ)
ウーキュン・キム(テノール)
ゲオルク・ツェッペンフェルト(バス)
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団
ロリン・マゼール(指揮)
The last recording of conductor Lorin Maazel
World-famous conductor Lorin Maazel was chief conductor of the Münchner Philharmoniker until shortly before his death in July 2014 at the age of 84.
This live recording, which happened in February 2014, is probably the last recording of Maazel. It documents an acclaimed and moving concert in the Munich Philharmonie with Lorin Maazel and the Münchner Philharmoniker and their choir performing Verdi's famous requiem. The excellent soloists were Anja Harteros (soprano), Daniela Barcellona (mezzo-soprano), Wookyung Kim (tenor) and Georg Zeppenfeld (bass).
衆知の通り、ロリン・マゼールは2014年7月13日逝去、享年84歳だった。マゼールはオペラも手掛けており、ヴェルディ作品の録音は多いが、どういったわけかレクイエムの純粋なCD録音はなかったと記憶する(確か、パヴァロッティと撮ったDVDがあったが)。マゼールは昨春に体調を崩し、4月以降のツアーを含む全ての演奏会をキャンセル、結局ミュンヘン・フィルの音楽監督についても任期を残して辞任した。ということは、このライブCDがマゼールの辞世の録音ということとなろう。
演奏だが、入り端から一聴するとロー・テンションと感じるが、じつはこれは瞑想するかのごとく、非常に静謐な解釈の始まりなのであって、そのあたりのダルな演奏とは一線を画すもの。どのパートも凛とした素晴らしい出来栄えなので甲乙つけがたいが、やはり2枚目に含まれるフィナーレへの道程が素晴らしい。錚々たる顔ぶれのソリスト、ミュンヘンPOの面々が並々ならぬ決意と緊張感を以って臨んでいるのがひしひしと伝わってくる。
ソプラノのアニア・ハルテロス、メゾ・ソプラノのダニエラ・バルチェッローナの誦唱するアニュス・デイ、そしてラストのリベラメの展開部における伸びやかで徹る歌声がなんとも崇高で神聖。ヴェルレクとしてはちょっと異次元の演奏で他と比べるべくもない。演奏設計、解釈は常にモデレートであってまさしく正攻法。時間軸を徒に揺らすことのない着実かつ精緻なバトン捌きには、生涯にわたりマゼールが保ってきた高潔な矜持が宿っている。
ソリストたち、混声合唱団、オーケストラの全員が巨匠マゼールを敬愛し畏敬し、彼が繰り出す緻密かつ巧妙なリードに応えようと懸命に音を合わせている姿にはただただ心打たれる。マゼール最後の録音という欲目は皆無とは言えないが、そういった条件を付けずしても今世紀ここまでの演奏としては孤高の名演である。
(録音評)
Sony Classical 88875083302、通常CD。録音は2014年2月6日、Philharmonie im Goesteig Munich(ミュンヘン、ガスタイク)でのライブとある。この盤の出版元はソニーだ。しかし、録音担当はEmil Berliner Studios - EBS Productions GmbH & Co,KG、レコーディング・プロデューサー:Rainer Maillard、トーン・マイスター:Gerald Junge と書いてあるので、実質的にはDG(ドイツ・グラモフォン)の制作ということになる。音質的には括目するほどの高解像度ではないが、奥へ展開するサウンドステージの空間感がライナー・マイヤール独特の録り方であって一聴すると彼の手になる収録とすぐにわかるもの。音の形質的にはソニーの地味暗いものではない。多少の演色とフローラルな調音はDGの系譜そのものといってよいだろう。もう少し寒色系でまとめても良かったのではないかと思う。

♪ よい音楽を聴きましょう ♫
by primex64
| 2015-09-26 13:09
| Vocal
|
Trackback
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Comments(2)

ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
ゆうけいさん
お知らせTHXです! うっかりミスでした。
今後ともよろしくお願いいたします。
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