福満園 別館@中華街 |
この日は元町側から市場通りに向かったが、関帝廟通りを越えて市場通りに入ると立錐の余地もないほどの人出で驚く。
福満園のグループは今年で創業20周年だそうで、この中華街にあっては後発組。だが確固としたプレゼンスで固定的人気を博している。同じ四川の京華樓も創業10年ちょっとだが、やはり相応のポジションを確保しているといってよい。福満園は四川の中でも景徳鎮や重慶飯店よりは気の張らない店だが味は本場の一級。まずは生ビール。
ビールを飲みながらメニューから単品でこれはと思うものを逐次頼んでいく。暑い日だったのでまずは見た目に涼やかな一品をオーダー。これはクラゲの頭と胡瓜の和えもので、味はほんのり淡い塩分、旨み、僅かな酸味が付いている。クラゲの傘はにゅわっとしているが、頭の部分は肉厚で少々硬く、こりこりしている。
これはアスパラガスのXO醤の炒めもの。具はアスパラと人参だけとシンプルだがXO醤の多元的で深い乾物系ミックスの滋味がマッチしている。また、このアスパラは恐らく旬であり、穂先のみならず茎に至るまでとても柔らかく風味も良い。アスパラの炒め物がこんなに甘美で新鮮な香りだったのは初めてだ。ちょっとだけ辛い。
こちらは陳麻婆豆腐。この店の陳バージョンは本格四川の麻辣をまとった辛くて塩っぱくて痺れるやつ。親切なことに日本人向けのライトで甘めの麻婆もある。だが私はあくまで陳バージョン。とにかく苛烈な辛さ、劇的な痺れ、強めの塩分が癖になる美味しさで、これは炒飯(後述)にかけて食べると最高なのだ。
陳麻婆と一緒に食べたがっているのが分かったのか、すかさず海鮮炒飯が到着。具はまさに海鮮というに相応しいもので蟹肉と小海老がたっぷりと入っていて繊細で薄い塩味がなんとも言えない。これに強烈な陳麻婆をかけるのが憚られる一品。勿論、麻婆をかける前に暫し味わってみると、得も言われぬ至福が訪れる。
暫くして鶏肉のカシューナッツ炒めがサーブ。具だくさんでびっくり。これらの食材はいったん油通しされた後にざっと鍋を煽って仕上げたもの。香りはカシューナッツが支配的だが甘い香りの鶏もも、それ以外には中華マッシュルーム、ピーマン、パプリカ、銀杏などの野菜類が下支えしていて美味しい。味付けは塩をベースに辛味も少しある。
牛バラ肉の醤油煮が登場。広東とは違い、強い塩分が主体となったしっかりしたボディー感が特徴。煮込んだ牛バラは広東と同程度の柔らかさで脂が落ちているからコラーゲンが多くぷにぷにの食感だ。青梗菜が添えられていて、これと共に頂くと牛肉を食っているという風情はなくてフカヒレのような豊富な滋養。
暫く来ていなかったが実に旨い四川であった。福満園の系列はリーズナブルな価格の割にはかなりグレードが高い。しかも、殆ど本場の味付けということで価値ある名店と言っておこう。
いろんな著名人にも愛されるこの市場通りの四川・湖南の店は本当にお勧めだ。
福満園 別館
住所 神奈川県横浜市中区山下町137
電話: 045-662-0003
営業: 11:00~24:00(LO:23:30)
定休: 無休
最寄: みなとみらい線元町・中華街(2番)4分、
JR石川町 8分
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